確定給付企業年金法施行規則 第37条~第52条
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(令和6年5月27日施行)
第四章 掛金
(加入者が掛金を負担する場合の同意)
第三十七条 令第三十五条第二号の加入者の同意は、規約で定めるところにより、加入者が掛金を負担することとなるとき及び規約の変更に伴い加入者が負担する掛金の額が増加するときに得るものとする。
(掛金の額の算定方法)
第三十八条 法第五十五条第四項第二号の厚生労働省令で定める適正かつ合理的な方法は、次のとおりとする。
一 加入者の給与に類するものに一定の割合を乗ずる方法
二 加入者の性別、年齢又は加入者が資格を取得したときの年齢に応じて額を定める方法
三 加入者の給与又は給与に類するものに、加入者の性別、年齢又は加入者が資格を取得したときの年齢に応じて定めた割合を乗ずる方法
四 定額、給与に一定の割合を乗ずる方法及び前三号の方法のうち二以上の方法を組み合わせた方法
2 第四十五条第四項に規定するリスク分担型企業年金掛金額、第四十六条第一項に規定する特別掛金額、第四十六条の二第一項に規定するリスク対応掛金額、第四十七条の規定により計算される掛金の額、第五十二条第四項の規定により拠出する掛金の額及び第五十九条第一項の規定により掛金の額に追加して拠出する掛金の額は、前項の規定にかかわらず、それぞれ、第四十六条の三の規定により計算した額とする方法、第四十六条の規定により計算した額とする方法、第四十六条の二の規定により計算した額とする方法、第四十七条の規定により当該償却が次回の財政再計算のときに完了するように計算された額とする方法、第五十二条第四項の規定により数理債務の額から契約者価額を控除した額とする方法又は第五十九条第一項に規定する上回る額とする方法により算定することができる。
(上場株式による掛金の納付)
第三十九条 令第三十六条第二号に規定する掛金の額は、第四十五条第三項に規定する補足掛金額とする。
(納付する株式の価額の算定方法)
第四十条 令第三十六条第三号に規定する株式の価額は、株式の銘柄ごとに、当該株式が上場されている証券取引所の開設する市場における基準日(当該株式による納付に係る受渡日(以下「受渡日」という。)前二日間のうち当該事業主が定める日をいう。以下この条において同じ。)の当該株式の最終価格(基準日が当該証券取引所の開設する市場の取引日(以下この条及び次条において「取引日」という。)でないときは、基準日前直近の取引日の最終価格)に相当する額に、納付に係る当該株式の数を乗じて得た額の合計額とする。
(既運用株式等の価額等の算定方法)
第四十一条 令第三十六条第四号に規定する既運用株式の価額及び当該確定給付企業年金に係る資産の総額は、受渡日の属する月の前月の末日(当該日が取引日でないときは、当該末日前直近の取引日。次条において同じ。)の時価による算定額とする。
(既運用株式等の株式数)
第四十二条 令第三十六条第五号に規定する当該確定給付企業年金に係る既運用株式の数及び発行済みの株式の総数は、受渡日の属する月の前月の末日の株式数とする。
(掛金の額の計算に用いる基礎率及び財政悪化リスク相当額)
第四十三条 法第五十七条に規定する掛金の額は、予定利率、予定死亡率、予定脱退率その他の通常予測給付額の算定の基礎となる率(以下「基礎率」という。)及び通常の予測を超えて財政の安定が損なわれる危険に対応する額として厚生労働大臣の定めるところにより算定した額(以下「財政悪化リスク相当額」という。)に基づき計算されるものとする。
2 基礎率は、次のとおり定められるものとする。
一 予定利率は、積立金の運用収益の長期の予測に基づき合理的に定められるものとする。ただし、国債の利回りを勘案して厚生労働大臣が定める率を下回ってはならない。
二 予定死亡率は、加入者等及びその遺族の性別及び年齢に応じた死亡率として厚生労働大臣が定める率(以下「基準死亡率」という。)とする。ただし、当該確定給付企業年金の加入者等及びその遺族の死亡の実績及び予測に基づき、次の各号に掲げる加入者、加入者であった者又はその遺族の区分に応じ、当該各号に定める範囲内で定めた率を基準死亡率に乗じたものとすることができる。
