『高度プロフェッショナル制度』の労働実務相談Q&A

2022.07.29 【労働基準法】

新卒に専門型裁量制? 制度趣旨から対象外か 「企画型」は除外規定あり

キーワード:
  • 労働時間関係
  • 裁量労働制
  • 高度プロフェッショナル制度
Q

 裁量労働制を新卒者へ適用することは、可能でしょうか。一般紙ですが、想定されていないという記事がありました。企画型には除外に関する規定があった記憶がありますが、専門型ははっきりしません。制度の趣旨からすると望ましくないのは理解できますが、どのように考えれば良いのでしょうか。【東京・Y社】

A

業務遂行など指示できず

 裁量労働制は、「専門業務型であれ、企画業務型であれ、(略)当該業務を遂行する労働者については、実際の労働時間数に関わりなく協定で定める時間数労働したものとみなすことができる制度」と解されています(菅野和夫「労働法」)。

 このうち企画業務型(労基法38条の4)の対象となる労働者に関しては、指針(平11・12・27労働省告示149号)において「例えば、大学の学部を卒業した労働者であって全く職務経験のないものは、客観的にみて対象労働者に該当し得ず」としています。少なくとも、3~5年の職務経験を経たうえで、…

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2020.02.26 【労働基準法】

高プロの導入が無効に!? 「決議」守れなかったら

キーワード:
  • 労使委員会
  • 労働時間関係
  • 高度プロフェッショナル制度
Q

 高度プロフェッショナル制度を導入するためには、過重労働等を防止するための措置をいろいろ講じる必要があると聞きます。しかし、現実には仕事が集中する期間もあると想定されます。仮に、会社が定めたルールを守れない場合、決議が無効になってしまうのでしょうか。【大阪・N社】

A

健康確保措置は影響なし 休日104日なければダメ

 制度導入の前提条件として労使委員会の決議が必要ですが、過重負荷を避けるための措置として、以下の事項を定めます。

① 休日の確保(労基法41条の2第1項4号)
 年間104日以上、かつ、4週間4日以上の休日確保(必須の措置)

② 選択的措置(同項5号)
 選択肢は次のとおりです。

イ 勤務間インターバル制度(11時間以上)+深夜業の制限(1カ月4回以内)
ロ 1年に1回以上連続2週間の休日付与等(本人請求により2回分割可)
ハ 臨時の健康診断

③ 健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置
 選択肢は次のとおりです。…

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2019.12.26 【労働安全衛生法】

研究職の過重労働対策は 「面接指導」仕組み教えて

キーワード:
  • 面接指導
  • 高度プロフェッショナル制度
Q

 医師による面接指導ですが、一般の労働者に関する取扱いは理解できました(本誌11月1日付2341号)。その中で別扱いとされていた新商品の研究・開発業務等に従事している場合の面接指導の適用がどうなるのか教えてください。【新潟・F社】

A

残業100時間は受診必須 高プロ対象者も同基準

新たな技術、商品または役務の研究開発に係る業務に従事する者に対する面接指導

 事業者は、安衛法66条の8の2第1項で定める医師による面接指導を、その労働時間が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める時間を超える労働基準法36条11項に規定する新たな技術、商品または役務の研究開発に係る業務に従事する者(労基法41条各号に掲げる管理監督者等および安衛法66条の8の4第1項に規定する高度プロフェッショナル制度の適用者を除きます)に対し、行わなければなりません。

 この厚生労働省令で定める時間は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間とされています(安衛則52条の7の2第1項)。従って、休憩時間を除き…

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2019.11.29 【労働基準法】

本人意向どこまで反映? 高プロ制度導入を予定 労使委員会への参加は

キーワード:
  • 労使委員会
  • 労務一般関係
  • 高度プロフェッショナル制度
Q

 会社としては、高度プロフェッショナル制度の導入を検討する方針ですが、対象となりそうな従業員の中には、不安を感じる人もいるようです。基本的には、丁寧な説明と合意の取得に努めることになろうかと思います。そのほか、労使委員会の決議等に際しても、予定対象者の意向を反映させる必要があるのでしょうか。【千葉・U社】

A

同意判断に影響懸念

 高プロ制度の導入のためには、労使委員会の設置・決議・労基署への届出が必要です。制度の対象者に対しては、2種類の書面の提出を求めます。

 まず、高プロ決議の要件として「使用者との合意に基づき職務が明確に定められていること」が挙げられています(労基法41条の2第1項第2号イ)。実務的には、次の事項を明らかにした書面(合意するための書面)に従業員の署名を受ける(電磁的記録の提供も含みます)こととされています(労基則34条の2第4項)。

① 業務の内容
② 責任の程度
③ 求められる成果

 次に、必要な要件を満たす従業員に制度を適用するに際しては…

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2019.11.19 【労働基準法】

派遣にも高プロ? 労使委員会経たならば

キーワード:
  • 労使委員会
  • 労働時間関係
  • 派遣
  • 高度プロフェッショナル制度
Q

 当社は、高度専門技能を有する人材を中心として、職業紹介事業・労働者派遣事業を営んでいます。将来的に、高度プロフェッショナル制度が適用されるような業務に関して引き合いが来たような場合、労使委員会の決議等法律で定められた手続きを経れば、派遣として対応することが可能なのでしょうか。【東京・D社】

A

読替え規定がなく適用不可

 派遣労働者に対する労基法の適用に関しては、原則、労働契約関係にある派遣元が責任を負います。しかし、派遣労働者は、派遣先の事業所で具体的な指揮命令を受ける形で働きます。このため、派遣先を(も)使用者とみなし、労基法を適用する読替規定を設けています。…

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