健康保険法施行令 第61条~第73条
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(令和6年4月1日施行)
第九章 雑則
(市町村が処理する事務等)
第六十一条 法第二百三条第一項の規定により、厚生労働大臣が指定する地域に居住する日雇特例被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下同じ。)に係る次に掲げる事務は、当該地域をその区域に含む市町村(特別区を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区とする。)の長が行うものとする。
一 日雇特例被保険者手帳の交付及び収受その他日雇特例被保険者手帳に関する事務
二 介護保険第二号被保険者である日雇特例被保険者及びそれ以外の日雇特例被保険者の把握に関する事務
2 法第二百三条第二項の規定により、協会は、前項に規定する地域をその区域に含む市町村(特別区を含む。次項において同じ。)に対し、当該地域に居住する日雇特例被保険者に係る次に掲げる事務を委託するものとする。
一 受給資格者票の発行及び受給資格者票への確認の表示その他受給資格者票に関する事務
二 特別療養費受給票の交付その他特別療養費受給票に関する事務
三 保険給付(埋葬料の支給を除く。)を行うために必要な保険料の納付状況の確認に関する事務及び被扶養者に係る保険給付に関する被扶養者の確認に関する事務
3 第一項の場合又は前項の規定により委託された事務を市町村が行う場合においては、法の規定中これらの項に規定する事務に係る厚生労働大臣又は協会に関する規定は、それぞれ市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。以下この項において同じ。)又は市町村に関する規定として市町村長又は市町村に適用があるものとする。
(事務の区分)
第六十二条 前条第一項の規定により市町村(特別区を含む。)が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(法第二百四条の二第一項の政令で定める事情)
第六十三条 法第二百四条の二第一項の政令で定める事情は、次の各号のいずれにも該当するものであることとする。
一 納付義務者が厚生労働省令で定める月数分以上の保険料を滞納していること。
二 納付義務者が法第二百四条の二第一項に規定する滞納処分等その他の処分(以下「滞納処分等その他の処分」という。)の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあること。
三 納付義務者が滞納している保険料等(法第二百四条の二第一項に規定する保険料等をいう。次号、第六十四条の四、第六十四条の五、第六十四条の七、第六十四条の八第一項及び第六十四条の九において同じ。)の額(納付義務者が、厚生年金保険法の規定による保険料、子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)の規定による拠出金、厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律(平成十九年法律第百三十一号)の規定による特例納付保険料その他これらの法律の規定による徴収金を滞納しているときは、当該滞納している保険料、拠出金、特例納付保険料又はこれらの法律の規定による徴収金の合計額を加算した額)が厚生労働省令で定める金額以上であること。
四 滞納処分等その他の処分を受けたにもかかわらず、納付義務者が滞納している保険料等の納付について誠実な意思を有すると認められないこと。
(財務大臣への権限の委任)
第六十四条 厚生労働大臣は、法第二百四条の二第一項の規定により滞納処分等その他の処分の権限を委任する場合においては、次に掲げるものを除き、その全部を財務大臣に委任する。
一 法第百八十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第百三十八条の規定による告知
二 法第百八十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百五十三条第一項の規定による滞納処分の執行の停止
三 法第百八十三条の規定によりその例によるものとされる国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十一条の規定による延長
四 法第百八十三条の規定によりその例によるものとされる国税通則法第三十六条第一項の規定による告知
五 法第百八十三条の規定によりその例によるものとされる国税通則法第五十五条第一項の規定による受託
六 法第百八十三条の規定によりその例によるものとされる国税通則法第六十三条の規定による免除
七 法第百八十三条の規定によりその例によるものとされる国税通則法第百二十三条第一項の規定による交付
八 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める権限
