労働安全衛生規則 第559条~第563条
このページでは労働安全衛生規則(安衛則) 第559条、 第560条、 第561条、 第561条の2、 第562条、 第563条 を掲載しています。
(令和6年7月1日施行)
第二編 安全基準
第十章 通路、足場等
第二節 足場
第一款 材料等
(材料等)
第五百五十九条 事業者は、足場の材料については、著しい損傷、変形又は腐食のあるものを使用してはならない。
2 事業者は、足場に使用する木材については、強度上の著しい欠点となる割れ、虫食い、節、繊維の傾斜等がなく、かつ、木皮を取り除いたものでなければ、使用してはならない。
(鋼管足場に使用する鋼管等)
第五百六十条 事業者は、鋼管足場に使用する鋼管のうち、令別表第八第一号から第三号までに掲げる部材に係るもの以外のものについては、日本産業規格A八九五一(鋼管足場)に定める単管足場用鋼管の規格(以下「単管足場用鋼管規格」という。)又は次に定めるところに適合するものでなければ、使用してはならない。
一 材質は、引張強さの値が三百七十ニュートン毎平方ミリメートル以上であり、かつ、伸びが、次の表の上欄に掲げる引張強さの値に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値となるものであること。
引張強さ(単位 ニュートン毎平方ミリメートル) | 伸び(単位 パーセント) |
三百七十以上三百九十未満 | 二十五以上 |
三百九十以上五百未満 | 二十以上 |
五百以上 | 十以上 |
二 肉厚は、外径の三十一分の一以上であること。
2 事業者は、鋼管足場に使用する附属金具のうち、令別表第八第二号から第七号までに掲げる附属金具以外のものについては、その材質(衝撃を受けるおそれのない部分に使用する部品の材質を除く。)が、圧延鋼材、鍛鋼品又は鋳鋼品であるものでなければ、使用してはならない。
(構造)
第五百六十一条 事業者は、足場については、丈夫な構造のものでなければ、使用してはならない。
(本足場の使用)
第五百六十一条の二 事業者は、幅が一メートル以上の箇所において足場を使用するときは、本足場を使用しなければならない。ただし、つり足場を使用するとき、又は障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なときは、この限りでない。
(最大積載荷重)
第五百六十二条 事業者は、足場の構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定め、かつ、これを超えて積載してはならない。
2 前項の作業床の最大積載荷重は、つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。以下この節において同じ。)にあつては、つりワイヤロープ及びつり鋼線の安全係数が十以上、つり鎖及びつりフツクの安全係数が五以上並びにつり鋼帯並びにつり足場の下部及び上部の支点の安全係数が鋼材にあつては二・五以上、木材にあつては五以上となるように、定めなければならない。
3 事業者は、第一項の最大積載荷重を労働者に周知させなければならない。
(作業床)
第五百六十三条 事業者は、足場(一側足場を除く。第三号において同じ。)における高さ二メートル以上の作業場所には、次に定めるところにより、作業床を設けなければならない。
一 床材は、支点間隔及び作業時の荷重に応じて計算した曲げ応力の値が、次の表の上欄に掲げる木材の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる許容曲げ応力の値を超えないこと。
木材の種類 | 許容曲げ応力(単位 ニュートン毎平方センチメートル) |
あかまつ、くろまつ、からまつ、ひば、ひのき、つが、べいまつ又はべいひ | 一、三二〇 |
すぎ、もみ、えぞまつ、とどまつ、べいすぎ又はべいつが | 一、〇三〇 |
かし | 一、九一〇 |
くり、なら、ぶな又はけやき | 一、四七〇 |
アピトン又はカポールをフエノール樹脂により接着した合板 | 一、六二〇 |
二 つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。
イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。
ロ 床材間の隙間は、三センチメートル以下とすること。
ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。
三 墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、次に掲げる足場の種類に応じて、それぞれ次に掲げる設備(丈夫な構造の設備であつて、たわみが生ずるおそれがなく、かつ、著しい損傷、変形又は腐食がないものに限る。以下「足場用墜落防止設備」という。)を設けること。
イ わく組足場(妻面に係る部分を除く。ロにおいて同じ。) 次のいずれかの設備
(1) 交さ筋かい及び高さ十五センチメートル以上四十センチメートル以下の桟若しくは高さ十五センチメートル以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備
(2) 手すりわく
ロ わく組足場以外の足場 手すり等及び中桟等
四 腕木、布、はり、脚立その他作業床の支持物は、これにかかる荷重によつて破壊するおそれのないものを使用すること。
五 つり足場の場合を除き、床材は、転位し、又は脱落しないように二以上の支持物に取り付けること。
六 作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ十センチメートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備(以下「幅木等」という。)を設けること。ただし、第三号の規定に基づき設けた設備が幅木等と同等以上の機能を有する場合又は作業の性質上幅木等を設けることが著しく困難な場合若しくは作業の必要上臨時に幅木等を取り外す場合において、立入区域を設定したときは、この限りでない。
2 前項第二号ハの規定は、次の各号のいずれかに該当する場合であつて、床材と建地との隙間が十二センチメートル以上の箇所に防網を張る等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じたときは、適用しない。
一 はり間方向における建地と床材の両端との隙間の和が二十四センチメートル未満の場合
二 はり間方向における建地と床材の両端との隙間の和を二十四センチメートル未満とすることが作業の性質上困難な場合
3 第一項第三号の規定は、作業の性質上足場用墜落防止設備を設けることが著しく困難な場合又は作業の必要上臨時に足場用墜落防止設備を取り外す場合において、次の措置を講じたときは、適用しない。
一 要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる措置又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。
二 前号の措置を講ずる箇所には、関係労働者以外の労働者を立ち入らせないこと。
4 第一項第五号の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
一 幅が二十センチメートル以上、厚さが三・五センチメートル以上、長さが三・六メートル以上の板を床材として用い、これを作業に応じて移動させる場合で、次の措置を講ずるとき。
イ 足場板は、三以上の支持物に掛け渡すこと。
ロ 足場板の支点からの突出部の長さは、十センチメートル以上とし、かつ、労働者が当該突出部に足を掛けるおそれのない場合を除き、足場板の長さの十八分の一以下とすること。
ハ 足場板を長手方向に重ねるときは、支点の上で重ね、その重ねた部分の長さは、二十センチメートル以上とすること。
二 幅が三十センチメートル以上、厚さが六センチメートル以上、長さが四メートル以上の板を床材として用い、かつ、前号ロ及びハに定める措置を講ずるとき。
5 事業者は、第三項の規定により作業の必要上臨時に足場用墜落防止設備を取り外したときは、その必要がなくなつた後、直ちに当該設備を原状に復さなければならない。
6 労働者は、第三項の場合において、要求性能墜落制止用器具の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。