労働安全衛生規則 第194条の8~第194条の28
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(令和6年10月1日施行)
第二編 安全基準
第二章 建設機械等
第二節の三 高所作業車
(前照灯及び尾灯)
第百九十四条の八 事業者は、高所作業車(運行の用に供するものを除く。以下この条において同じ。)については、前照灯及び尾灯を備えなければならない。ただし、走行の作業を安全に行うため必要な照度が保持されている場所において使用する高所作業車については、この限りでない。
(作業計画)
第百九十四条の九 事業者は、高所作業車を用いて作業(道路上の走行の作業を除く。以下第百九十四条の十一までにおいて同じ。)を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の状況、当該高所作業車の種類及び能力等に適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなければならない。
2 前項の作業計画は、当該高所作業車による作業の方法が示されているものでなければならない。
3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項の規定により示される事項について関係労働者に周知させなければならない。
(作業指揮者)
第百九十四条の十 事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、当該作業の指揮者を定め、その者に前条第一項の作業計画に基づき作業の指揮を行わせなければならない。
(転落等の防止)
第百九十四条の十一 事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、高所作業車の転倒又は転落による労働者の危険を防止するため、アウトリガーを張り出すこと、地盤の不同沈下を防止すること、路肩の崩壊を防止すること等必要な措置を講じなければならない。
(合図)
第百九十四条の十二 事業者は、高所作業車を用いて作業を行う場合で、作業床以外の箇所で作業床を操作するときは、作業床上の労働者と作業床以外の箇所で作業床を操作する者との間の連絡を確実にするため、一定の合図を定め、当該合図を行う者を指名してその者に行わせる等必要な措置を講じなければならない。
(運転位置から離れる場合の措置)
第百九十四条の十三 事業者は、高所作業車の運転者が走行のための運転位置から離れるとき(作業床に労働者が乗つて作業を行い、又は作業を行おうとしている場合を除く。)は、当該運転者に次の措置を講じさせなければならない。
一 作業床を最低降下位置に置くこと。
二 原動機を止め、かつ、停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の高所作業車の逸走を防止する措置を講ずること。
2 前項の運転者は、高所作業車の走行のための運転位置から離れるときは、同項各号に掲げる措置を講じなければならない。
3 事業者は、高所作業車の作業床に労働者が乗つて作業を行い、又は行おうとしている場合であつて、運転者が走行のための運転位置から離れるときは、当該高所作業車の停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の措置を講じさせなければならない。
4 前項の運転者は、高所作業車の走行のための運転位置から離れるときは、同項の措置を講じなければならない。
(高所作業車の移送)
第百九十四条の十四 事業者は、高所作業車を移送するため自走又はけん引により貨物自動車に積卸しを行う場合において、道板、盛土等を使用するときは、当該高所作業車の転倒、転落等による危険を防止するため、次に定めるところによらなければならない。
一 積卸しは、平坦で堅固な場所において行うこと。
二 道板を使用するときは、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当なこう配で確実に取り付けること。
三 盛土、仮設台等を使用するときは、十分な幅及び強度並びに適当なこう配を確保すること。
(搭乗の制限)
第百九十四条の十五 事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、乗車席及び作業床以外の箇所に労働者を乗せてはならない。
(使用の制限)
第百九十四条の十六 事業者は、高所作業車については、積載荷重(高所作業車の構造及び材料に応じて、作業床に人又は荷を乗せて上昇させることができる最大の荷重をいう。)その他の能力を超えて使用してはならない。
(主たる用途以外の使用の制限)
第百九十四条の十七 事業者は、高所作業車を荷のつり上げ等当該高所作業車の主たる用途以外の用途に使用してはならない。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。
(修理等)
第百九十四条の十八 事業者は、高所作業車の修理又は作業床の装着若しくは取り外しの作業を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の事項を行わせなければならない。
一 作業手順を決定し、作業を直接指揮すること。
二 次条第一項に規定する安全支柱、安全ブロック等の使用状況を監視すること。
(ブーム等の降下による危険の防止)
第百九十四条の十九 事業者は、高所作業車のブーム等を上げ、その下で修理、点検等の作業を行うときは、ブーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に安全支柱、安全ブロック等を使用させなければならない。
2 前項の作業に従事する労働者は、同項の安全支柱、安全ブロック等を使用しなければならない。
(作業床への搭乗制限等)
