労働者協同組合法施行規則 第21条~第32条
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(令和4年10月1日施行)
第三章 管理
第三節 決算関係書類
第二款 貸借対照表
(通則)
第二十一条 貸借対照表(法第五十一条第一項(法第百十八条第二項において準用する場合を含む。)に規定する組合又は連合会の成立の日における貸借対照表及び各事業年度ごとに組合又は連合会が作成すべき貸借対照表(法第五十一条第二項(法第九十四条第二項及び第百十八条第二項において準用する場合を含む。)に規定する貸借対照表をいう。)をいう。以下この章、次章(第七十五条第三号及び第七十九条を除く。)及び第八十四条第一項第二号において同じ。)については、この款の定めるところによる。
(貸借対照表の区分)
第二十二条 貸借対照表は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。
一 資産
二 負債
三 純資産
2 資産の部又は負債の部の各項目は、当該項目に係る資産又は負債を示す適当な名称を付さなければならない。
(資産の部の区分)
第二十三条 資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目(第二号に掲げる項目を除く。)は、適当な項目に細分しなければならない。
一 流動資産
二 固定資産
三 繰延資産
2 固定資産に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。
一 有形固定資産
二 無形固定資産
三 外部出資その他の資産
3 次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。
一 次に掲げる資産 流動資産
イ 現金及び預金(一年内に期限の到来しない預金を除く。)
ロ 受取手形(通常の取引(当該組合又は連合会の事業目的のための活動において、経常的に又は短期間に循環して発生する取引をいう。)に基づいて発生した手形債権(破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものを除く。)をいう。)
ハ 売掛金(通常の取引に基づいて発生した事業上の未収金(当該未収金に係る債権が破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものである場合における当該未収金を除く。)をいう。)
ニ 売買目的有価証券(時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。以下同じ。)及び一年内に満期の到来する有価証券
ホ 商品(販売の目的をもって所有する土地、建物その他の不動産を含む。)
ヘ 製品、副産物及び作業くず
ト 半製品(自製部分品を含む。)
チ 原料及び材料(購入部分品を含む。)
リ 仕掛品及び半成工事
ヌ 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品であって、相当な価額以上のもの
ル 前渡金(商品、原材料等の購入のための前渡金(当該前渡金に係る債権が破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものである場合における当該前渡金を除く。)をいう。)
ヲ 前払費用であって、一年内に費用となるべきもの
ワ 未収収益
カ その他の資産であって、一年内に現金化できると認められるもの
二 次に掲げる資産(ただし、イからトまでに掲げる資産については、事業の用に供するものに限る。) 有形固定資産
イ 建物及び暖房、照明、通風等の付属設備
ロ 構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。)
ハ 機械及び装置並びにホイスト、コンベヤー、起重機等の搬送設備その他の付属設備
ニ 船舶及び水上運搬具
ホ 鉄道車両、自動車その他の陸上運搬具
ヘ 工具、器具及び備品(耐用年数一年以上のものに限る。)
ト 土地
チ 建設仮勘定(イからトまでに掲げる資産で事業の用に供するものを建設した場合における支出及び当該建設の目的のために充当した材料をいう。)
リ その他の有形資産であって、有形固定資産に属する資産とすべきもの
三 次に掲げる資産 無形固定資産
イ 特許権
ロ 借地権(地上権を含む。)
ハ 商標権
ニ 実用新案権
ホ 意匠権
ヘ 鉱業権
ト 漁業権(入漁権を含む。)
チ ソフトウェア
リ その他の無形資産であって、無形固定資産に属する資産とすべきもの
四 次に掲げる資産 外部出資その他の資産
イ 外部出資(事業遂行上の必要に基づき保有する法人等の株式及び持分その他これらに準ずるものをいう。以下同じ。)
ロ 長期保有有価証券(満期保有目的の債券(満期まで所有する意図をもって保有する債券であって満期まで所有する意図をもって取得したものをいう。以下同じ。)その他の流動資産又は外部出資に属しない有価証券をいう。)
ハ 長期前払費用
ニ 繰延税金資産(税効果会計(貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等(法人税、住民税及び事業税(利益に関連する金額を課税標準として課される事業税をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。以下同じ。)の適用により資産として計上される金額をいう。第三十一条において同じ。)
ホ その他の資産であって、外部出資その他の資産に属する資産とすべきもの
ヘ その他の資産であって、流動資産、有形固定資産、無形固定資産又は繰延資産に属しないもの
五 繰延資産として計上することが適当であると認められるもの 繰延資産
4 前項第一号に規定する「一年内」とは、次の各号に掲げる貸借対照表の区分に応じ、当該各号に定める日から起算して一年以内の日をいう(次条第二項において同じ。)。
一 成立の日における貸借対照表 組合又は連合会の成立の日
二 事業年度に係る貸借対照表 事業年度の末日の翌日
(負債の部の区分)
第二十四条 負債の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。
一 流動負債
二 固定負債
