『老齢厚生年金』の労働実務相談Q&A

2024.09.11 【厚生年金保険法】

長期加入の特例は適用か 社保拡大で被保険者に

キーワード:
  • 社会保険
  • 老齢厚生年金
Q

 当社は50人規模でいわゆる社会保険の適用拡大の対象です。社会保険加入に乗り気でない従業員も少なからずいます。そのうちの1人が受給中の特別支給の老齢厚生年金に関して不安があるといいます。聞くと、長期加入したときの特例の関係とのことですが、特例と適用拡大の関係を教えてください。【奈良・M社】

A

支給停止しない経過措置 定額部分もセットで受給

 特別支給の老齢厚生年金とは、60歳から65歳への年金の受給開始年齢の引上げをスムーズに行うために設けられた制度です(日本年金機構)。65歳へ段階的に受給開始年齢は引き上げられていて、昭和36年4月2日以降(女性は5年遅れ)に生まれた人の報酬比例部分は、65歳開始となります。

 受給開始年齢には特例があり、報酬比例部分の受給開始年齢から、定額部分も合わせて受給できることがあります。まず、報酬比例部分が支給される年齢であるということが前提です。そのうえで、次の「いずれか」の条件を満たす必要があります。坑内員と船員については割愛します。…

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2023.11.29 【厚生年金保険法】

繰り上げてから再就職? どのような不利益及ぶか

キーワード:
  • 定年
  • 老齢厚生年金
  • 老齢基礎年金
Q

 定年退職後は再雇用を希望せず退職する予定の従業員がいます。年金を繰り上げる予定といいますが、もしも働く気になったら求人に応募するかもしれないと話していました。働く気があるなら繰り上げるべきではなさそうとは思いつつ、繰り上げてから働くときどのような不利益が及ぶのでしょうか。【京都・T社】

A

65歳前は一部繰上げに 在職老齢年金の適用あり

 繰上げ請求した後に再就職して厚生年金の被保険者となった場合等も、賃金等に応じて年金の全部または一部が支給停止されます。 支給停止された年金は退職後も支給されません。

 年金を繰り上げると減額が生涯及びます。繰上げについては、…

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2023.10.30 【厚生年金保険法】

繰り下げた年金どうなる 在職中に死亡したら

キーワード:
  • 老齢厚生年金
  • 老齢基礎年金
Q

 妻と年金の話をしていて、私(夫)が働いている間は、自分の年金を繰り下げようかと考えています。ただ、繰り下げている期間中に亡くなってしまったときに、繰り下げた年金はどうなるのでしょうか。【兵庫・I生】

A

他の受給権得て増率固定 遺族年金に反映されず

 老齢基礎(厚生)年金は、希望すれば、本来の受給開始年齢よりも遅い時期に受け取ることができます。繰下げ受給は、65歳から75歳になるまでの間に請求することができます。老齢基礎(厚生)年金は、一方のみを繰り下げることも可能です(日本年金機構「老齢年金ガイド 令和5年度版」など)。

 繰り下げることによって、受給権発生年月日から繰下げした月数ごとに0.7%年金額が増額されます。例えば、70歳時点では42%、75歳時点では84%増額されます(厚年令3条の5の2)。仮に、80歳まで年金を請求しなかったらどうなるでしょうか。過去5年分の老齢年金(75歳時点で計算した繰下げ受給額)が一括で支払われるとともに、申出を行った日の属する月の翌月から、75歳時点で計算した繰下げ受給額が支給されます(厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方」)。…

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2023.07.25 【厚生年金保険法】

将来の年金へ反映? 退職月に支払った賞与

キーワード:
  • 老齢厚生年金
Q

 当社は賞与の支給が8月上旬です。今回、直後の同月中旬に退職する労働者がいます。月途中退職の場合は社会保険料が徴収されませんが、将来の老齢厚生年金の額にも反映されないとの理解で良いのでしょうか。健保法では、1年度間における標準賞与額のカウントに573万円の上限があり、被保険者期間でない退職月の分も含めると聞いたのですが。【山口・S社】

A

保険料引かれず含めない扱いで

 厚生年金保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するとなっています(厚年法81条)。被保険者期間は、被保険者資格を取得した月~喪失した月の前月ですが、資格の喪失時期は、退職の場合、退職日の翌日となります。月途中で退職した場合、その月は被保険者でないため、同月に支払われた賞与については保険料を徴収されません。なお、支払いが退職日より前の場合は、…

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2023.05.11 【厚生年金保険法】

加入期間で遺族年金得か 「300月みなし」あり

キーワード:
  • 老齢厚生年金
  • 遺族厚生年金
Q

 夫婦で一方が亡くなったときのことを話していました。遺族年金の額ですが、厚生年金の被保険者期間が短い場合でも、「みなし」で加入月数が増える取扱いになっています。遺族年金に関しては加入期間の損得というのは考えなくてもいいのでしょうか。【香川・S子】

A

20年以上なら中高齢加算 請求書で高いほうを選択

 長期要件と呼ばれているのは、老齢厚生年金の受給権者または保険料納付済期間と免除期間を合算した期間が25年以上である者が死亡したとき、遺族厚生年金を支給するというものです(厚年法58条1項4号)。同条1号から3号は、被保険者が死亡したときなどは、…

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