『賃金関係』の労働実務相談Q&A

NEW2025.03.28 【労働基準法】

平均賃金の計算期間にズレ? 残業代は翌月払い 過去3カ月をどう計算

キーワード:
  • 賃金関係
Q

 勤務不良で、注意・指導を繰り返しても改善しない従業員を解雇します。解雇予告手当を払うために平均賃金を計算しますが、当社の賃金制度では、割増賃金部分は1カ月遅れで清算しています。単純に過去3カ月の賃金支払額を合計すると、基準内賃金と割増賃金部分では、賃金計算の対象期間に1カ月のズレが生じます。対象部分をそろえる形で、修正を実施すべきでしょうか。【香川・W社】

A

直近締切日から一律遡る

 平均賃金は、原則として「算定事由の発生した日以前3カ月間に支払われた賃金総額を、その期間の総日数で除して」計算します(労基法12条)。ただし、賃金締切日があるときは、その直前の締切日から3カ月が算定対象期間となります。

 たとえば、3月の賃金締切日の後に解雇を予告したとします。貴社の賃金制度の場合、基準内賃金部分については、1~3月の3カ月を集計します。しかし、…

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2025.02.26 【労働基準法】

就業規則へ規定が必要? 欠勤控除をするためには

キーワード:
  • 就業規則
  • 賃金関係
Q

 欠勤控除について、日給月給制と労働契約の締結時に示すだけでなく、就業規則等に規定を設けることも必要なのでしょうか。設けないデメリットには何がありますか。【熊本・K社】

A

予定していないと推認も 計算方法含め定めておく

 労働契約上の賃金請求権の発生については、労契法に規定がなく、民法における雇用の規定や契約の一般規定に委ねられています(菅野和夫・山川隆一「労働法」)。民法624条では、約した労働を終わった後でなければ報酬を請求できないとしています。労務の提供が労働者の意思でなされない場合、反対給付の賃金も発生しないこととなり、これはノーワーク・ノーペイ原則と呼ばれています。なお、これは契約解釈上の原則にすぎず、欠勤で減額しないなど異なる定めをした際は、そちらに従います。

 確かに、日給月給制など企業が採用する賃金形態から、賃金控除に関する規定がなくても控除可能な場合があり得るとされています(杜若経営法律事務所「就業規則の法律相談」)。しかし…

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2025.01.31 【労働基準法】

基本給組入れで問題ないか 生活関連手当額を縮小 割増賃金単価が変動

キーワード:
  • 手当
  • 賃金関係
Q

 今年4月から諸手当を見直す方向で検討を開始しました。家族手当や住宅手当などの生活関連手当はできるだけ縮小する方針で進めるつもりです。手当の額が縮小したとしても、その分を基本給に組み入れれば割増賃金の計算も含め、不利益も緩和されるとみて、とくに問題はないのでしょうか。【愛知・E社】

A

除外賃金に当たるか注意

 厚生労働省は、企業の配偶者手当見直しのフローチャートの中で、配偶者(家族)手当の廃止(縮小)と基本給の増額などをセットにした具体例を示しています。賃金原資総額が維持されるよう見直したり、経過措置を設けている企業事例を紹介しています。

 割増賃金の計算からは、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当などが除外されています(労基則21条)。その理由として、…

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2025.01.10 【労働基準法】

平均賃金はどう計算する 雇用2カ月で遅刻控除も

キーワード:
  • 休業手当
  • 平均賃金
  • 賃金関係
Q

 休業手当を支払いますが、雇用2カ月目の労働者がいます。平均賃金はどう計算しますか。日給月給制で、何度か遅刻分の賃金を差し引いていますが、影響はありますか。【秋田・A社】

A

原則どおり直近の締切日 最低保障額に特別な扱い

 平均賃金は、原則、算定事由発生日以前3カ月間の賃金総額を、その期間の総日数(暦日数)で割って計算します(労基法12条1項)。一方、同項ただし書きで最低保障額を定めています。日給・時間給・出来高払制その他の請負制の場合、賃金総額÷3カ月間の労働日数×60%です。これに加え、賃金の一部が月・週・その他一定期間で定められている場合は、この部分の賃金総額÷3カ月間の総日数の額を加算します。なお、2項により直近の賃金締切日から3カ月を計算するケースが一般的です。

 雇入れ後3カ月を待たず算定事由が発生した際も、賃金締切日がある場合は、…

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2024.12.20 【労働基準法】

日直の代休取得で賃金減? 手当額は「3分の1」 非常時に備えて待機

キーワード:
  • 代休
  • 賃金関係
Q

 当社では、労働基準監督署の許可を得て、非常時に備えて休日にいわゆる日直勤務に従事させています。通常の労働日に代休を与えると、その日の賃金を控除する形になります。日直の手当額と通常の労働日の賃金額が異なるため、本人に不利益になってしまいますが、おかしいのでしょうか。【埼玉・I社】

A

休むかどうか意思確認

 監視断続的労働に従事する者について、労基署の許可を受けることによって労働基準法の労働時間や休日等の規定の適用が除外されます(法41条)。労基則23条の宿日直も法41条が根拠と解されています(労基法コンメンタール)。許可に当たって、ほとんど労働をすることがない勤務のみを認めるとされていて、非常事態に備えての待機のほか、…

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