クレーン等安全規則 第103条~第118条
このページではクレーン等安全規則(クレーン則) 第103条、 第104条、 第105条、 第106条、 第107条、 第108条、 第109条、 第110条、 第111条、 第112条、 第113条、 第114条、 第115条、 第116条、 第116条の2、 第117条、 第118条 を掲載しています。
(令和2年12月25日施行)
第四章 デリツク
第二節 使用及び就業
(検査証の備付け)
第百三条 事業者は、デリツクを用いて作業を行なうときは、当該作業を行なう場所に、当該デリツクのデリツク検査証を備え付けておかなければならない。
(使用の制限)
第百四条 事業者は、デリツクについては、厚生労働大臣の定める基準(デリツクの構造に係る部分に限る。)に適合するものでなければ使用してはならない。
(巻過ぎの防止)
第百五条 事業者は、デリツクの巻過防止装置については、フツク、グラブバケツト等のつり具の上面又は当該つり具の巻上げ用シーブの上面とブームの先端のシーブその他当該上面が接触するおそれのある物(ブームを除く。)の下面との間隔が〇・二五メートル以上(直働式の巻過防止装置にあつては、〇・〇五メートル以上)となるように調整しておかなければならない。
第百六条 事業者は、巻過防止装置を具備しないデリツクについては、巻上げ用ワイヤロープに標識を付すること、警報装置を設けること等巻上げ用ワイヤロープの巻過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。 第百七条 事業者は、つり上げ荷重が五トン未満のデリツクの運転の業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行なわなければならない。 2 前項の特別の教育は、次の科目について行わなければならない。 一 デリツクに関する知識 二 原動機及び電気に関する知識 三 デリツクの運転のために必要な力学に関する知識 四 関係法令 五 デリツクの運転 六 デリツクの運転のための合図 3 安衛則第三十七条及び第三十八条並びに前二項に定めるもののほか、第一項の特別の教育に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。 第百八条 事業者は、令第二十条第八号に掲げる業務については、クレーン・デリック運転士免許を受けた者でなければ、当該業務に就かせてはならない。 第百九条 事業者は、デリツクにその定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。 2 前項の規定にかかわらず、事業者は、やむを得ない事由により同項の規定によることが著しく困難な場合において、次の措置を講ずるときは、定格荷重をこえ、第九十七条第三項に規定する荷重試験でかけた荷重まで荷重をかけて使用することができる。 一 あらかじめ、デリツク特例報告書(様式第十号)を所轄労働基準監督署長に提出すること。 二 あらかじめ、第九十七条第三項に規定する荷重試験を行ない異常がないことを確認すること。 三 作業を指揮する者を指名して、その者の直接の指揮のもとに作動させること。 3 事業者は、前項第二号の規定により荷重試験を行なつたとき及びデリツクに定格荷重をこえる荷重をかけて使用したときは、その結果を記録し、これを三年間保存しなければならない。 第百十条 事業者は、ブームを有するデリツクについては、デリツク明細書に記載されているブームの傾斜角(つり上げ荷重が二トン未満のデリツクにあつては、その設置のための設計において定められているブームの傾斜角)の範囲をこえて使用してはならない。 第百十一条 事業者は、デリツクを用いて作業を行なうときは、デリツクの運転について一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせなければならない。ただし、デリツクの運転者に単独で作業を行なわせるときは、この限りでない。 2 前項の指名を受けた者は、同項の作業に従事するときは、同項の合図を行なわなければならない。 3 第一項の作業に従事する労働者は、同項の合図に従わなければならない。 第百十二条 事業者は、デリックにより、労働者を運搬し、又は労働者をつり上げて作業させてはならない。(特別の教育)
(就業制限)
(過負荷の制限)
(傾斜角の制限)
(運転の合図)
(搭乗の制限)
第百十三条 事業者は、前条の規定にかかわらず、作業の性質上やむを得ない場合又は安全な作業の遂行上必要な場合は、デリツクのつり具に専用のとう乗設備を設けて当該とう乗設備に労働者を乗せることができる。 2 第二十七条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。 第百十四条 事業者は、デリツクを用いて作業を行なうときは、巻上げ用ワイヤロープ若しくは起伏用ワイヤロープが通つているシーブ又はその取付け部の破損により、当該ワイヤロープがはね、又は当該シーブ若しくはその取付具が飛来することにより労働者の危険を防止するため、当該ワイヤロープの内角側で、当該危険を生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。(立入禁止)
第百十五条 事業者は、デリックに係る作業を行う場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、つり上げられている荷(第六号の場合にあつては、つり具を含む。)の下に労働者を立ち入らせてはならない。 一 ハッカーを用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。 二 つりクランプ一個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。 三 ワイヤロープ等を用いて一箇所に玉掛けをした荷がつり上げられているとき(当該荷に設けられた穴又はアイボルトにワイヤロープ等を通して玉掛けをしている場合を除く。)。 四 複数の荷が一度につり上げられている場合であつて、当該複数の荷が結束され、箱に入れられる等により固定されていないとき。 五 磁力又は陰圧により吸着させるつり具又は玉掛用具を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。 六 動力下降以外の方法により荷又はつり具を下降させるとき。 第百十六条 事業者は、瞬間風速が毎秒三十メートルをこえる風が吹くおそれのあるときは、屋外に設置されているデリツクについて、ブームをマスト又は地上の固定物に固縛する等ブームの動揺によるデリツクの破損を防止するための措置を講じなければならない。 第百十六条の二 事業者は、強風のため、デリックに係る作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない。 第百十七条 事業者は、デリツクの運転者を、荷をつつたままで、運転位置から離れさせてはならない。 2 前項の運転者は、荷をつつたままで、運転位置を離れてはならない。 第百十八条 事業者は、デリツクの組立て又は解体の作業を行なうときは、次の措置を講じなければならない。 一 作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させること。 二 作業を行なう区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示すること。 三 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させないこと。 2 事業者は、前項第一号の作業を指揮する者に、次の事項を行わせなければならない。 一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮すること。 二 材料の欠点の有無並びに器具及び工具の機能を点検し、不良品を取り除くこと。 三 作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。(暴風時の措置)
(強風時の作業中止)
(運転位置からの離脱の禁止)
(組立て等の作業)