『賃金関係』の労働実務相談Q&A

2025.01.10 【労働基準法】

平均賃金はどう計算する 雇用2カ月で遅刻控除も

キーワード:
  • 休業手当
  • 平均賃金
  • 賃金関係
Q

 休業手当を支払いますが、雇用2カ月目の労働者がいます。平均賃金はどう計算しますか。日給月給制で、何度か遅刻分の賃金を差し引いていますが、影響はありますか。【秋田・A社】

A

原則どおり直近の締切日 最低保障額に特別な扱い

 平均賃金は、原則、算定事由発生日以前3カ月間の賃金総額を、その期間の総日数(暦日数)で割って計算します(労基法12条1項)。一方、同項ただし書きで最低保障額を定めています。日給・時間給・出来高払制その他の請負制の場合、賃金総額÷3カ月間の労働日数×60%です。これに加え、賃金の一部が月・週・その他一定期間で定められている場合は、この部分の賃金総額÷3カ月間の総日数の額を加算します。なお、2項により直近の賃金締切日から3カ月を計算するケースが一般的です。

 雇入れ後3カ月を待たず算定事由が発生した際も、賃金締切日がある場合は、…

回答の続きはこちら
2024.12.20 【労働基準法】

日直の代休取得で賃金減? 手当額は「3分の1」 非常時に備えて待機

キーワード:
  • 代休
  • 賃金関係
Q

 当社では、労働基準監督署の許可を得て、非常時に備えて休日にいわゆる日直勤務に従事させています。通常の労働日に代休を与えると、その日の賃金を控除する形になります。日直の手当額と通常の労働日の賃金額が異なるため、本人に不利益になってしまいますが、おかしいのでしょうか。【埼玉・I社】

A

休むかどうか意思確認

 監視断続的労働に従事する者について、労基署の許可を受けることによって労働基準法の労働時間や休日等の規定の適用が除外されます(法41条)。労基則23条の宿日直も法41条が根拠と解されています(労基法コンメンタール)。許可に当たって、ほとんど労働をすることがない勤務のみを認めるとされていて、非常事態に備えての待機のほか、…

回答の続きはこちら
2024.12.17 【労働基準法】

労使協定も必要か 遅刻等の際に賃金カット

キーワード:
  • 賃金関係
Q

 遅刻等に対して賃金をカットする場合、控除ということになって労使協定も必要になるのでしょうか。当社の規定の見直しを進めていたところ、賃金カットは就業規則の規定しかなく、控除に関する労使協定の対象に含まれていないため気になっています。【熊本・I社】

A

「控除」ではないため求められず

 全額払の原則は、履行期の到来している賃金債権について一部を差し引いて(控除して)支払うことを禁止しています(労基法24条)。例外として、社会保険料など法令に基づく場合のほか、労使協定の締結による控除を認めています。

 一方、労働者の自己都合による欠勤や遅刻があった際に、債務の本旨に従った労働の提供がなかった限度で賃金を支払わないことは、賃金債権が発生していないものであり、控除ではなく、法24条違反とはならないと解されています(労基法コンメンタール)。ご質問の場合は、労使協定までは必要ないといえます。

 なお、賃金カットは労働契約や就業規則に基づき…

回答の続きはこちら
2024.11.26 【労働基準法】

不可抗力の解釈どこまで 災害で休業手当は必要?

キーワード:
  • 不可
  • 休業手当
  • 賃金関係
Q

 休業手当における災害時の不可抗力について、どのような行政等の解釈が示されていますか。最後は個別判断でも、今後の大雪や台風等に備え、参考としたいです。【埼玉・D社】

A

設備等直接被害なら該当 業務が行えるかを基準に

 使用者の責に帰すべき事由により休業させる際は、労働者へ平均賃金の6割以上の休業手当を支払う必要があります(労基法26条)。使用者の責に帰すべき事由には、天災事変等の不可抗力によるものは含まないとされています(労基法コンメンタール)。不可抗力とは、…

回答の続きはこちら
2024.11.15 【労働基準法】

賞与も「非常時払」の対象か 退職予定者から請求 支払う賃金どう計算

キーワード:
  • 賃金関係
  • 賞与
Q

 退職する予定の従業員が、労基法の非常時払の規定を根拠に、賃金や賞与の前払いを請求してきました。配偶者が病気がちで入院しているようです。月給には手当が含まれていますが、前払いする際はどのように計算するのでしょうか。一方、賞与の支給日在籍要件を満たしませんが応じなければならないでしょうか。【新潟・C社】

A

前払いする義務はない

 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません(労基法24条2項)。なお、賃金支払日を定めたうえで、労働者から請求があった場合に、賃金の支払日前であっても既往の労働に対する賃金を支払うサービスも存在するようです。

 月給制であれば、毎月1回給料日を決めて支払うというのが一般的でしょう。使用者は賃金を定期に支払う義務を負いますが、労働者が非常の出費を要する場合には、例外として賃金支払いを求めることができる規定が設けられています(労基法25条)。

 非常時払をしなければならないのは、労働者本人や労働者の収入によって生計を維持する者の…

回答の続きはこちら
もっと見る もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。