第百九十四条の二十 事業者は、高所作業車(作業床において走行の操作をする構造のものを除く。以下この条において同じ。)を走行させるときは、当該高所作業車の作業床に労働者を乗せてはならない。ただし、平坦で堅固な場所において高所作業車を走行させる場合で、次の措置を講じたときは、この限りでない。
一 誘導者を配置し、その者に高所作業車を誘導させること。
二 一定の合図を定め、前号の誘導者に当該合図を行わせること。
三 あらかじめ、作業時における当該高所作業車の作業床の高さ及びブームの長さ等に応じた高所作業車の適正な制限速度を定め、それにより運転者に運転させること。
2 労働者は、前項ただし書の場合を除き、走行中の高所作業車の作業床に乗つてはならない。
3 第一項ただし書の高所作業車の運転者は、同項第一号の誘導者が行う誘導及び同項第二号の合図に従わなければならず、かつ、同項第三号の制限速度を超えて高所作業車を運転してはならない。
第百九十四条の二十一 事業者は、作業床において走行の操作をする構造の高所作業車を平坦で堅固な場所以外の場所で走行させるときは、次の措置を講じなければならない。 一 前条第一項第一号及び第二号に掲げる措置を講ずること。 二 あらかじめ、作業時における当該高所作業車の作業床の高さ及びブームの長さ、作業に係る場所の地形及び地盤の状態等に応じた高所作業車の適正な制限速度を定め、それにより運転者に運転させること。 2 前条第三項の規定は、前項の高所作業車の運転者について準用する。この場合において、同条第三項中「同項第三号」とあるのは、「次条第一項第二号」と読み替えるものとする。 第百九十四条の二十二 事業者は、高所作業車(作業床が接地面に対し垂直にのみ上昇し、又は下降する構造のものを除く。)を用いて作業を行うときは、当該高所作業車の作業床上の労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させなければならない。 2 前項の労働者は、要求性能墜落制止用器具等を使用しなければならない。 第百九十四条の二十三 事業者は、高所作業車については、一年以内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、一年を超える期間使用しない高所作業車の当該使用しない期間においては、この限りでない。 一 圧縮圧力、弁すき間その他原動機の異常の有無 二 クラッチ、トランスミッション、プロペラシャフト、デファレンシャルその他動力伝達装置の異常の有無 三 起動輪、遊動輪、上下転輪、履帯、タイヤ、ホイールベアリングその他走行装置の異常の有無 四 かじ取り車輪の左右の回転角度、ナックル、ロッド、アームその他操縦装置の異常の有無 五 制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシューその他制動装置の異常の有無 六 ブーム、昇降装置、屈折装置、平衡装置、作業床その他作業装置の異常の有無 七 油圧ポンプ、油圧モーター、シリンダー、安全弁その他油圧装置の異常の有無 八 電圧、電流その他電気系統の異常の有無 九 車体、操作装置、安全装置、ロック装置、警報装置、方向指示器、灯火装置及び計器の異常の有無 2 事業者は、前項ただし書の高所作業車については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。(要求性能墜落制止用器具等の使用)
(定期自主検査)
第百九十四条の二十四 事業者は、高所作業車については、一月以内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、一月を超える期間使用しない高所作業車の当該使用しない期間においては、この限りでない。 一 制動装置、クラッチ及び操作装置の異常の有無 二 作業装置及び油圧装置の異常の有無 三 安全装置の異常の有無 2 事業者は、前項ただし書の高所作業車については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。 第百九十四条の二十五 事業者は、前二条の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。 一 検査年月日 二 検査方法 三 検査箇所 四 検査の結果 五 検査を実施した者の氏名 六 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容 第百九十四条の二十六 高所作業車に係る特定自主検査は、第百九十四条の二十三に規定する自主検査とする。 2 第百五十一条の二十四第二項の規定は、高所作業車に係る法第四十五条第二項の厚生労働省令で定める資格を有する労働者について準用する。この場合において、第百五十一条の二十四第二項第一号中「フオークリフト」とあるのは、「高所作業車」と読み替えるものとする。 3 事業者は、運行の用に供する高所作業車(道路運送車両法第四十八条第一項の適用を受けるものに限る。)について、同項の規定に基づいて点検を行つた場合には、当該点検を行つた部分については第百九十四条の二十三の自主検査を行うことを要しない。 4 高所作業車に係る特定自主検査を検査業者に実施させた場合における前条の規定の適用については、同条第五号中「検査を実施した者の氏名」とあるのは、「検査業者の名称」とする。 5 事業者は、高所作業車に係る自主検査を行つたときは、当該高所作業車の見やすい箇所に、特定自主検査を行つた年月を明らかにすることができる検査標章をはり付けなければならない。 第百九十四条の二十七 事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。 第百九十四条の二十八 事業者は、第百九十四条の二十三若しくは第百九十四条の二十四の自主検査又は前条の点検を行つた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。(定期自主検査の記録)
(特定自主検査)
(作業開始前点検)
(補修等)