(国税局長又は税務署長への権限の委任に関する厚生年金保険法の規定の読替え)
第六十四条の二 法第二百四条の二第二項の規定により厚生年金保険法第百条の五第六項及び第七項の規定を準用する場合においては、これらの規定中「所在地」とあるのは、「所在地(法第三十四条第一項の適用事業所にあつては、同項の規定により一の適用事業所となつた二以上の事業所又は事務所のうちから厚生労働大臣が指定する事業所又は事務所の所在地)」と読み替えるものとする。
(国税局長又は税務署長への権限の委任)
第六十四条の三 国税庁長官は、法第二百四条の二第二項において準用する厚生年金保険法第百条の五第五項の規定により委任された権限の全部を、納付義務者の事業所の所在地(法第三十四条第一項の適用事業所にあっては、同項の規定により一の適用事業所となった二以上の事業所のうちから厚生労働大臣が指定する事業所の所在地。次項において同じ。)を管轄する国税局長に委任する。
2 国税局長は、必要があると認めるときは、法第二百四条の二第二項において準用する厚生年金保険法第百条の五第六項の規定により委任された権限の全部を、納付義務者の事業所の所在地を管轄する税務署長に委任する。
(機構が収納を行う場合)
第六十四条の四 法第二百四条の六第一項の政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 法第百八十条第二項の規定による督促を受けた納付義務者が保険料等の納付を日本年金機構法(平成十九年法律第百九号)第二十九条に規定する年金事務所(次号及び次条第二項において「年金事務所」という。)において行うことを希望する旨の申出があった場合
二 法第百七十二条各号のいずれかに該当したことにより納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた納付義務者が保険料の納付を年金事務所において行うことを希望する旨の申出があった場合
三 法第二百四条の六第二項において準用する厚生年金保険法第百条の十一第二項の規定により任命された法第二百四条の六第一項の収納を行う日本年金機構(以下「機構」という。)の職員(第五号及び第六十四条の九において「収納職員」という。)であって併せて法第二百四条の三第一項の徴収職員として同条第二項において準用する厚生年金保険法第百条の六第二項の規定により任命された者(以下この号及び次号において「職員」という。)が、保険料等を徴収するため、前二号に規定する納付義務者を訪問した際に、当該納付義務者が当該職員による保険料等の収納を希望した場合
四 職員が、保険料等を徴収するため法第二百四条第一項第十五号に掲げる国税滞納処分の例による処分により金銭を取得した場合
五 前各号に掲げる場合のほか、保険料等の収納職員による収納が納付義務者の利便に資する場合その他の保険料等の収納職員による収納が適切かつ効果的な場合として厚生労働省令で定める場合
(公示)
第六十四条の五 厚生労働大臣は、法第二百四条の六第一項の規定により機構に保険料等の収納を行わせるに当たり、その旨を公示しなければならない。
2 機構は、前項の公示があったときは、遅滞なく、年金事務所の名称及び所在地その他の保険料等の収納に関し必要な事項として厚生労働省令で定めるものを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
(機構が行う収納に関する厚生年金保険法の規定の読替え)
第六十四条の六 法第二百四条の六第二項の規定による厚生年金保険法の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。
厚生年金保険法の規定中読み替える規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
第百条の十一第二項 | 前項 | 健康保険法第二百四条の六第一項 |
行う機構 | 行う日本年金機構(以下「機構」という。) | |
第百条の十一第三項 | 第一項 | 健康保険法第二百四条の六第一項 |
保険料等 | 保険料等(同法第二百四条の二第一項に規定する保険料等をいう。第六項において同じ。) | |
第百条の十一第五項 | 前二項 | 健康保険法第二百四条の六第二項において準用する前二項 |
第百条の十一第六項 | 前各項 | 健康保険法第二百四条の六第一項及び同条第二項において準用する第二項から前項まで |
第一項 | 同条第一項 |
(保険料等の収納期限)
第六十四条の七 機構において国の毎会計年度所属の保険料等を収納するのは、翌年度の四月三十日限りとする。
(機構による収納手続)
第六十四条の八 機構は、保険料等につき、法第二百四条の六第一項の規定による収納を行ったときは、当該保険料等の納付をした者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、領収証書を交付しなければならない。この場合において、機構は、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該収納を行った旨を年金特別会計の歳入徴収官に報告しなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する厚生労働省令を定めるときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
