高気圧作業安全衛生規則 第27条~第37条
このページでは高気圧作業安全衛生規則(高圧則) 第27条、 第28条、 第29条、 第30条、 第31条、 第32条、 第33条、 第34条、 第35条、 第36条、 第37条 を掲載しています。
(令和5年4月1日施行)
第三章 業務管理
第三節 潜水業務の管理
(作業計画等の準用)
第二十七条 第十二条の二及び第二十条の二の規定は潜水業務(水深十メートル以上の場所における潜水業務に限る。)について、第十五条及び第十六条の規定は潜水業務について、第十五条、第十六条並びに第十八条第一項及び第二項の規定は潜水作業者について、第十五条第二項、第十六条第二項並びに第十八条第三項及び第四項の規定は潜水業務請負人等について、それぞれ準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。
第十二条の二第一項 | 高圧室内作業 | 潜水作業 |
第十二条の二第二項第一号 | 作業室又は気こう室へ送気する | 潜水作業者に送気し、又はボンベに充填する |
第十二条の二第二項第二号 | 加圧を開始する | 潜降を開始させる |
減圧を開始する | 浮上を開始させる | |
第十二条の二第二項第三号 | 圧力 | 水深の圧力 |
第十二条の二第二項第四号 | 加圧及び減圧 | 潜降及び浮上 |
第十二条の二第二項第五号 | 減圧を停止する圧力 | 浮上を停止させる水深の圧力 |
減圧を停止する時間 | 浮上を停止させる時間 | |
第十五条第一項 | 作業室及び気こう室における | 当該潜水作業者が吸入する時点の |
作業室又は気こう室への送気、換気 | 潜水作業者への送気、ボンベからの給気 | |
第十五条第一項第一号 | 気こう室において高圧室内業務従事者に減圧を行う | 潜水業務従事者が溺水しないよう必要な措置を講じて浮上を行わせる |
第十五条第二項 | 作業室及び気こう室における前項 | 当該潜水業務請負人等が吸入する時点の前項 |
作業室又は気こう室への送気、換気 | 当該潜水業務請負人等への送気、ボンベからの給気 | |
第十六条第一項 | 作業室又は気こう室への送気 | 潜水作業者への送気、ボンベからの給気 |
第十六条第二項 | 作業室又は気こう室への送気 | 当該潜水業務請負人等への送気、ボンベからの給気 |
第十八条の見出し | 減圧 | 浮上 |
第十八条第一項 | 気こう室において高圧室内作業者に減圧を行う | 潜水作業者に浮上を行わせる |
第十八条第一項第一号 | 減圧 | 浮上 |
〇・〇八メガパスカル | 十メートル | |
第十八条第一項第二号 | 減圧を停止する圧力 | 浮上を停止させる水深の圧力 |
減圧を停止する時間 | 浮上を停止させる時間 | |
減圧を停止すること | 浮上を停止させること | |
第十八条第二項 | 減圧 | 浮上 |
第十八条第三項 | 気こう室において当該高圧室内業務請負人等に減圧を行う | 当該潜水業務請負人等に浮上を行わせる |
第十八条第四項 | 減圧 | 浮上 |
第二十条の二 | 第十二条の二第二項各号 | 第二十七条において読み替えて準用する第十二条の二第二項各号 |
当該高圧室内作業者 | 当該潜水作業者 |
(送気量及び送気圧)
第二十八条 事業者は、空気圧縮機又は手押ポンプにより潜水業務従事者に送気するときは、潜水業務従事者ごとに、その水深の圧力下における送気量を、毎分六十リットル以上としなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、事業者は、潜水業務従事者に圧力調整器を使用させる場合には、潜水業務従事者ごとに、その水深の圧力下において毎分四十リットル以上の送気を行うことができる空気圧縮機を使用し、かつ、送気圧をその水深の圧力に〇・七メガパスカルを加えた値以上としなければならない。
(ボンベからの給気を受けて行う潜水業務)
第二十九条 事業者は、潜水業務従事者に携行させたボンベ(非常用のものを除く。以下この条、第三十四条、第三十六条及び第三十七条において同じ。)からの給気を受けさせるときは、次の措置を講じなければならない。
一 潜降直前に、潜水業務従事者に対し、当該潜水業務に使用するボンベの現に有する給気能力を知らせること。
二 潜水業務従事者に異常がないかどうかを監視するための者を置くこと。
(圧力調整器)
第三十条 事業者は、潜水業務従事者に圧力一メガパスカル以上の気体を充填したボンベからの給気を受けさせるときは、二段以上の減圧方式による圧力調整器を潜水業務従事者に使用させなければならない。
第三十一条 削除
(浮上の特例等)
第三十二条 事業者は、事故のために潜水業務従事者を浮上させるときは、必要な限度において、第二十七条において読み替えて準用する第十八条第一項第一号に規定する浮上の速度を速め、又は同項第二号に規定する浮上を停止する時間を短縮することができる。
