電離放射線障害防止規則 第42条~第45条
このページでは電離放射線障害防止規則(電離則) 第42条、 第43条、 第44条、 第45条 を掲載しています。
(令和5年4月1日施行)
第五章 緊急措置
(退避)
第四十二条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する事故が発生したときは、その事故によつて受ける実効線量が十五ミリシーベルトを超えるおそれのある区域から、直ちに、作業に従事する者を退避させなければならない。
一 第三条の二第一項の規定により設けられた遮蔽物が放射性物質の取扱い中に破損した場合又は放射線の照射中に破損し、かつ、その照射を直ちに停止することが困難な場合
二 第三条の二第一項の規定により設けられた局所排気装置又は発散源を密閉する設備が故障、破損等によりその機能を失つた場合
三 放射性物質が多量に漏れ、こぼれ、又は逸散した場合
四 放射性物質を装備している機器の放射線源が線源容器から脱落した場合又は放射線源送出し装置若しくは放射線源の位置を調整する遠隔操作装置の故障により線源容器の外に送り出した放射線源を線源容器に収納することができなくなつた場合
五 前各号に掲げる場合のほか、不測の事態が生じた場合
2 事業者は、前項の区域を標識によつて明示しなければならない。
3 事業者は、作業に従事する者を第一項の区域に立ち入らせてはならない。ただし、緊急作業に従事する者については、この限りでない。
(事故に関する報告)
第四十三条 事業者は、前条第一項各号のいずれかに該当する事故が発生したときは、速やかに、その旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
(診察等)
第四十四条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する労働者に、速やかに、医師の診察又は処置を受けさせなければならない。
一 第四十二条第一項各号のいずれかに該当する事故が発生したとき同項の区域内にいた者
二 第四条第一項又は第五条第一項に規定する限度を超えて実効線量又は等価線量を受けた者
三 放射性物質を誤つて吸入摂取し、又は経口摂取した者
四 洗身等により汚染を別表第三に掲げる限度の十分の一(第四十一条の十第二項に規定する場合にあつては、別表第三に掲げる限度)以下にすることができない者
五 傷創部が汚染された者
2 事業者は、前項各号のいずれかに該当する労働者があるときは、速やかに、その旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
3 事業者は、放射線業務、緊急作業及び管理区域に一時的に立ち入る作業(以下この項及び次条第四項において「放射線業務等」という。)の一部を請負人に請け負わせる場合においては、当該請負人に対し、放射線業務等に従事する者が第一項各号のいずれかに該当するときは、速やかに医師の診察又は処置を受ける必要がある旨を周知させなければならない。
(事故に関する測定及び記録)
第四十五条 事業者は、第四十二条第一項各号のいずれかに該当する事故が発生し、同項の区域が生じたときは、労働者がその区域内にいたことによつて、又は緊急作業に従事したことによつて受けた実効線量、眼の水晶体及び皮膚の等価線量並びに次の事項を記録し、これを五年間保存しなければならない。
一 事故の発生した日時及び場所
二 事故の原因及び状況
三 放射線による障害の発生状況
四 事業者が採つた応急の措置
2 事業者は、前項に規定する労働者で、同項の実効線量又は等価線量が明らかでないものについては、第四十二条第一項の区域内の必要な場所ごとの外部放射線による線量当量率、空気中の放射性物質の濃度又は放射性物質の表面密度を放射線測定器を用いて測定し、その結果に基づいて、計算により前項の実効線量又は等価線量を算出しなければならない。
3 前項の線量当量率は、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難なときは、同項の規定にかかわらず、計算により算出することができる。
4 事業者は、放射線業務等の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、第一項に規定する区域が生じた場合であつて、放射線業務等に従事する者がその区域内にいたことによつて、又は緊急作業に従事したことによつて受けた同項の実効線量又は等価線量が明らかでないときは、第四十二条第一項の区域内の必要な場所ごとの外部放射線による線量当量率、空気中の放射性物質の濃度又は放射性物質の表面密度を放射線測定器を用いて測定し、その結果に基づいて、計算により第一項の実効線量又は等価線量を算出する必要がある旨を周知させなければならない。
5 事業者は、前項の請負人に対し、同項の線量当量率を放射線測定器を用いて測定することが著しく困難なときは、同項の規定にかかわらず、計算により算出することができる旨を周知させなければならない。