『損害賠償』の労働実務相談Q&A

2024.10.31 【交通事故処理】

借主が休車損害を請求? ノンオペチャージの扱い

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  • 損害賠償
Q

 レンタカーの運転中に、後方から追突される事故に遭い、自走返却不能となりました。レンタカー会社との契約では、車両の修理等が必要となり使用できなくなった場合、5万円のノンオペレーションチャージ、いわゆる休車損害を支払う旨の約定があります。私が、加害車両の運転者に対し5万円を損害として請求したら認められるのでしょうか。【神奈川・M生】

A

休車損害立証する必要 因果関係否定した裁判も

 ノンオペレーションチャージ(以下「NOC」という)とは、レンタカー利用中に生じた事故等によりレンタカー会社が当該車両を使用できないことによる損害について、借受人に過失の有無を問わず賠償責任を義務付け、損害の立証を不要として、その多寡を問わず賠償額の予定を定めるものと解されています。

 NOCは、レンタカー会社と契約を結んだ借受人が、契約に基づいて支払義務を負うものであり、被害者たる借受人が約定に従って支払ったNOC全額について、加害者が賠償義務を負うかが問題になります。

 この点、裁判例(札幌地判令5・1・18)では、…

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2024.10.12 【交通事故処理】

代車費用支払われない? 約3カ月後通告を受ける

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  • 損害賠償
Q

 3月末、乗用車を運転中にトラックに追突され、乗用車は使用が難しくなりました。そこで車通勤が必須のためにレンタカーで代車を使用していたところ、7月中旬になって保険会社は、「5月末までの分しか代車費用は支払わない」といってきました。代車の使用は期限を決めずに認められていたはずなのですが、どうしたらよいでしょうか。【高知・T生】

A

新車購入で30日以内など 話し合い説得する必要が

 代車とは「自分の自動車が修理や車検中などで使用できないとき、代りに使う車」をいいます。交通事故に遭うと、損害を受けた事故車が修理可能な場合には修理する間、また全損なら買い換えるまでの間、被害者はその車を使用することはできません。こうした場合、被害者に代車を使用する必要性・相当性が認められれば、修理相当期間・買換え相当期間について、代車費用が損害として認められます。加害者は「代車使用料」の損害を賠償する義務を負っています。

 相談者のケースでは、代車費用については通勤には車が必須ということで認められます。しかし、いつまでも無限ということではなく、…

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2024.08.13 【交通事故処理】

監督官庁へ何を届け出る 貨物自動車で事故あれば

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  • 損害賠償
Q

 貨物自動車運送事業者です。従業員がトラックを運転中、交通事故を起こし、相手側の乗用車に負傷者や物損が生じました。負傷は運転者1人で、事故の規模は大きくなかったのですが、損害賠償等に関して誠実に対応していきたいと思っています。被害者への対応のほか、監督官庁に対して行わなければならないことを確認させてください。【静岡・G社】

A

速報と報告書提出が必要 規模により不要な場合も

 交通事故発生時に加害者がすべきことは、負傷者を助ける(救護義務)、車を安全な場所に移動させ止める、(必要な場合は)救急車を呼ぶ、道路の安全確保(危険防止義務)、警察への届出(報告義務)、現場写真の撮影、加入の損害保険会社への連絡――などです。これ以降の損害賠償等については、ほとんどの場合、相手側の契約している損保会社を通じて行います。

 相談者は運送会社の経営者ですが、従業員が加害者側となったので、被害者に対する損害賠償は誠実に対応していきたいとのことです。一方で、この交通事故について会社として監督官庁に対し…

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2024.07.11 【交通事故処理】

休業損害受けられるのか ケガを理由に退職した後

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  • 損害賠償
Q

 派遣社員として現場での作業中、交通事故で負傷しました。5日間仕事を休みその後1カ月間働いたものの、事故の傷害箇所がぶり返したため退職し治療に専念しました。通院日数30日、通院期間2カ月半で完治しました。保険会社に休業損害を求めたものの、傷害の内容等から発生するとは思えないなどと主張され、休業損害の支払いがされませんでした。何か支払いを受ける方法はあるでしょうか。【青森・A生】

A

和解のあっせんで解決も 対立あれば第三者介入へ

 相談者は、最初に5日間休業し、退職後は治療等で相当の期間仕事ができなかったとのことです。

 損害保険会社は、休業損害を支払わないことに関して、以下の主張をしていました。

 「最初の5日間の休業損害は派遣会社の休業損害証明書がなければ支払えない。退職後については、傷害の内容、治療や通院頻度からみて休業損害が発生するとは思えず、支払いに応じることはできない。ただし、医師の休業に対する証明があれば考慮する」。

 派遣会社などに休業損害証明書を求めても発行を渋られる可能性はあります。また、…

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2024.06.13 【交通事故処理】

症状悪化で補償される? 示談書に別途協議の文言

キーワード:
  • 損害賠償
Q

 街中を通行中、自動車事故で腰部を受傷し、3カ月間治療やリハビリを受け症状固定となりました。残った後遺障害については14級と認定されました。これで示談となったのですが、示談書に「新たに後遺障害が発生したときはあらためて別途協議する」という文言が入りました。実際に示談の半年後、腰の症状が悪化し、また首も痛くなりました。別途協議でこれらの補償は受けられますか。【石川・F生】

A

主張はほぼ認められない 診断書もらえば可能性も

 交通事故で示談になったときは、加害者(実際は損害保険会社のケースがほとんどです)と被害者の間で「示談書」あるいは「人身損害に関する承諾書(免責証書)」が交わされます。示談書には、後遺障害の等級や取得の有無に関わらず、次のような文言が入ることが多くなっています。「甲(被害者)と乙(加害者)とは、甲に将来本件交通事故による新たな後遺障害が発生したときはその損害につきあらためて協議する」あるいは「本件事故による後遺障害が生じたときは別途協議する」。

 相談者は腰部の後遺障害で14級が確定したあとに示談しています。補償や損害賠償を受けたため、示談の半年後に腰の症状が悪化したとしても、保険会社の支払いによる治療・リハビリは再開されません。もちろん、自費で行うことは可能です。

 では、どうしたらよいでしょうか。腰については、…

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