2 事業者は、前項の規定により浮上の速度を速め、又は浮上を停止する時間を短縮したときは、浮上後、速やかに当該潜水業務従事者を再圧室に入れ、当該潜水業務の最高の水深における圧力に等しい圧力まで加圧し、又は当該潜水業務の最高の水深まで再び潜水させなければならない。
3 前項の規定により当該潜水業務従事者を再圧室に入れて加圧する場合の加圧の速度については、第十四条の規定を準用する。
(さがり綱)
第三十三条 事業者は、潜水業務を行うときは、潜水業務従事者が潜降し、及び浮上するためのさがり綱を備え、これを潜水業務従事者に使用させなければならない。
2 事業者は、前項のさがり綱には、三メートルごとに水深を表示する木札又は布等を取り付けておかなければならない。
(設備等の点検及び修理)
第三十四条 事業者は、潜水業務を行うときは、潜水前に、次の各号に掲げる潜水業務に応じて、それぞれ当該各号に掲げる潜水器具を点検し、潜水作業者に危険又は健康障害の生ずるおそれがあると認めたときは、修理その他必要な措置を講じなければならない。
一 空気圧縮機又は手押ポンプにより送気して行う潜水業務 潜水器、送気管、信号索、さがり綱及び圧力調整器
二 ボンベ(潜水作業者に携行させたボンベを除く。)からの給気を受けて行う潜水業務 潜水器、送気管、信号索、さがり綱及び第三十条の圧力調整器
三 潜水作業者に携行させたボンベからの給気を受けて行う潜水業務 潜水器及び第三十条の圧力調整器
2 事業者は、潜水業務を行うときは、次の各号に掲げる潜水業務に応じて、それぞれ当該各号に掲げる設備について、当該各号に掲げる期間ごとに一回以上点検し、潜水作業者に危険又は健康障害の生ずるおそれがあると認めたときは、修理その他必要な措置を講じなければならない。
一 空気圧縮機又は手押ポンプにより送気して行う潜水業務
イ 空気圧縮機又は手押ポンプ 一週
ロ 第九条の空気を清浄にするための装置 一月
ハ 第三十七条の水深計 一月
ニ 第三十七条の水中時計 三月
ホ 第九条の流量計 六月
二 ボンベからの給気を受けて行う潜水業務
イ 第三十七条の水深計 一月
ロ 第三十七条の水中時計 三月
ハ ボンベ 六月
3 事業者は、前二項の規定により点検を行ない、又は修理その他必要な措置を講じたときは、そのつど、その概要を記録して、これを三年間保存しなければならない。
第三十五条 削除
(連絡員)
第三十六条 事業者は、空気圧縮機若しくは手押ポンプにより送気して行う潜水業務又はボンベ(潜水業務従事者に携行させたボンベを除く。)からの給気を受けて行う潜水業務を行うときは、潜水業務従事者と連絡するための者(次条において「連絡員」という。)を、潜水業務従事者二人以下ごとに一人置き、次の事項を行わせなければならない。
一 潜水業務従事者と連絡して、その者の潜降及び浮上を適正に行わせること。
二 潜水業務従事者への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務に従事する者と連絡して、潜水業務従事者に必要な量の空気を送気させること。
三 送気設備の故障その他の事故により、危険又は健康障害の生ずるおそれがあるときは、速やかに潜水業務従事者に連絡すること。
四 ヘルメット式潜水器を用いて行う潜水業務にあつては、潜降直前に当該潜水業務従事者のヘルメットがかぶと台に結合されているかどうかを確認すること。
(潜水業務における携行物等)
第三十七条 事業者は、空気圧縮機若しくは手押ポンプにより送気して行う潜水業務又はボンベ(潜水作業者に携行させたボンベを除く。)からの給気を受けて行う潜水業務を行うときは、潜水作業者に、信号索、水中時計、水深計及び鋭利な刃物を携行させなければならない。ただし、潜水作業者と連絡員とが通話装置により通話することができることとしたときは、潜水作業者に信号索、水中時計及び水深計を携行させないことができる。
2 事業者は、前項の潜水業務の一部を請け負わせた場合における潜水業務に従事する者(労働者を除く。)が、空気圧縮機若しくは手押ポンプにより送気して行う潜水業務又はボンベ(当該者に携行させたボンベを除く。)からの給気を受けて行う潜水業務を行うときは、当該者に対し、信号索、水中時計、水深計及び鋭利な刃物(当該者と連絡員とが通話装置により通話することができるときにあつては、鋭利な刃物)を携行する必要がある旨を周知させなければならない。
3 事業者は、潜水作業者に携行させたボンベからの給気を受けて行う潜水業務を行うときは、潜水作業者に、水中時計、水深計及び鋭利な刃物を携行させるほか、救命胴衣又は浮力調整具を着用させなければならない。
4 事業者は、携行させたボンベからの給気を受けて行う潜水業務の一部を請け負わせた場合における潜水業務に従事する者(労働者を除く。)に対し、水中時計、水深計及び鋭利な刃物を携行するほか、救命胴衣又は浮力調整具を着用する必要がある旨を周知させなければならない。