労働安全衛生規則 第101条~第111条
このページでは労働安全衛生規則(安衛則) 第101条、 第102条、 第103条、 第104条、 第105条、 第106条、 第107条、 第108条、 第108条の2、 第109条、 第110条、 第111条 を掲載しています。
(令和6年10月1日施行)
第二編 安全基準
第一章 機械による危険の防止
第一節 一般基準
(原動機、回転軸等による危険の防止)
第百一条 事業者は、機械の原動機、回転軸、歯車、プーリー、ベルト等の労働者に危険を及ぼすおそれのある部分には、覆い、囲い、スリーブ、踏切橋等を設けなければならない。
2 事業者は、回転軸、歯車、プーリー、フライホイール等に附属する止め具については、埋頭型のものを使用し、又は覆いを設けなければならない。
3 事業者は、ベルトの継目には、突出した止め具を使用してはならない。
4 事業者は、第一項の踏切橋には、高さが九十センチメートル以上の手すりを設けなければならない。
5 労働者は、踏切橋の設備があるときは、踏切橋を使用しなければならない。
(ベルトの切断による危険の防止)
第百二条 事業者は、通路又は作業箇所の上にあるベルトで、プーリー間の距離が三メートル以上、幅が十五センチメートル以上及び速度が毎秒十メートル以上であるものには、その下方に囲いを設けなければならない。
(動力しや断装置)
第百三条 事業者は、機械ごとにスイツチ、クラツチ、ベルトシフター等の動力しや断装置を設けなければならない。ただし、連続した一団の機械で、共通の動力しや断装置を有し、かつ、工程の途中で人力による原材料の送給、取出し等の必要のないものは、この限りでない。
2 事業者は、前項の機械が切断、引抜き、圧縮、打抜き、曲げ又は絞りの加工をするものであるときは、同項の動力しや断装置を当該加工の作業に従事する者がその作業位置を離れることなく操作できる位置に設けなければならない。
3 事業者は、第一項の動力しや断装置については、容易に操作ができるもので、かつ、接触、振動等のため不意に機械が起動するおそれのないものとしなければならない。
(運転開始の合図)
第百四条 事業者は、機械の運転を開始する場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、一定の合図を定め、合図をする者を指名して、関係労働者に対し合図を行なわせなければならない。
2 労働者は、前項の合図に従わなければならない。
(加工物等の飛来による危険の防止)
第百五条 事業者は、加工物等が切断し、又は欠損して飛来することにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該加工物等を飛散させる機械に覆い又は囲いを設けなければならない。ただし、覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難な場合において、労働者に保護具を使用させたときは、この限りでない。
2 労働者は、前項ただし書の場合において、保護具の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
(切削屑の飛来等による危険の防止)
第百六条 事業者は、切削屑が飛来すること等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該切削屑を生ずる機械に覆い又は囲いを設けなければならない。ただし、覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難な場合において、労働者に保護具を使用させたときは、この限りでない。
2 労働者は、前項ただし書の場合において、保護具の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
(掃除等の場合の運転停止等)
第百七条 事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。
2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、当該機械の起動装置に錠を掛け、当該機械の起動装置に表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の者が当該機械を運転することを防止するための措置を講じなければならない。
(刃部の掃除等の場合の運転停止等)
第百八条 事業者は、機械の刃部の掃除、検査、修理、取替え又は調整の作業を行うときは、機械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の構造上労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。
2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、当該機械の起動装置に錠をかけ、当該機械の起動装置に表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の者が当該機械を運転することを防止するための措置を講じなければならない。
3 事業者は、運転中の機械の刃部において切粉払いをし、又は切削剤を使用するときは、労働者にブラシその他の適当な用具を使用させなければならない。
4 労働者は、前項の用具の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
(ストローク端の覆い等)
第百八条の二 事業者は、研削盤又はプレーナーのテーブル、シエーパーのラム等のストローク端が労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、覆い、囲い又は柵を設ける等当該危険を防止する措置を講じなければならない。
(巻取りロール等の危険の防止)
第百九条 事業者は、紙、布、ワイヤロープ等の巻取りロール、コイル巻等で労働者に危険を及ぼすおそれのあるものには、覆い、囲い等を設けなければならない。
(作業帽等の着用)
第百十条 事業者は、動力により駆動される機械に作業中の労働者の頭髪又は被服が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に適当な作業帽又は作業服を着用させなければならない。
2 労働者は、前項の作業帽又は作業服の着用を命じられたときは、これらを着用しなければならない。
(手袋の使用禁止)
第百十一条 事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の労働者の手が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に手袋を使用させてはならない。
2 労働者は、前項の場合において、手袋の使用を禁止されたときは、これを使用してはならない。