イ 加入者 零以上
ロ 男子であって、加入者であった者又はその遺族(ニに掲げる者を除く。) 〇・七二以上一・〇以下
ハ 女子であって、加入者であった者又はその遺族(ニに掲げる者を除く。) 〇・七二以上一・〇以下
ニ 障害給付金の受給権者(イに掲げる者を除く。) 一・〇以上
三 予定脱退率は、当該確定給付企業年金の加入者の脱退の実績(原則として、計算基準日の属する事業年度の前三事業年度の全部を含む三年以上の期間における実績とする。)及び予測に基づき定められるものとする。
四 その他の基礎率は、当該確定給付企業年金における実績及び予測に基づき定められるものとする。
3 基礎率及び財政悪化リスク相当額は、財政計算ごとに定められるものとする。ただし、前回の財政計算において定めた基礎率(予定利率及び予定死亡率を除く。)のうち継続して用いることが適切なものがある場合には、当該基礎率を継続して用いることができる。
(次回の財政再計算までに発生する積立不足の予想額)
第四十四条 前条の規定に基づき掛金の額を計算する場合において、次に掲げる事情によって、次回の財政再計算までの間に積立金の額が法第六十条第二項に規定する責任準備金の額(以下「責任準備金の額」という。)又は同条第三項に規定する最低積立基準額(以下「最低積立基準額」という。)を下回ることが予想される場合にあっては、当該下回ることが予想される額のうちいずれか大きい額の現価を前条の規定に基づき計算した通常予測給付額の現価に相当する額に加算することができる。
一 積立金の運用利回りの予測が前条第二項第一号の予定利率よりも低いこと。
二 加入者の数が一時的に著しく変動することが見込まれること。
三 加入者の給与の額その他これに類するものが一時的に著しく変動することが見込まれること。
(掛金の額の計算に関する基準)
第四十五条 掛金の額は、標準掛金額、補足掛金額その他の掛金の額に区分して定められなければならない。ただし、リスク分担型企業年金にあっては、リスク分担型企業年金掛金額、その他の掛金の額に区分して定められなければならない。
2 前項の標準掛金額とは、給付に要する費用(第四十三条の規定に基づき計算した通常予測給付額のうち計算基準日後の加入者であった期間となると見込まれる期間に係るものに限る。第二号において同じ。)に充てるため事業主が拠出する掛金の額であって、原則として、将来にわたって平準的に、かつ、加入者となる者に係る第一号の額が第二号の額を下回らないように定められる掛金の額をいう。
一 標準掛金額の予想額の現価に相当する額
二 給付に要する費用の通常の予測に基づく予想額の現価に相当する額
3 第一項の補足掛金額とは、掛金の額が法第五十七条の基準に適合するために標準掛金額に追加して事業主が拠出する掛金の額をいう。
4 第一項のリスク分担型企業年金掛金額とは、給付に要する費用に充てるため事業主が拠出する額であって、第四十六条の三の規定に基づき定められる掛金の額をいう。
(特別掛金額)
第四十六条 前条第一項の補足掛金額のうち過去勤務債務の額(第四十三条の規定に基づき計算した通常予測給付額の現価に相当する額から標準掛金額の予想額の現価に相当する額と積立金の額を合算した額を控除した額をいう。以下同じ。)に係る掛金の額(以下「特別掛金額」という。)は、次のいずれかの方法により計算されなければならない。
一 過去勤務債務の額を三年以上二十年以内の範囲内においてあらかじめ規約で定めた期間(以下「予定償却期間」という。)で均等に償却する方法
二 前号の方法で計算した特別掛金額(以下この号において「下限特別掛金額」という。)及び次の表の上欄に掲げる予定償却期間ごとに同表の下欄に掲げる最短期間を予定償却期間として前号の方法で計算した特別掛金額(以下この号において「上限特別掛金額」という。)を規約で定め、併せて、毎事業年度の特別掛金額を下限特別掛金額以上、上限特別掛金額以下の範囲内において規約で定める方法
予定償却期間 | 最短期間 |
五年未満 | 三年 |
五年以上七年未満 | 四年 |
