クレーン等安全規則 第16条~第33条
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(令和2年12月25日施行)
第二章 クレーン
第二節 使用及び就業
(検査証の備付け)
第十六条 事業者は、クレーンを用いて作業を行なうときは、当該作業を行なう場所に、当該クレーンのクレーン検査証を備え付けておかなければならない。
(使用の制限)
第十七条 事業者は、クレーンについては、法第三十七条第二項の厚生労働大臣の定める基準(以下「厚生労働大臣の定める基準」という。)(クレーンの構造に係る部分に限る。)に適合するものでなければ使用してはならない。
(設計の基準とされた負荷条件)
第十七条の二 事業者は、クレーンを使用するときは、当該クレーンの構造部分を構成する鋼材等の変形、折損等を防止するため、当該クレーンの設計の基準とされた荷重を受ける回数及び常態としてつる荷の重さ(以下「負荷条件」という。)に留意するものとする。
(巻過ぎの防止)
第十八条 事業者は、クレーンの巻過防止装置については、フツク、グラブバケツト等のつり具の上面又は当該つり具の巻上げ用シーブの上面とドラム、シーブ、トロリフレームその他当該上面が接触するおそれのある物(傾斜したジブを除く。)の下面との間隔が〇・二五メートル以上(直働式の巻過防止装置にあつては、〇・〇五メートル以上)となるように調整しておかなければならない。
第十九条 事業者は、巻過防止装置を具備しないクレーンについては、巻上げ用ワイヤロープに標識を付すること、警報装置を設けること等巻上げ用ワイヤロープの巻過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。 第二十条 事業者は、水圧又は油圧を動力として用いるクレーンの当該水圧又は油圧の過度の昇圧を防止するための安全弁については、定格荷重(ジブクレーンにあつては、最大の定格荷重)に相当する荷重をかけたときの水圧又は油圧に相当する圧力以下で作用するように調整しておかなければならない。ただし、第二十三条第二項の規定により定格荷重をこえる荷重をかける場合又は第十二条の規定により荷重試験若しくは安定度試験を行なう場合において、これらの場合における水圧又は油圧に相当する圧力で作用するように調整するときは、この限りでない。 第二十条の二 事業者は、玉掛け用ワイヤロープ等がフツクから外れることを防止するための装置(以下「外れ止め装置」という。)を具備するクレーンを用いて荷をつり上げるときは、当該外れ止め装置を使用しなければならない。 第二十一条 事業者は、次の各号に掲げるクレーンの運転の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。 一 つり上げ荷重が五トン未満のクレーン 二 つり上げ荷重が五トン以上の跨線テルハ 2 前項の特別の教育は、次の科目について行わなければならない。 一 クレーンに関する知識 二 原動機及び電気に関する知識 三 クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 四 関係法令 五 クレーンの運転 六 クレーンの運転のための合図 3 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号。以下「安衛則」という。)第三十七条及び第三十八条並びに前二項に定めるもののほか、第一項の特別の教育に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。 第二十二条 事業者は、令第二十条第六号に掲げる業務については、クレーン・デリック運転士免許を受けた者でなければ、当該業務に就かせてはならない。ただし、床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移動する方式のクレーン(以下「床上操作式クレーン」という。)の運転の業務については、床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者を当該業務に就かせることができる。 第二十三条 事業者は、クレーンにその定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。 2 前項の規定にかかわらず、事業者は、やむを得ない事由により同項の規定によることが著しく困難な場合において、次の措置を講ずるときは、定格荷重をこえ、第六条第三項に規定する荷重試験でかけた荷重まで荷重をかけて使用することができる。 一 あらかじめ、クレーン特例報告書(様式第十号)を所轄労働基準監督署長に提出すること。 二 あらかじめ、第六条第三項に規定する荷重試験を行ない、異常がないことを確認すること。 三 作業を指揮する者を指名して、その者の直接の指揮のもとに作動させること。 3 事業者は、前項第二号の規定により荷重試験を行なつたとき、及びクレーンに定格荷重をこえる荷重をかけて使用したときは、その結果を記録し、これを三年間保存しなければならない。 第二十四条 事業者は、ジブクレーンについては、クレーン明細書に記載されているジブの傾斜角(つり上げ荷重が三トン未満のジブクレーンにあつては、これを製造した者が指定したジブの傾斜角)の範囲をこえて使用してはならない。 第二十四条の二 事業者は、クレーンを用いて作業を行うときは、クレーンの運転者及び玉掛けをする者が当該クレーンの定格荷重を常時知ることができるよう、表示その他の措置を講じなければならない。 第二十五条 事業者は、クレーンを用いて作業を行なうときは、クレーンの運転について一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせなければならない。ただし、クレーンの運転者に単独で作業を行なわせるときは、この限りでない。 2 前項の指名を受けた者は、同項の作業に従事するときは、同項の合図を行なわなければならない。 3 第一項の作業に従事する労働者は、同項の合図に従わなければならない。 第二十六条 事業者は、クレーンにより、労働者を運搬し、又は労働者をつり上げて作業させてはならない。(安全弁の調整)
(外れ止め装置の使用)
(特別の教育)
(就業制限)
(過負荷の制限)
(傾斜角の制限)
(定格荷重の表示等)
(運転の合図)
(搭乗の制限)
