中小企業退職金共済法 第27条~第29条
このページでは中小企業退職金共済法(中退法) 第27条、 第28条、 第29条 を掲載しています。
(令和4年6月17日施行)
第二章 退職金共済契約
第四節 過去勤務期間の通算に関する特例
(過去勤務期間の通算の申出等)
第二十七条 退職金共済契約の申込みを行おうとする者(その者の雇用する従業員について現に退職金共済契約を締結しているものを除く。)は、その申込みを行う際に、被共済者となるべき従業員(第三十一条の二第一項又は第三十一条の三第一項の規定による申出に係る退職金共済契約の被共済者を除く。)の過去勤務期間(当該申込みを行おうとする者に雇い入れられた日から退職金共済契約の効力が生ずる日の前日までの継続して雇用された期間から第三条第三項各号に掲げる者であつた期間のうち厚生労働省令で定める期間を除いた期間(その期間に一年未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)をいう。以下同じ。)の月数(その月数が百二十月を超えるときは、百二十月)を当該退職金共済契約に係る掛金納付月数に通算することを希望する旨の申出をすることができる。
2 前項の規定による申出は、退職金共済契約の申込みが行われることにより同時に退職金共済契約の被共済者となるべき全ての者(第三十一条の二第一項又は第三十一条の三第一項の規定による申出に係る退職金共済契約の被共済者を除く。)についてしなければならない。
3 第一項の規定による申出は、第二十九条第一項第一号の規定による退職金の額の算定の基礎となる過去勤務期間に係る掛金月額(以下「過去勤務通算月額」という。)を定めて、しなければならない。
4 過去勤務通算月額は、掛金月額の推移等を考慮し、第四条第三項に規定する区分に準じて厚生労働省令で定める額(五千円(短時間労働被共済者にあつては、二千円)以上の額とする。)のうちから、当該被共済者に係る退職金共済契約の効力が生ずる日における掛金月額を超えない範囲において定めなければならない。
5 第三項の規定により定められた過去勤務通算月額は、機構が当該被共済者に係る退職金共済契約の申込みを承諾した後は、変更することができない。
(過去勤務掛金の納付)
第二十八条 前条第一項の規定による申出をした共済契約者は、当該申出に係る被共済者について、退職金共済契約の効力が生じた日の属する月から五年(過去勤務期間が五年に満たないときは、当該過去勤務期間の年数)を経過する月(その月前に被共済者が退職したとき、又は退職金共済契約が解除されたときは、退職の日又は退職金共済契約の解除の日の属する月)までの掛金が納付されている各月につき、過去勤務通算月額に過去勤務期間の年数に応じ政令で定める率に次条第一項第一号の規定による退職金の額のうち第十条第二項第三号ロに定める額の支払に要する費用を考慮して厚生労働大臣の定める率を加えて得た率を乗じて得た額の毎月分の過去勤務掛金を翌月末日(退職金共済契約が効力を生じた日の属する月分の過去勤務掛金にあつては、翌々月末日)までに納付しなければならない。
2 前条第一項の規定による申出をした共済契約者は、厚生労働省令で定める一定の月分以上について過去勤務掛金の納付を怠つた場合(厚生労働省令で定める正当な理由がある場合を除く。)には、その時以後は、過去勤務掛金を納付することができない。
3 第七条第三項の規定により前条第一項の規定による申出に係る共済契約者に交付される退職金共済手帳は、過去勤務掛金の納付状況をも明らかにすることができるものでなければならない。
4 第二十二条第二項及び第二十四条から第二十六条までの規定は、過去勤務掛金の納付について準用する。この場合において、同条第一項中「第二十二条第一項」とあるのは、「第二十八条第一項」と読み替えるものとする。
(退職金等の特例)
第二十九条 過去勤務掛金が納付されたことのある退職金共済契約の被共済者(次項の規定に該当する被共済者を除く。)が退職したときにおける退職金の額は、第十条第二項の規定にかかわらず、次のいずれか多い額とする。
一 退職金共済契約が効力を生じた日の属する年から過去勤務期間の年数分さかのぼつた年における同日に応当する日に退職金共済契約の効力が生じ、かつ、当該応当する日の属する月から現に退職金共済契約の効力が生じた日の属する月の前月までの各月分の掛金が過去勤務通算月額に相当する額の掛金月額により納付されたものとみなして、第十条第二項(第一号を除く。)の規定を適用した場合に得られる額
二 第十条第二項の規定により算定した額に納付された過去勤務掛金の総額(過去勤務掛金の納付があつた月数が四十八月又は六十月であるときは、過去勤務掛金の額にそれぞれ政令で定める数を乗じて得た額)を加算した額
2 過去勤務掛金が納付されたことのある退職金共済契約の被共済者であつて、その者について、退職金共済契約の効力が生じた日の属する月から五年(過去勤務期間が五年に満たないときは、当該過去勤務期間の年数)を経過する月までの一部の月につき過去勤務掛金が納付されていないものが退職したときにおける退職金の支給については、次の各号に定めるところによる。
一 第十条第一項ただし書の規定は、適用しない。
二 退職金の額は、第十条第二項の規定にかかわらず、次のイからハまでに掲げる掛金納付月数の区分に応じ、当該イからハまでに定める額とする。
イ 十一月以下 納付された過去勤務掛金の総額
ロ 十二月以上五十九月以下 第十条第二項の規定により算定した額に納付された過去勤務掛金の総額(過去勤務掛金の納付があつた月数が四十三月以上であるときは、過去勤務掛金の額に過去勤務掛金の納付があつた月数に応じ政令で定める率を乗じて得た額。ハにおいて同じ。)を加算した額
ハ 六十月以上 第十条第二項の規定により算定した額に、掛金納付月数から五十九月を減じた月数に相当する期間につき、納付された過去勤務掛金の総額に対し、政令で定める利率の複利による計算をして得た元利合計額を加算した額
3 過去勤務掛金が納付されたことのある退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の支給については、次の各号に定めるところによる。
一 第十六条第三項の規定は、適用しない。
二 当該退職金共済契約の被共済者に支給される解約手当金の額は、第一項の規定に該当する被共済者にあつては同項、前項の規定に該当する被共済者にあつては同項第二号の規定の例により計算して得た額とする。