七年以上九年未満 | 五年 |
九年以上十一年未満 | 六年 |
十一年以上十三年未満 | 七年 |
十三年以上十四年未満 | 八年 |
十四年以上十五年未満 | 九年 |
十五年以上 | 十年 |
三 過去勤務債務の額に百分の十五以上百分の五十以下の範囲内において規約で定めた一定の割合を乗じて償却する方法(毎事業年度の特別掛金額を規約で定めることとし、過去勤務債務の額が当該事業年度の標準掛金額以下となるときは、当該過去勤務債務の額の全部を当該特別掛金額とすることができるものとする。)
四 予定償却期間において、次に掲げる要件を満たすように特別掛金額を定めて償却する方法
イ 特別掛金額は、過去勤務債務の額の償却開始後五年を経過するまでの間に定期的かつ引上げ額が経年的に大きくならない方法で、段階的に引き上げられるものであること。
ロ 特別掛金額の予想額の現価に相当する額が過去勤務債務の額を下回らないこと。
ハ 予定償却期間中の各期間における特別掛金額について、あらかじめ規約に定めていること。
2 前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額の償却が完了していない場合(次項に規定する場合を除く。)にあっては、前項第一号、第二号及び第四号の規定に基づく特別掛金額は、次のいずれかの方法により計算されなければならない。ただし、前回の財政計算において前項第四号の方法で特別掛金額を計算した場合にあっては、第一号又は第三号のいずれかの方法で計算されるものとする。
一 前回の財政計算において計算した特別掛金額と今回の財政計算で新たに発生した過去勤務債務の額について前項の規定に基づき計算した額とを合算した額とする方法
二 前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額の償却が償却開始後二十年を経過するまでに完了するように予定償却期間の変更を行い計算した額と、今回の財政計算で新たに発生した過去勤務債務の額について前項の規定に基づき計算した額とを合算した額とする方法
三 前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額のうち償却されていない額と今回の財政計算で新たに発生した過去勤務債務の額を合算した額について、前項の規定に基づき合理的に計算した額とする方法(当該特別掛金額が前回の財政計算において計算した特別掛金額を下回っていない場合に限る。)
3 前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額の償却が完了していない場合であって、今回の財政計算において発生した過去勤務債務の額が前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額のうち償却されていない額を下回るときは、第一項第一号、第二号及び第四号の規定に基づく特別掛金額は、今回の財政計算において発生した過去勤務債務の額についてこれらの規定に基づき合理的に計算した額とする方法により計算されなければならない。この場合において、今回の財政計算において発生した過去勤務債務の額の償却が完了する日は、前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額の償却が完了することとしていた日後の日としてはならず、前回の財政計算において定めた予定償却期間の残存期間が三年に満たないときは、第一項第一号の規定にかかわらず、予定償却期間を当該残存期間としなければならない。
4 第二項第三号の方法で特別掛金額を計算しようとする場合であって、前回の財政計算において定めた予定償却期間の残存期間が三年に満たないときは、前回の財政計算において定めた特別掛金額に今回の財政計算で新たに発生した過去勤務債務の額を三年で償却するとした場合の特別掛金額を加算した額を上回らない範囲内で特別掛金額を定めることができる。この場合においては、第一項第一号の規定にかかわらず、予定償却期間を三年未満とすることができる。
