『消滅時効』の労働実務相談Q&A

2020.05.29 【労働基準法】

消滅時効の起算点は? 労基法改正で延長 過去発生債務へ影響懸念

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 消滅時効
Q

 労基法の消滅時効期間が延長されたという記事を読みました(令2・5・4日付本紙3255号16面)。当分の間、消滅時効期間は3年(退職手当は5年)となるようですが、その起算点はどのように考えるのでしょうか。今回改正の結果、過去の賃金不払いについても、さかのぼって新しい時効が適用されるのでしょうか。【秋田・H社】

A

「行使できる時から」のみ

 改正労基法の本則では、賃金の請求権を5年と定めていますが、経過措置により、当分の間、「賃金(退職手当除く)の請求権はこれを行使することができる時から3年」と読み替えられます(附則143条3項)。

 今回の時効見直しは民法改正を契機とするものですが、改正民法のように「主観的起点(行使できる時を知った時から)」と「客観的起点(行使することができる時から)」の併用という形は採られませんでした。…

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2020.04.24 【労働基準法】

解雇予告手当の時効は 労基法改正を受けて 賃金は当面3年となるが

キーワード:
  • 消滅時効
  • 解雇予告
  • 賃金関係
Q

 労基法の改正で、賃金の時効が延長されました。今後、割増賃金不払いの争い等では新しい時効が適用されますが、そのほか、たとえば、賃金類似の解雇予告手当等に関しては、どのような扱いになりますか。退職証明等にも時効の適用があると聞きますが、退職後5年間は、証明の請求に応じる義務が生じるのでしょうか。【高知・N社】

A

支払い効力で問題生じず

 令和2年4月施行の改正民法により、「給料に関する短期時効(1年)が廃止され、①権利を行使できると知ってから5年、②権利を行使できる時から10年に統一されました。労基法の時効(賃金等2年)についても、今回国会に改正案が上程され、令和2年3月27日に成立、同4月1日から施行されています。…

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2020.02.26 【労災保険法】

保険給付の時効どうなる 民法改正で影響及ぶか

キーワード:
  • 消滅時効
  • 遺族(補償)給付
Q

 「遺族補償給付」を受けることができるということを知らなかったため、請求した時点で時効と判断され、給付が受けられなかった事例があると聞きました。現行の時効について教えてください。また、民法の改正に伴い、労災給付における時効についても法改正が行われるのでしょうか。【群馬・L社】

A

療養や休業は2年間 現行法を維持する形に

 一般の債権は10年で時効消滅します。一方、労災保険では、労災保険法に基づく労災保険の給付請求について、のように、時効は2年あるいは5年(労災法42条)となっています。

労災申請の時効が2年のもの

・療養(補償)給付
 労働者の仕事中または通勤中の事故による負傷・疾病について、療養が必要なときに受けられる給付のことをいいます。労災病院や労災指定病院などで、診療等を無料で受けられます。それ以外の医療機関で診療等を受けた場合は、…

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