『労務一般関係』の労働実務相談Q&A

2024.11.29 【労働基準法】

過半数代表者は1人のみ? 規程変更や協定締結時 各部署から選びたいが

キーワード:
  • 労使協定
  • 労務一般関係
  • 就業規則
  • 過半数代表
Q

 当社で育児・介護休業の規定や労使協定の見直しが必要な事態となりました。そもそもとして規定の内容自体が非常に複雑です。過半数代表者を1人とするのではなく、できれば各部署から複数人を選出したいと考えています。しかし、代表という文言からすると、問題があるのでしょうか。【山梨・U社】

A

複数選出も適法に可能

 過半数代表者の選任が必要になるのは、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合です。

 過半数代表者の選任手続きは、労基則6条の2に定められています。就業規則の作成・変更や労使協定を締結することを明らかにして投票、挙手等を実施する必要があります。「等」には、労働者の話合い、持ち回り決議等労働者の過半数が選任を支持していることが明確になる民主的手続きが該当すると解されています(平11・3・31基発169号)。使用者の意向に基づき指名された者でないことという要件も満たす必要があります(同条1項2号)。

 代表者の人数について、条文の「過半数を代表する者」という表現から、…

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2024.11.05 【労働基準法】

新代表から同意か 1年変形制 締結時と異なるが

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 変形労働時間制
Q

 1年単位の変形労働時間制を導入しています。労使協定は、締結時には僅差で従業員の過半数が加入する労働組合が存在したことから、同組合と結びました。最近は、パートなど非組合員の増加や昇進による脱退で、過半数を下回りそうな様子です。仮に下回った場合、労働時間の特定の同意は、新たに選出された過半数代表者から得れば良いでしょうか。【愛媛・N社】

A

相違していても問題にはならず

 1年単位の変形労働時間の導入には、過半数労働組合(ない場合には過半数代表者)と労使協定を締結し、労基署長へ届出をすることが必要です(労基法32条の4)。導入に際しては、変形制を適用する対象期間の全期間について、週平均40時間を超えない範囲で各日・各週の所定労働時間を特定する必要があります。ただし、…

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2024.10.15 【労働基準法】

「30日間」から短縮? 解雇予告後に業務上負傷

キーワード:
  • 休業
  • 労務一般関係
  • 解雇
  • 解雇予告
Q

 業績悪化で労働者を解雇することになり、合意が得られたため、1カ月前に解雇予告をしました。その予告の10日後、業務中に負傷して3日ほど休業が必要になりました。治った後30日間も解雇制限期間と聞きますが、この30日間について、予告日から負傷までの期間を短くするなどできるのでしょうか。 【青森・E社】

A

効力発生停止で期間経る必要が

 解雇をする際において、労基法上は、少なくとも30日前に予告をしなければならないとしています(労基法20条)。平均賃金を支払った日数分だけ予告日数を短縮することも可能とされています。

 一方で解雇制限の規定が法19条にあり、業務上の負傷や疾病で療養のために療養する期間とその後30日間は解雇できません。その後30日間は、…

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2024.09.06 【労働基準法】

労使協定を自動更新可能か 賃金全額払いの例外 労基署へ届出義務ないが

キーワード:
  • 労使協定
  • 労務一般関係
Q

 当社の賃金控除協定をみたところ、自動更新の規定が設けられていました。この労使協定は労働基準監督署への届出は必要ないものの、そもそも自動更新して良いものなのかも含め、どのように考えるべきなのでしょうか。【北海道・T社】

A

事情変更時は見直しも

 賃金は全額支払うべきものですが、法令に別段の定めがある場合のほか、過半数労働組合(ないときは過半数代表者)との労使協定に基づき一部控除して支払うことが可能です(労基法24条)。過半数労働組合がないときには、過半数代表者の選出手続き(労基則6条の2)を遵守する必要があります。

 労使協定には、有効期間の定めが必要なものもあれば、不要なものもあります。必要なものの代表例は時間外・休日労働(36)協定でしょう。賃金控除協定は不要です。また、労基署への届出要否も、…

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2024.07.19 【労働基準法】

選挙立候補の準備すべて休暇に? 公民権行使を保障 当選したら退職扱い

キーワード:
  • 労務一般関係
Q

 選挙に立候補するという理由で、準備期間も含めまとまった期間の年休を請求されました。従業員は「公民権の行使」だから会社は拒否できないはずだと主張するのですが、準備期間についても休暇を与える義務があるのでしょうか。もし当選した後についてですが、本業に支障が及ぶことを理由として退職扱いすることは問題ないでしょうか。【広島・F社】

A

年休以外は無給でも可

 労基法7条は「公民としての権利を行使するために必要な時間を請求した場合、拒んではならない」と定めています。被選挙権も公民権に含みますが、「必要な時間」について、公民権を行使して請求するか、それとも年休を請求するか否かは別の問題です。

 被選挙権の行使の「範囲」について、必要な法定期間中の選挙活動は被選挙権の行使に必然的に伴うものとして含まれると解されています(労基法コンメンタール)。なお、選挙権の行使に関して、遅刻、早退しても賃金を差し引かないよう求めるものがあります(昭42・1・20基発59号)。

 従業員が年休をまとめて請求して、会社が拒否しようとするときには、…

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