2 次の各号に掲げる負債は、当該各号に定めるものに属するものとする。
一 次に掲げる負債 流動負債
イ 支払手形(通常の取引に基づいて発生した手形債務をいう。)
ロ 買掛金(通常の取引に基づいて発生した事業上の未払金をいう。)
ハ 前受金(受注工事、受注品等に対する前受金をいう。)
ニ 引当金(資産に係る引当金及び一年内に使用されないと認められるものを除く。)
ホ 短期借入金(一年内に返済されると認められる借入金をいう。)
ヘ 通常の取引に関連して発生する未払金又は預り金で一般の取引慣行として発生後短期間に支払われるもの
ト 未払法人税等(法人税、住民税及び事業税の未払額をいう。)
チ 未払費用
リ 前受収益
ヌ その他の負債であって、一年内に支払又は返済されると認められるもの
二 次に掲げる負債 固定負債
イ 長期借入金(一年内に返済されないと認められる借入金をいう。)
ロ 引当金(資産に係る引当金及び前号ニに掲げる引当金を除く。)
ハ 繰延税金負債(税効果会計の適用により負債として計上される金額をいう。第三十一条において同じ。)
ニ その他の負債であって、流動負債に属しないもの
(純資産の部の区分)
第二十五条 純資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
一 組合員資本(連合会にあっては、会員資本とする。次項において同じ。)
二 評価・換算差額等
2 組合員資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、第二号に掲げる項目は、控除項目とする。
一 出資金
二 未払込出資金
三 資本剰余金
四 利益剰余金
3 資本剰余金に係る項目は、適当な名称を付した項目に細分することができる。
4 利益剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
一 利益準備金(法第七十六条第一項に規定する準備金をいう。以下同じ。)
二 就労創出等積立金(法第七十六条第四項に規定する積立金をいう。第四十三条第四項第二号において同じ。)
三 教育繰越金(法第七十六条第五項に規定する繰越金をいう。第四十三条第四項第三号において同じ。)
四 その他利益剰余金
5 前項第四号に掲げる項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
一 組合積立金
二 当期未処分剰余金(又は当期未処理損失金)
6 前項第一号に掲げる項目は、その内容を示す適当な名称を付した科目に細分しなければならない。
7 第五項第二号に掲げる項目については、当期剰余金又は当期損失金を付記しなければならない。
8 評価・換算差額等に係る項目は、その他有価証券評価差額金(純資産の部に計上されるその他有価証券(売買目的有価証券、満期保有目的の債券及び子会社の株式以外の有価証券をいう。)の評価差額をいう。)その他適当な名称を付した項目に細分しなければならない。
(貸倒引当金等の表示)
第二十六条 各資産に係る引当金は、次項の規定による場合のほか、当該各資産の項目に対する控除項目として、貸倒引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した項目をもって表示しなければならない。ただし、流動資産、有形固定資産、無形固定資産、外部出資その他の資産又は繰延資産の区分に応じ、これらの資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。
2 各資産に係る引当金は、当該各資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各資産の金額として表示することができる。
(有形固定資産に対する減価償却累計額の表示)
第二十七条 各有形固定資産に対する減価償却累計額は、次項の規定による場合のほか、当該各有形固定資産の項目に対する控除項目として、減価償却累計額の項目をもって表示しなければならない。ただし、これらの有形固定資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。
2 各有形固定資産に対する減価償却累計額は、当該各有形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示することができる。
(有形固定資産に対する減損損失累計額の表示)
第二十八条 各有形固定資産に対する減損損失累計額は、次項及び第三項の規定による場合のほか、当該各有形固定資産の金額(前条第二項の規定により有形固定資産に対する減価償却累計額を当該有形固定資産の金額から直接控除しているときは、その控除後の金額)から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示しなければならない。
2 減価償却を行う各有形固定資産に対する減損損失累計額は、当該各有形固定資産の項目に対する控除項目として、減損損失累計額の項目をもって表示することができる。ただし、これらの有形固定資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。
3 前条第一項及び前項の規定により減価償却累計額及び減損損失累計額を控除項目として表示する場合には、減損損失累計額を減価償却累計額に合算して、減価償却累計額の項目をもって表示することができる。
(無形固定資産の表示)
第二十九条 各無形固定資産に対する減価償却累計額及び減損損失累計額は、当該各無形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各無形固定資産の金額として表示しなければならない。
(外部出資の表示)
第三十条 外部出資は、子会社出資(子会社の株式(売買目的有価証券に該当する株式を除く。)又は持分をいう。)の項目をもって別に表示しなければならない。
(繰延税金資産の表示)
第三十一条 繰延税金資産の金額及び繰延税金負債の金額については、その差額のみを繰延税金資産又は繰延税金負債として外部出資その他の資産又は固定負債に表示しなければならない。
(繰延資産の表示)
第三十二条 各繰延資産に対する償却累計額は、当該各繰延資産の金額から直接控除し、その控除残高を各繰延資産の金額として表示しなければならない。