第二十七条 事業者は、前条の規定にかかわらず、作業の性質上やむを得ない場合又は安全な作業の遂行上必要な場合は、クレーンのつり具に専用のとう乗設備を設けて当該とう乗設備に労働者を乗せることができる。 2 事業者は、前項のとう乗設備については、墜落による労働者の危険を防止するため次の事項を行わなければならない。 一 とう乗設備の転位及び脱落を防止する措置を講ずること。 二 労働者に要求性能墜落制止用器具(安衛則第百三十条の五第一項に規定する要求性能墜落制止用器具をいう。)その他の命綱(以下「要求性能墜落制止用器具等」という。)を使用させること。 三 とう乗設備を下降させるときは、動力下降の方法によること。 3 労働者は、前項の場合において要求性能墜落制止用器具等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。 第二十八条 事業者は、ケーブルクレーンを用いて作業を行なうときは、巻上げ用ワイヤロープ若しくは横行用ワイヤロープが通つているシーブ又はその取付け部の破損により、当該ワイヤロープがはね、又は当該シーブ若しくはその取付具が飛来することによる労働者の危険を防止するため、当該ワイヤロープの内角側で、当該危険を生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。(立入禁止)
第二十九条 事業者は、クレーンに係る作業を行う場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、つり上げられている荷(第六号の場合にあつては、つり具を含む。)の下に労働者を立ち入らせてはならない。 一 ハッカーを用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。 二 つりクランプ一個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。 三 ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ又は繊維ベルト(以下第百十五条までにおいて「ワイヤロープ等」という。)を用いて一箇所に玉掛けをした荷がつり上げられているとき(当該荷に設けられた穴又はアイボルトにワイヤロープ等を通して玉掛けをしている場合を除く。)。 四 複数の荷が一度につり上げられている場合であつて、当該複数の荷が結束され、箱に入れられる等により固定されていないとき。 五 磁力又は陰圧により吸着させるつり具又は玉掛用具を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。 六 動力下降以外の方法により荷又はつり具を下降させるとき。 第三十条 事業者は、同一のランウエイに並置されている走行クレーンの修理、調整、点検等の作業を行なうとき、又はランウエイの上その他走行クレーンが労働者に接触することにより労働者に危険を生ずるおそれのある箇所において作業を行なうときは、監視人をおくこと、ランウエイの上にストツパーを設けること等走行クレーンと走行クレーンが衝突し、又は走行クレーンが労働者に接触することによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。 第三十条の二 事業者は、天井クレーンのクレーンガーダの上又は橋形クレーンのクレーンガーダ、カンチレバ若しくは脚の上において当該天井クレーン若しくは橋形クレーン(以下この条において「天井クレーン等」という。)又は当該天井クレーン等に近接する建物、機械、設備等の点検、補修、塗装等の作業(以下この条において「天井クレーン等の点検等の作業」という。)を行うときは、天井クレーン等が不意に起動することによる労働者の墜落、挟まれ等の危険を防止するため、当該天井クレーン等の運転を禁止するとともに、当該天井クレーン等の操作部分に運転を禁止する旨の表示をしなければならない。ただし、天井クレーン等の点検等の作業を指揮する者を定め、その者に天井クレーン等の点検等の作業を指揮させ、かつ、天井クレーン等のクレーンガーダ、カンチレバ又は脚の上において天井クレーン等の点検等の作業に従事する労働者と当該天井クレーン等を運転する者との間の連絡及び合図の方法を定め、当該方法により連絡及び合図を行わせるときは、この限りでない。 第三十一条 事業者は、瞬間風速が毎秒三十メートルをこえる風が吹くおそれのあるときは、屋外に設置されている走行クレーンについて、逸走防止装置を作用させる等その逸走を防止するための措置を講じなければならない。 第三十一条の二 事業者は、強風のため、クレーンに係る作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない。 第三十一条の三 事業者は、前条の規定により作業を中止した場合であつてジブクレーンのジブが損壊するおそれのあるときは、当該ジブの位置を固定させる等によりジブの損壊による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。 第三十二条 事業者は、クレーンの運転者を、荷をつつたままで、運転位置から離れさせてはならない。 2 前項の運転者は、荷をつつたままで、運転位置を離れてはならない。 第三十三条 事業者は、クレーンの組立て又は解体の作業を行なうときは、次の措置を講じなければならない。 一 作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させること。 二 作業を行なう区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示すること。 三 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させないこと。 2 事業者は、前項第一号の作業を指揮する者に、次の事項を行わせなければならない。 一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮すること。 二 材料の欠点の有無並びに器具及び工具の機能を点検し、不良品を取り除くこと。 三 作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。(並置クレーンの修理等の作業)
(運転禁止等)
(暴風時における逸走の防止)
(強風時の作業中止)
(強風時における損壊の防止)
(運転位置からの離脱の禁止)
(組立て等の作業)