『遺族基礎年金』の労働実務相談Q&A

2025.03.12 【厚生年金保険法】

離婚した夫死亡し年金? 子ども名義で請求可能か

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  • 遺族厚生年金
  • 遺族基礎年金
Q

 当社のパート(女性)から相談を受けました。夫と離婚し、子どもは彼女が育てていますが、元夫が事故で死亡したというのです。こうしたケースで、「子供名義で遺族年金の請求ができないか」というのですが、どう答えたらよいでしょうか。【福島・U社】

A

厚生年金のみ受給が可能 母親同居で一部支給停止

 ご質問にあるパートの女性の夫が離婚後、単身であれば(新しい配偶者および子がなければ)、話は比較的、単純です。

 遺族厚生年金と遺族基礎年金に分けて、確認しましょう。

 遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時、生計維持関係にあった一定範囲の遺族に支給されます(厚年法59条)。支給順位が最も高いのは、子のある配偶者または子です。

 離婚したパートは「元配偶者」ですから、すでに対象者の範囲から外れています。元夫に新しい配偶者・子がいなければ、遺族厚生年金の権利があるのは、…

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2024.08.28 【厚生年金保険法】

遺族年金にも振替あるか 子が18歳年度末に到達

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  • 遺族厚生年金
  • 遺族基礎年金
Q

 遺族年金を受給中の従業員について、子どもの加給年金はいつまで受給できるのでしょうか。老齢年金には配偶者の加給年金が振替加算に切り替わる仕組みがありますが、遺族厚生年金にはこうした仕組みはあるのでしょうか。【茨城・F社】

A

中高齢寡婦への加算あり 基礎年金を失権した後

 子どもに加給があるのは、遺族基礎年金です(国年法39条)。加給年金が支給されるのは有期となっていて、18歳到達年度の末日までの間です(一定の障害状態にある場合を除く、同条3項)。

 遺族基礎年金は、子どもがいる配偶者か、子どもが受給できます。子どもについては、生計を同じくする父母があるときは、その間支給を停止すると規定しています(国年法41条)。

 夫が亡くなって…

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2023.09.27 【厚生年金保険法】

妻が遺族厚生年金受給か 婚外子いるときどうなる

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  • 遺族基礎年金
Q

 社会保険労務士の試験勉強をしていて、夫が亡くなった場合の遺族年金のところで疑問が出ました。いわゆる重婚的内縁関係にある場合には実態をみて判断ということかと思います。この場合で、婚外子(非嫡出子)がいるときですが、遺族厚生年金は妻、遺族基礎年金は子というふうにバラバラに支給されるのでしょうか。【埼玉・T生】

A

基礎部分子に支給で停止 生計同一要件が必要に

 重婚的内縁関係にある場合ですが、厚年法3条2項は、この法律において、「配偶者」、「夫」および「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むとしています。判断基準として、「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(平23・3・23年発0323第1号)などがあります。

 「届出による婚姻関係を優先すべきことは当然」とあり、…

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2022.01.13 【厚生年金保険法】

遺族厚生年金が止まる!? 権利を失う配偶者とは

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  • 遺族厚生年金
  • 遺族基礎年金
Q

 社労士試験の勉強をしていますが、遺族年金のことで疑問が生じました。参考書には、「子が遺族基礎年金の権利を有する場合、遺族基礎年金の権利がない配偶者は、遺族厚生年金の支給がストップする」という記述があります。配偶者(母)と子が残された場合、どうして上記のようなケースが生じるのでしょうか。【和歌山・K生】

A

生計同一でない連れ子 通常基礎年金とセット

 被保険者が死亡し、妻(配偶者)と子どもが残されたとします。「妻と子」がいる家庭では、通常、遺族基礎年金と厚生年金がセットで支給されます。

 妻(配偶者)・子ともに年金の受給権者ですが、配偶者がいる場合、原則として「子に対する年金は支給停止」となります(国年法41条2項、厚年法66条1項)。

 しかし、ご質問にあるように「配偶者に遺族基礎年金の権利がなく、子が遺族基礎年金の権利を有するときは、配偶者に対する遺族厚生年金が支給停止」となるという規定が存在します(厚年法66条2項)。

 この例外はどのようなケースで生じるかですが、…

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2021.03.30 【厚生年金保険法】

遺族年金は父から子へ? 「転給できない」と説明

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  • 遺族厚生年金
  • 遺族基礎年金
  • 遺族補償年金
Q

 先輩社員が退職し、社会保険関係の仕事を引き継ぐことになりました。年金の勉強をしていたところ、「遺族厚生年金の受給権者が失権しても、次順位者は受給権を取得できません」という記述をみつけました。しかし、母子家庭で母親が死亡しても、子供が引き続き年金をもらえるような気がします。仮に、父子家庭の場合、どうなるのでしょうか。【徳島・R社】

A

基礎年金も合わせ父受給 支給停止の状態解除に

 遺族に対する年金には、遺族補償年金(労災保険)、遺族厚生年金(厚生年金)、遺族基礎年金(国民年金)等があります。

 労災保険では「(受給権者が失権した場合、)後順位者があるときは、次順位者に年金を支給する」と規定しています(16条の4)。これを「転給」と呼んでいます。しかし、遺族厚生年金には、そうした規定は設けられておらず、「次順位者は受給権を得られない」という解釈になっています。…

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