5 今回の財政計算において第四十三条第二項第一号に規定する予定利率を引き下げる場合にあっては、特別掛金額は、第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる額を合算した額とすることができる。この場合において、第一号に掲げる額の計算に係る第一項第一号、第二号又は第四号の規定の適用については、予定償却期間を三年以上三十年以内の範囲内においてあらかじめ規約で定めた期間とする。
一 今回の財政計算において計算した数理債務の額から前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額のうち償却されていない額を控除した額から、当該予定利率を引き下げないものとして計算した数理債務の額から前回の財政計算において発生した過去勤務債務の額のうち償却されていない額を控除した額を控除して得た額の全部又は一部(当該額が今回の財政計算で新たに発生した過去勤務債務の額を超える場合には、当該今回の財政計算で新たに発生した過去勤務債務の額とする。以下次号及び第六項において「予定利率引下げによる過去勤務債務の額」という。)について、第一項第一号、第二号又は第四号の規定に基づき計算した額
二 過去勤務債務の額から予定利率引下げによる過去勤務債務の額を控除した額について、第一項から前項までのいずれかの規定に基づき計算した額
6 前回の財政計算において計算した予定利率引下げによる過去勤務債務の額の償却が完了していない場合にあっては、特別掛金額は、第二項及び第三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる額を合算した額とすることができる。
一 前回の財政計算において計算した特別掛金額のうち、予定利率引下げによる過去勤務債務の額に係る部分の額
二 今回の財政計算において発生した過去勤務債務の額から前回の財政計算において計算した予定利率引下げによる過去勤務債務の額のうち償却されていない額を控除した額について、第一項から第四項までのいずれかの規定に基づき計算した額
(リスク対応掛金額)
第四十六条の二 第四十五条第一項の補足掛金額のうち財政悪化リスク相当額に係る掛金の額(以下「リスク対応掛金額」という。)は次の各号のいずれかの方法により計算されなければならない。
一 財政悪化リスク相当額から対応前リスク充足額(積立金の額並びに標準掛金額及び特別掛金額の予想額の現価に相当する額を合算した額から通常予測給付額の現価に相当する額を控除した額(当該額が零未満となる場合にあっては零とする。)をいう。)を控除した額(当該額が零未満となる場合にあっては零とする。)の範囲内において、あらかじめ計画的に掛金を拠出することが適当であるものとして規約で定める額(以下「リスク対応額」という。)を五年以上二十年以内の範囲内においてあらかじめ規約で定めた期間(以下「予定拠出期間」という。)で均等に拠出する方法
二 前号の方法で計算したリスク対応掛金額(以下この号において「下限リスク対応掛金額」という。)及び次の表の上欄に掲げる予定拠出期間ごとに同表の下欄に掲げる最短期間を予定拠出期間として前号の方法で計算したリスク対応掛金額(以下この号において「上限リスク対応掛金額」という。)を規約で定め、併せて、毎事業年度のリスク対応掛金額を下限リスク対応掛金額以上、上限リスク対応掛金額以下の範囲内において規約で定める方法
予定拠出期間 | 最短期間 |
九年未満 | 五年 |
九年以上十一年未満 | 六年 |
十一年以上十三年未満 | 七年 |
十三年以上十四年未満 | 八年 |
十四年以上十五年未満 | 九年 |
十五年以上 | 十年 |
三 リスク対応額(既にリスク対応掛金額として拠出した部分の額を除く。以下この号において同じ。)に百分の十五以上百分の五十以下の範囲内において規約で定めた一定の割合を乗じて拠出する方法(毎事業年度のリスク対応掛金額を規約で定めることとし、リスク対応額が当該事業年度の標準掛金額以下となるときは、当該リスク対応額の全部をリスク対応掛金額とすることができるものとする。)
四 予定拠出期間において、次に掲げる要件を満たすようにリスク対応掛金額を定めて拠出する方法
