労働安全衛生規則 第293条~第300条
このページでは労働安全衛生規則(安衛則) 第293条、 第294条、 第295条、 第296条、 第297条、 第298条、 第299条、 第300条 を掲載しています。
(令和6年10月1日施行)
第二編 安全基準
第四章 爆発、火災等の防止
第五節 乾燥設備
(危険物乾燥設備を有する建築物)
第二百九十三条 事業者は、危険物乾燥設備(乾燥室に限る。以下この条において同じ。)を設ける部分の建築物については、平家としなければならない。ただし、建築物が当該危険物乾燥設備を設ける階の直上に階を有しないもの又は建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物若しくは同条第九号の三に規定する準耐火建築物である場合は、この限りでない。
(乾燥設備の構造等)
第二百九十四条 事業者は、乾燥設備については、次に定めるところによらなければならない。ただし、乾燥物の種類、加熱乾燥の程度、熱源の種類等により爆発又は火災が生ずるおそれのないものについては、この限りでない。
一 乾燥設備の外面は、不燃性の材料で造ること。
二 乾燥設備(有機過酸化物を加熱乾燥するものを除く。)の内面、内部のたな、わく等は、不燃性の材料で造ること。
三 危険物乾燥設備は、その側部及び底部を堅固なものとすること。
四 危険物乾燥設備は、周囲の状況に応じ、その上部を軽量な材料で造り、又は有効な爆発戸、爆発孔等を設けること。ただし、当該危険物乾燥設備を使用して加熱乾燥する乾燥物が爆発する場合に生じる圧力に耐える強度を有するものについては、この限りでない。
五 危険物乾燥設備は、乾燥に伴つて生ずるガス、蒸気又は粉じんで爆発又は火災の危険があるものを安全な場所に排出することができる構造のものとすること。
六 液体燃料又は可燃性ガスを熱源の燃料として使用する乾燥設備は、点火の際の爆発又は火災を防止するため、燃焼室その他点火する箇所を換気することができる構造のものとすること。
七 乾燥設備の内部は、掃除しやすい構造のものとすること。
八 乾燥設備ののぞき窓、出入口、排気孔等の開口部は、発火の際延焼を防止する位置に設け、かつ、必要があるときに、直ちに密閉できる構造のものとすること。
九 乾燥設備には、内部の温度を随時測定することができる装置及び内部の温度を安全な温度に調整することができる装置を設け、又は内部の温度を自動的に調整することができる装置を設けること。
十 危険物乾燥設備の熱源として直火を使用しないこと。
十一 危険物乾燥設備以外の乾燥設備の熱源として直火を使用するときは、炎又ははね火により乾燥物が燃焼することを防止するため、有効な覆い又は隔壁を設けること。
(乾燥設備の附属電気設備)
第二百九十五条 事業者は、乾燥設備に附属する電熱器、電動機、電灯等に接続する配線及び開閉器については、当該乾燥設備に専用のものを使用しなければならない。
2 事業者は、危険物乾燥設備の内部には、電気火花を発することにより危険物の点火源となるおそれのある電気機械器具又は配線を設けてはならない。
(乾燥設備の使用)
第二百九十六条 事業者は、乾燥設備を使用して作業を行うときは、爆発又は火災を防止するため、次に定めるところによらなければならない。
一 危険物乾燥設備を使用するときは、あらかじめ、内部を掃除し、又は換気すること。
二 危険物乾燥設備を使用するときは、乾燥に伴つて生ずるガス、蒸気又は粉じんで爆発又は火災の危険があるものを安全な場所に排出すること。
三 危険物乾燥設備を使用して加熱乾燥する乾燥物は、容易に脱落しないように保持すること。
四 第二百九十四条第六号の乾燥設備を使用するときは、あらかじめ、燃焼室その他点火する箇所を換気した後に点火すること。
五 高温で加熱乾燥した可燃性の物は、発火の危険がない温度に冷却した後に格納すること。
六 乾燥設備(外面が著しく高温にならないものを除く。)に近接した箇所には、可燃性の物を置かないこと。
(乾燥設備作業主任者の選任)
第二百九十七条 事業者は、令第六条第八号の作業については、乾燥設備作業主任者技能講習を修了した者のうちから、乾燥設備作業主任者を選任しなければならない。
(乾燥設備作業主任者の職務)
第二百九十八条 事業者は、乾燥設備作業主任者に次の事項を行なわせなければならない。
一 乾燥設備をはじめて使用するとき、又は乾燥方法若しくは乾燥物の種類を変えたときは、労働者にあらかじめ当該作業の方法を周知させ、かつ、当該作業を直接指揮すること。
二 乾燥設備及びその附属設備について不備な箇所を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。
三 乾燥設備の内部における温度、換気の状態及び乾燥物の状態について随時点検し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。
四 乾燥設備がある場所を常に整理整とんし、及びその場所にみだりに可燃性の物を置かないこと。
(定期自主検査)
第二百九十九条 事業者は、乾燥設備及びその附属設備については、一年以内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行なわなければならない。ただし、一年をこえる期間使用しない乾燥設備及びその附属設備の当該使用しない期間においては、この限りでない。
一 内面及び外面並びに内部のたな、わく等の損傷、変形及び腐食の有無
二 危険物乾燥設備にあつては、乾燥に伴つて生ずるガス、蒸気又は粉じんで爆発又は火災の危険があるものを排出するための設備の異常の有無
三 第二百九十四条第六号の乾燥設備にあつては、燃焼室その他点火する箇所の換気のための設備の異常の有無
四 のぞき窓、出入口、排気孔等の開口部の異常の有無
五 内部の温度の測定装置及び調整装置の異常の有無
六 内部に設ける電気機械器具又は配線の異常の有無
2 事業者は、前項ただし書の乾燥設備及びその附属設備については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行なわなければならない。
3 事業者は、前二項の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。
一 検査年月日
二 検査方法
三 検査箇所
四 検査の結果
五 検査を実施した者の氏名
六 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容
(補修等)
第三百条 事業者は、前条第一項又は第二項の自主検査の結果、当該乾燥設備又はその附属設備に異常を認めたときは、補修その他必要な措置を講じた後でなければ、これらの設備を使用してはならない。