『労働契約関係』の労働実務相談Q&A

2024.11.08 【労働基準法】

契約延長で予告手当必要か 更新上限を再設定 残り30日の期間切る

キーワード:
  • 労働契約関係
Q

 2カ月の雇用契約を結びましたが、予定の仕事が終了せず、2カ月間雇用を更新しました。仕事のメドがついたため、次は更新しないつもりです。現時点では、期間満了まで残り30日を切っています。予告手当の問題はどうなるのでしょうか。【広島・Z社】

A

雇止めに支払う義務なし

 「2カ月以内の期間を定めて使用される者」を、所定の期間を超えて引き続き使用するときには、30日前の解雇予告が必要になります(労基法21条)。解雇と期間の定めのある契約の満了は別物で、期間満了時の解雇予告は不要というのが有力な説です(労基法コンメンタール、菅野和夫・山川隆一「労働法」)。

 期間の定めのある労働契約を締結するときには、…

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2024.02.27 【労働基準法】

通知方法の注意点は 労働条件メール等で明示

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 労働条件
Q

 従業員の入れ替わりもそれなりにあることから、労働条件通知書を電子化することができないかと考えています。現在は、FAXや電子メール、メッセージアプリで送る方法も認められていると聞いたことがありますが、たとえば送信の方法や労働者の出力環境への配慮など、どのような点に注意することが必要なのでしょうか。【京都・K社】

A

一般的に出力が可能な状態なら

 労働契約の締結時には、労働時間などの労働条件を明示しなければなりません(労基法15条)。その方法は、原則書面です(労基則5条4項)。ただし、労働者から希望があれば、電子メール等による方法も、紙へ記録を出力し書面を作成できるものに限り、認められています。

 電子メール等には、パソコンや携帯電話端末によるもののほか、SNSのメッセージ機能なども含みます(平31・4「改正労働基準法に関するQ&A」)。PDF等を添付する方法を勧めており、…

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2024.02.13 【労働基準法】

労働条件は変更できるか 通知書渡して明示した後

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 労働条件
Q

 労働者の募集をしたところ、新卒の方から応募があり、採用内定を出しました。その際に労働条件通知書も渡したものの、その後、経営環境に変化があり、明示した業務とは別の仕事に就いてもらいたい状況となりました。それに伴い労働時間なども若干異なることになるのですが、採用内定時に示した労働条件を変更することはできるものなのでしょうか。【神奈川・B社】

A

合意を得て変えること可 内定取消しの扱いに注意

 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者へ一定の労働条件を明示しなければならないとしています(労基法15条)。具体的には、賃金や、始業・終業時刻等の労働時間などに関する事項です(労基則5条1項)。

 令和5年3月の省令改正により、就業の場所と従事すべき業務について、従来は雇入れ直後の場所と業務を明示すればよいとされていたところ、6年4月以降は、その変更の範囲も併せて示すことが必要になりました。また、…

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2024.01.26 【労働基準法】

上限年齢定める方法は? 契約更新を繰り返す 期間や回数以外の方法

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 有期労働契約
Q

 有期労働契約を長期間反復更新している従業員がいます。正社員には定年年齢があることとの関係で、更新上限の年齢を定める方法は可能でしょうか。通算契約期間や回数は可能のようですが、年齢を年数に置き換えて書くべきなのでしょうか。【神奈川・R社】

A

誕生日など具体的日付も

 令和6年4月から労働条件の明示ルールが変更され、有期労働契約の従業員に対して、①更新上限がある場合の明示(改正労基則5条1項1号の2)と、②労働契約の締結後、更新上限を新設・短縮する場合の説明(令5・3・30厚労省告示114号)が必要になります。なお、直近で勤続年数の上限を定めている企業の割合は14.2%、同じく契約更新回数の上限は11.0%に留まります(厚生労働省「令和2年有期労働契約に関する実態調査」)。

 令和6年4月以降も更新上限を設けないのであれば、明示は不要です(厚労省Q&A)。厚労省のモデル労働条件通知書では、…

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2023.10.11 【労働基準法】

解雇制限は受けるのか? 休業期間中に定年迎える

キーワード:
  • 休業
  • 労働契約関係
  • 定年
Q

 65歳の定年が間近な正社員がいますが、仕事中負傷し休業中です。大事には至らなかったものの、このまま退職予定日を迎えた場合、労基法上、労働契約終了に制限はありますか。再雇用の相談も途中で、会社が認めた際の嘱託への変更はどうでしょうか。【広島・D社】

A

事由異なるため影響せず 就業規則や慣行など考慮も

 労基法19条の解雇制限が課されるのは、業務上負傷したり疾病にかかったりして療養のために休業する期間とその後30日間および法65条の産前産後休業を取得する期間とその後30日間です。

 前者は、業務上の傷病による休業なので、…

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