イ リスク対応掛金額は、拠出開始後五年を経過するまでの間に定期的かつ引上げ額が経年的に大きくならない方法で、段階的に引き上げられるものであること。
ロ リスク対応掛金額の予想額の現価に相当する額がリスク対応額を上回らないこと。
ハ 予定拠出期間中の各期間におけるリスク対応掛金額について、あらかじめ規約に定めていること。
2 リスク対応掛金額の拠出が完了していない場合であって、次の各号に掲げる場合に該当することとなったときには、当該各号に定めるところによりリスク対応掛金額を変更することができる。
一 財政計算を行い、新たに過去勤務債務の額が発生する場合 増加する特別掛金額の予想額の現価に相当する額がリスク対応掛金額の予想額の現価に相当する額の減少額を下回らない範囲内でリスク対応掛金額を減少させること。
二 第五十条各号に掲げる場合(同条第四号ニに掲げる場合を除く。) 前項の規定に従い、リスク対応掛金額を計算すること。
三 法第五十八条第一項の規定に基づく財政再計算において、財政悪化リスク相当額から対応後リスク充足額(積立金の額と標準掛金額、特別掛金額及び当該財政再計算による変更前のリスク対応掛金額の予想額の現価を合算した額から通常予測給付額の現価に相当する額を控除した額(当該額が零未満となる場合にあっては零とする。)をいう。次項において同じ。)を控除した額(当該額が零未満となる場合にあっては零とする。)が、前項の規定に基づきリスク対応掛金額を計算したとき(リスク対応掛金額を変更した場合にあっては、当該変更のうちの直前の変更をしたとき)から増加する場合 当該増加した額を上回らない範囲で同項第一号のリスク対応額を定め、同項の規定に基づき計算したリスク対応掛金額に相当する額を変更前のリスク対応掛金額に加算すること。
3 法第五十八条第一項の規定に基づく財政再計算において、対応後リスク充足額が財政悪化リスク相当額を上回ることとなる場合には、上回らないようにリスク対応掛金額を減少させ、又はリスク対応掛金額の拠出を終了しなければならない。
4 特別掛金額の予定償却期間の残存期間はリスク対応掛金額の予定拠出期間の残存期間より短い期間でなければならない。
(リスク分担型企業年金掛金額)
第四十六条の三 リスク分担型企業年金を実施するとき又はリスク分担型企業年金を実施している場合であって給付の設計を変更するとき(掛金の額に係る規約の変更を行う場合に限る。)におけるリスク分担型企業年金掛金額は、当該リスク分担型企業年金の掛金の額を第四十五条第一項の標準掛金額、補足掛金額その他の掛金の額に区分して定めることとしたならば当該実施又は当該変更による財政計算において計算されることとなる標準掛金額と補足掛金額とを合算した額とする方法により計算されなければならない。
2 リスク分担型企業年金掛金額を再計算する場合(前項の規定が適用される場合を除く。)におけるリスク分担型企業年金掛金額は、次の各号のいずれかの方法により計算されなければならない。
一 リスク分担型企業年金掛金額のうち前項の計算されることとなる標準掛金額について、当該計算されることとなる標準掛金額に係る第三十八条第一項第一号、第三号若しくは第四号の割合又は同項第二号の額を増加又は減少させる方法
二 当該再計算において計画的に掛金を拠出することが適当である額として規約で定める額を前条第一項第一号のリスク対応額とみなして同号の方法により計算した額を追加して拠出する方法
三 前二号の方法を組み合わせた方法
3 前二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事由によりリスク分担型企業年金掛金額を再計算する場合には、当該各号に定める事業主のリスク分担型企業年金掛金額は、第一項の計算されることとなる標準掛金額と当該リスク分担型企業年金の掛金の額を第四十五条第一項の標準掛金額、補足掛金額その他の掛金の額に区分して定めることとしたならば次の各号に掲げる事由による財政計算において計算されることとなる補足掛金額を合算した額とすることができる。
一 法第七十六条第一項の規定による基金の合併 当該合併により増加する実施事業所の事業主