(帳簿の備付け)
第六十四条の九 機構は、収納職員による保険料等の収納及び当該収納をした保険料等の日本銀行への送付に関する帳簿を備え、当該保険料等の収納及び送付に関する事項を記録しなければならない。
(厚生労働省令への委任)
第六十四条の十 第六十四条の四から前条までに定めるもののほか、法第二百四条の六の規定により機構が行う収納について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する厚生労働省令を定めるときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
(機構への事務の委託に関する厚生年金保険法の規定の読替え)
第六十四条の十一 法第二百五条の二第二項の規定による厚生年金保険法の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。
厚生年金保険法の規定中読み替える規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
第百条の十第二項 | 機構 | 日本年金機構(次項において「機構」という。) |
前項各号 | 健康保険法第二百五条の二第一項各号 | |
第百条の十第三項 | 前二項 | 健康保険法第二百五条の二第一項及び同条第二項において準用する前項 |
第一項各号 | 同条第一項各号 |
(交付金)
第六十五条 法附則第二条第一項の規定により連合会が行う交付金の交付の事業は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 交付金の交付の対象となる健康保険組合は、次のいずれかに該当するものであること。
イ その所要保険料率(当該年度において各健康保険組合が行った医療に関する給付(法第五十三条に規定するその他の給付を除く。以下「医療給付」という。)並びに前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要した費用の額(出産育児交付金(前期高齢者交付金がある場合には、出産育児交付金及び前期高齢者交付金)の額を控除した額)の見込額を当該年度における当該各健康保険組合の組合員である被保険者の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額の合算額の見込額で除して得た率をいう。以下同じ。)が連合会の会員である全健康保険組合の平均の所要保険料率以上である健康保険組合であって、医療給付、保健事業及び福祉事業の実施並びに前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に係る財政の負担を軽減することが必要であると認められるもの
ロ イに掲げる健康保険組合以外の健康保険組合であって、高額な医療給付の発生、報酬の水準の低下その他医療給付、保健事業及び福祉事業の実施並びに前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に係る健康保険組合の財政状況に相当程度の影響を及ぼす要因に照らし、その影響を緩和することが必要であると認められるもの
二 交付金の交付事業の規模及び交付方法は、健康保険組合が行う事業について、健康保険組合の自主的な運営を妨げず、かつ、健康保険組合の事業努力を失わせないよう配慮されたものであること。
2 前項の基準の適用に関し必要な事項、交付金の額の算定に関し必要な事項その他交付金の交付に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
3 連合会は、前項の厚生労働省令で定めるところに従い、交付金の交付に関する細目を定めなければならない。
(拠出金)
第六十六条 法附則第二条第二項の規定により健康保険組合が連合会に対して拠出すべき拠出金の額は、各年度につき当該健康保険組合が同条第三項の規定により徴収する調整保険料の総額とする。
2 前項に定めるもののほか、拠出金の納付方法その他拠出金の拠出に関して必要な事項は、連合会が定める。
(調整保険料率)
第六十七条 法附則第二条第四項の調整保険料率は、基本調整保険料率に修正率を乗じて得た率とする。
2 前項の基本調整保険料率は、各年の三月から翌年の二月までの期間について、連合会が当該三月の属する年度の翌年度において交付する交付金の総額の見込額を当該翌年度における連合会の会員である全健康保険組合の組合員である被保険者の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額の合算額の見込額で除して得た率として厚生労働大臣が定める率とする。
