『年次有給休暇』の労働実務相談Q&A

2025.06.26 【労働基準法】

予告期間中でも年休か? 未消化あればどうする

キーワード:
  • 年次有給休暇
  • 解雇
  • 解雇予告
Q

 ある労働者へ解雇の打診をした際、応じた際の年休の扱いを知りたいと聞かれました。解雇予告期間中でも取得可能でしょうか。未消化分の買上げなど調整は必要ですか。【広島・M社】

A

労働義務残り付与必要 事前の買上げとは異なる

 労基法上、解雇をする場合、少なくとも30日前までに予告をしなければならないとしています(法20条)。一方で、30日前までに解雇予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。解雇予告と併用する方法も認められており、平均賃金を支払った日数分、解雇予告の日数を短縮することもができます。

 次に、年次有給休暇は、賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を受けるものです。休日その他労働義務の課せられていない日は取得する余地がないとされています(労基法コンメンタール)。また、…

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2025.05.23 【労働基準法】

年休取得日に一部勤務は? 2暦日またがり勤務 追加で賃金払うつもり

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 緊急事態の発生で担当者を呼び出したところ、作業は翌日午前1時ごろまで及んだとの報告がありました。担当者は翌日、年次有給休暇消化の予定となっていました。私は「1時間だけでも就労させれば、年休取得にならない」と上司に進言したのですが、上司は「時間分の賃金を支払って年休消化させたい」といいます。どのように対応するのがベターなのでしょうか。【茨城・S社】

A

残業累計し代休処理も

 年休は1労働日を単位として付与しますが、労働日は「原則として暦日計算による」とされています(労基法コンメンタール)。

 そこで、質問者のおっしゃるとおり、午前0時を過ぎて労働させると、年休を適法に取得させたことになりません。年休を取り消し、休業手当を補填する等の対応を…

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2025.03.14 【労働基準法】

土曜半日の年休どう扱うか 時間単位も導入予定 1日消化で問題ないか

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 顧問先の病院で、従業員から時間単位年休の導入を要望されています。病院側は、時間単位年休を導入する前に、まず半日年休を導入して取得状況などを確認したいといいます。現在、土曜午前も診療していて、休む際は年休を1日消化したものとして処理しています。半日年休は、どう扱うべきでしょうか。【奈良・M社】

A

0.5日消化も検討余地

 年休は「労働日単位」で付与するのが原則です。使用者は半日単位の年休を付与する義務はありませんが(昭24・7・7基収1428号)、与えることは禁じられていません。

 時間単位年休が法定化された際にも、「本来の取得の阻害とならない範囲で適切に運用される限り、(半日付与は)問題ない」という考え方が再確認されました。

 今回、まず半日年休を導入するということで、対応方法には大別して2とおりが想定されます。

 第1は、…

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2025.02.12 【労働基準法】

年休は取得できるのか? 何らか給付ある場合等も

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 労務関係の部署に配属され、年次有給休暇について改めて確認中です。業務上の負傷や妊娠など、労働者が働けなくなり何らかの給付が受けられる際、年休は取得できるのでしょうか。制約などはありますか。【滋賀・S社】

A

労働義務が存在すれば可 待期期間のカウント対象

 労基法39条の年次有給休暇は、賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を受けるものです。休日など労働義務の課されていない日については、取得する余地がないとされています。同条が「10労働日」という文言を使用しているのも、このような立法趣旨からであると解されるとしています(労基法コンメンタール)。

 例えば、私傷病などで休職を発令され、会社に籍があるが労働義務がない場合、年休を取得できないとしています(昭24・12・28基発1456号など)。一方、休職を発令されておらず、本来は労働義務があるが欠勤等となっているときは、…

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2025.01.24 【労働基準法】

私傷病休職あり出勤率計算は? 年休付与には8割必要 所定労働日に休んだ形

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 まもなく年次有給休暇の付与基準日が到来しますが、過去1年間に私傷病休職期間が含まれている従業員がいます。当社ではこれまで欠勤と同じように処理してきました。出勤率が8割を下回ると復帰後年休を取得できず、本人に支障が出ることも想定されます。どのように対応すべきでしょうか。【北海道・I社】

A

病気欠勤中と同じ扱いも

 年次有給休暇について定めた労基法39条は、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、年休を与えなければならないと規定しています。

 出勤率の計算に当たって、計算の分母となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日です(昭23・11・13基発90号、昭63・3・14基発150号)。したがって、雇用形態や職種等によって日数が異なることもあり得ます。

 所定労働日であれば分母に算入し、…

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