二 法第七十八条第一項の規定による実施事業所の増加 当該増加する実施事業所の事業主
三 法第七十九条第二項の規定による他の確定給付企業年金の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の承継 当該加入者等を使用し、又は使用することとなった実施事業所の事業主
四 法第八十条第二項の規定による加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の承継 当該加入者等を使用し、又は使用することとなった実施事業所の事業主
五 法第八十一条第二項の規定による加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の承継 当該加入者等を使用し、又は使用することとなった実施事業所の事業主
六 中小企業退職金共済法第十七条第一項の規定による資産管理運用機関等への解約手当金に相当する額の引渡し 当該引渡しに関する申出に係る共済契約者であった事業主
七 中小企業退職金共済法第三十一条の四第一項の規定による資産管理運用機関等への解約手当金に相当する額の移換 当該移換に関する申出に係る共済契約者であった事業主
(次回の財政再計算までに発生する積立不足の予想額の償却)
第四十七条 第四十五条第一項の補足掛金額のうち第四十四条に規定する次回の財政再計算までの間において積立金の額が責任準備金の額又は最低積立基準額を下回ることが予想される額のうちいずれか大きい額を償却するための掛金の額は、規約で定めるところにより、当該償却が次回の財政再計算のときに完了するように計算されるものとする。
(積立金の額の評価の方法)
第四十八条 掛金の額を計算する場合の積立金の額の評価は、規約で定めるところにより、次のいずれかの方法により行うものとする。
一 時価により評価する方法
二 あらかじめ定めた過去の一定期間における時価により評価した積立金の額を用いて、時価の短期的な変動を緩和する方法
三 前二号の額のいずれか小さい額とする方法
2 前項の積立金の額の評価の方法は、次の場合を除き、継続して用いなければならない。
一 第五十条各号に掲げる場合に該当することにより、積立金の額又は責任準備金の額が著しく増加又は減少することとなる場合
二 令第四十五条第一項に規定する基本方針(以下「基本方針」という。)を大幅に見直した場合
三 その他積立金の額の評価の方法を変更する合理的な理由がある場合
(財政計算の計算基準日)
第四十九条 財政計算における掛金の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日を計算基準日として計算されるものとする。
一 法第三条第一項の規定により確定給付企業年金を実施しようとする場合 当該確定給付企業年金を実施しようとする日前一年以内のいずれかの日
二 法第七十四条第一項の規定により規約型企業年金を他の規約型企業年金と統合する場合、法第七十五条第一項の規定により規約型企業年金を分割する場合、法第七十六条第三項若しくは法第七十七条第四項の規定により合併若しくは分割によって基金を設立する場合又は法第八十条第二項若しくは法第八十一条第二項の規定により給付の支給に関する権利義務を承継する場合(規約型企業年金を実施することとなる場合又は基金を設立することとなる場合であって、給付の支給に関する権利義務の承継に係る確定給付企業年金の掛金の額を給付の支給に関する権利義務の移転に係る確定給付企業年金の掛金の額と異なるものとする場合に限る。) 当該確定給付企業年金を実施することとなる日(以下この号において「制度施行日」という。)前一年以内のいずれかの日又は当該制度施行日の前日において実施されていた確定給付企業年金の事業年度の末日(制度施行日前一年六月以内の日に限る。)
三 法第五十八条第一項の規定により財政再計算を行う場合 当該財政再計算の結果に基づいて掛金の額を算定することとなる日の前一年以内のいずれかの日
