『業務上疾病』の労働実務相談Q&A

2023.08.29 【労災保険法】

胃潰瘍は業務上災害に? 起因性ある疾病の考え方

キーワード:
  • 業務上疾病
Q

 先日、「出血性胃潰瘍」で死亡した労働者の労災が認定されたとの報道がありましたが、労災の業務上疾病が定められている労働基準法施行規則別表第1の2の第11号でいう「その他業務に起因することの明らかな疾病」の考え方を教えてください。【東京・I社】

A

リスト外でも可能性あり 認定基準なく個別判断

 「その他業務に起因することの明らかな疾病」とは、第1号ないし第9号までに掲げられた疾病以外の疾病で、個々の事例に即して業務起因性(業務と発症の因果関係)が認められる疾病をいいます。

1 業務上疾病の範囲

 労災の業務災害のうち、とくに業務上疾病については労働基準法75条2項において、業務上の疾病を厚生労働省令で定めることとされていて、この規定に基づいて労基則別表第1の2の規定およびこれに基づく告示が定められ、その範囲を明確にしています()。…

回答の続きはこちら
2021.06.28 【労災保険法】

病気の労災認定難しいか 業務起因性などどう判断

キーワード:
  • 労災認定
  • 業務上災害
  • 業務上疾病
Q

 業務上災害の業務上外認定において、「業務遂行性」と「業務起因性」が認められることが要件になることは承知しておりますが、業務上疾病の場合の「業務遂行性」と「業務起因性」はどのように考えたらいいのでしょうか。【富山・T社】

A

職場で有害物ばく露なら 基礎疾患悪化した場合も

 業務上災害の場合と同様に、業務上疾病においても「業務遂行性」と「業務起因性」が認められることが必要です。

 当該疾病と業務との関連について、ばく露期間、発症の条件等を厚生労働省労働基準局長が行政通達の形で示したものが「認定基準」と呼ばれるものです。認定基準を満たしている疾病については、原則として業務上疾病として取り扱われますが、労基法別表第1の2に定められた疾病すべてに認定基準が示されているわけではありません。

 認定基準が示されていない疾病については、個々の事案について業務起因性の判断が行われることになります。

 「業務遂行性」と「業務起因性」の考え方は以下のとおりです。

1 業務上疾病における「業務遂行性」

 「業務遂行性」とは、「労働者が労働契約に基づいて…

回答の続きはこちら
2020.04.06 【労災保険法】

感染症に保険給付は? 医療業務と関係なし

キーワード:
  • 新型コロナウイルス
  • 業務上疾病
Q

 感染症の労災認定ですが、ケガと異なり、業務との関係を証明しにくいと思います。たとえば、医療業務従事者などを除き、認定の余地はないのでしょうか。【群馬・D社】

A

業務や通勤起因か判断

 業務上の疾病の範囲は、労基則35条に基づき、労基則別表1の2で定められています。たとえば、細菌、ウイルス等の病原体による疾病があります(6号)。まず想定しているのは、「患者の診療もしくは…

回答の続きはこちら
もっと見る もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。