3 第一項の修正率は、各健康保険組合につき、各年の三月から翌年の二月までの期間について、当該三月の属する年度において当該健康保険組合が行う医療給付並びに前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用の見込額(出産育児交付金(前期高齢者交付金がある場合には、出産育児交付金及び前期高齢者交付金)の額を控除した額)を当該年度における当該健康保険組合の組合員である被保険者の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額の合算額の見込額で除して得た率(以下この項において「見込所要保険料率」という。)の連合会の会員である全健康保険組合の平均の見込所要保険料率に対する比率を基準として、連合会が定める。ただし、厚生労働大臣の定める率を超えてはならない。
(交付金の交付に関する細目等)
第六十八条 連合会は、第六十五条第三項若しくは第六十六条第二項の規定により交付金の交付に関する細目若しくは拠出金の拠出について必要な事項を定め、若しくはこれらを変更しようとするとき、又は前条第三項の規定により修正率を定めようとするときは、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
(法附則第二条の二の規定による国庫負担)
第六十八条の二 法附則第二条の二の政令で定める組合は、第六十五条第一項第一号ロに規定する健康保険組合とする。
2 国は、毎年度、連合会に対し、当該年度における前項に規定する健康保険組合を対象とする法附則第二条第一項の交付金の交付に要する費用の一部について、当該年度の予算で定める額を負担する。
(政令で定める法人)
第六十九条 法附則第四条第一項の政令で定めるものは、次のとおりとする。
一 健康保険組合が組織されている事業所以外の事業所の事業主及び当該事業所に使用される被保険者により組織された法人であって、法附則第四条第一項に規定する給付の事業(次条において「給付事業」という。)を行うことを目的とするもの
二 前号に掲げるもののほか、同号に規定する事業主を構成員とする法人
(承認法人等の要件等)
第七十条 法附則第四条第一項の政令で定める要件は、次のとおりとする。
一 前条第一号に掲げる法人にあっては法附則第四条第一項に規定する給付以外の給付の事業を、前条第二号に掲げる法人にあっては法附則第四条第一項に規定する給付に類する給付の事業を行わないこと。
二 当該事業所に使用される被保険者の大多数が給付事業に加入するものであること。
三 給付事業に要する費用は法附則第四条第三項の規定による掛金によって充てられ、かつ、当該掛金は給付事業に要する費用以外の費用に充てられないものであること。
四 給付事業に係る経理は、他の事業に係る経理と区分して行うものであること。
五 その定款において、給付事業を廃止した場合に給付事業に係る残余の資産が健康保険に関する事業を行う法人に帰属する旨の定めがあること。
六 前各号に掲げるもののほか、給付事業が適正かつ確実に実施されるため必要なものとして厚生労働省令で定める要件を備えていること。
2 厚生労働大臣は、法附則第四条第一項の承認法人等が前項各号に掲げる要件のいずれかに該当しなくなったときは、同条第一項の承認を取り消すものとする。
(特定被保険者に関する介護保険料率の算定の特例)
第七十一条 法附則第七条第一項の規定により特定被保険者(同項に規定する特定被保険者をいう。以下同じ。)に関する保険料額を一般保険料額と介護保険料額との合算額とした健康保険組合に対する法第百六十条第十六項の規定の適用については、同項中「介護保険第二号被保険者である被保険者」とあるのは、「介護保険第二号被保険者である被保険者及び附則第七条第一項の規定によりその保険料額を一般保険料額と介護保険料額との合算額とされた同項に規定する特定被保険者」とする。
(承認健康保険組合の要件)
第七十二条 法附則第八条第一項の政令で定める要件は、介護保険第二号被保険者である被保険者(特定被保険者を含む。)に関する保険料額を一般保険料額と特別介護保険料額の合算額とすることについて当該健康保険組合の組合会において組合会議員の定数の三分の二以上の多数により議決していることとする。
(特別介護保険料額の算定の基準)
第七十三条 法附則第八条第二項の政令で定める特別介護保険料額の算定の基準は、次のとおりとする。
一 各介護保険第二号被保険者である被保険者又は特定被保険者(以下この条において「特別介護保険料負担被保険者等」という。)に係る特別介護保険料額は、次号に規定する基準介護保険料額に当該特別介護保険料負担被保険者等に係る介護保険第二号被保険者である被保険者及び被扶養者の合計数を乗じて得た額を上回るものでないこと。
二 基準介護保険料額は、次のいずれにも該当するものであること。
イ 一又は二以上の標準報酬月額の等級区分について一定の額であること。
ロ 標準報酬月額の低い等級区分に属する特別介護保険料負担被保険者等の基準介護保険料額が標準報酬月額の高い等級区分に属する特別介護保険料負担被保険者等の基準介護保険料額を上回るものでないこと。