四 次条各号に掲げる場合 当該財政再計算の結果に基づいて掛金の額を算定することとなる日(以下この号において「適用日」という。)の前一年以内のいずれかの日又は適用日の前日において実施されていた確定給付企業年金の事業年度の末日(適用日前一年六月以内の日に限る。)
(財政再計算を行う場合)
第五十条 法第五十八条第二項の厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとする。
一 法第七十六条第一項の規定により基金を合併する場合(同条第三項の規定により合併により基金を設立する場合を除く。)
二 法第七十七条第一項の規定により基金を分割する場合(同条第四項の規定により分割により基金を設立する場合を除く。)
三 法第八十条第二項又は法第八十一条第二項の規定により加入者等に係る給付の支給に関する権利義務を承継する場合(新たに規約型企業年金を実施することとなる場合又は新たに基金を設立することとなる場合を除く。)
四 次に掲げる場合(掛金の額に係る規約の変更を行う必要がない場合を除く。)
イ 加入者の数が前回の財政計算の計算基準日における加入者の数に比べて著しく増加又は減少した場合
ロ 加入者の資格又は給付の設計を変更する場合
ハ 法第七十九条第一項又は第二項の規定により加入者等に係る給付の支給に関する権利義務を移転又は承継する場合
ニ 過去勤務債務の額の予定償却期間を短縮しようとする場合又は第四十六条第一項第三号の一定の割合を増加させようとする場合
ホ その他当該確定給付企業年金に係る事情に著しい変動があった場合
(財政再計算の報告)
第五十一条 事業主等が財政再計算を行った場合には、第百十六条第一項第三号に規定する財政再計算報告書を、当該財政再計算において計算した掛金の額に係る規約の変更を行う必要がある場合にあっては当該規約の変更の承認又は認可の申請書(第七条第一項第五号に掲げる事項の変更の場合にあっては届書)に、規約の変更を行う必要がない場合にあっては計算基準日の属する事業年度の翌事業年度の法第百条第一項に規定する事業及び決算に関する報告書にそれぞれ添付して、厚生労働大臣(当該規約の変更の承認若しくは届出又は当該報告書の提出に関する権限が第百二十一条の規定により地方厚生局長等に委任されている場合にあっては、地方厚生局長等)に提出しなければならない。
(簡易な基準に基づく確定給付企業年金の掛金の額の算定)
第五十二条 計算基準日における加入者の数が五百人に満たない確定給付企業年金(受託保証型確定給付企業年金を除く。)の掛金の額は、第四十三条の規定にかかわらず、次に定めるところにより計算することができる。
一 基礎率のうち予定利率及び予定死亡率のみを用いること。ただし、給付の額が令第二十四条第一項第三号の方法により計算される場合(第二十五条の規定により令第二十四条第一項第三号の方法を組み合わせている場合を含む。)にあっては、同号の再評価に用いる指標の予測を用いること。
二 予定利率は、下限予定利率以上四・〇パーセント以下の範囲内とすること。
三 予定死亡率は、第六十二条第一号ロに規定する予定死亡率とすること。
四 令第二十四条第三項の給付の額の改定を行わないこと。
五 障害給付金を支給しないこと。
六 遺族給付金を支給する場合にあっては、当該遺族給付金の額は、老齢給付金の保証期間の残存期間について支給する給付の現価に相当する金額又は脱退一時金(法第二十九条第一項第二号に規定する脱退一時金をいう。以下同じ。)の額以下となっていること。
2 受託保証型確定給付企業年金(閉鎖型受託保証型確定給付企業年金を除く。)の掛金の額は、第四十三条の規定にかかわらず、契約者価額の計算に用いる予定利率及び予定死亡率を用い、前項第一号、第五号及び第六号に規定するところにより計算することができる。
3 閉鎖型受託保証型確定給付企業年金の掛金の額は、第四十三条の規定にかかわらず、契約者価額の計算に用いる予定利率及び予定死亡率を用い、第一項第一号及び第四号から第六号までに規定するところにより計算することができる。
4 事業主等が規約の変更を行い、受託保証型確定給付企業年金を実施する場合には、第四十六条の規定にかかわらず、数理債務の額から契約者価額を控除した額を特別掛金額として一括して拠出することができる。