WBGT値実測 重点的に啓発 厚労省が熱中症対策
2021.03.31
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は、職場の熱中症予防対策を徹底するため、5~9月の期間「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施する。労働災害防止団体などと連携し、事業場への熱中症予防に関する周知啓発を行うもので、今年は場所を問わず学べるオンライン教育用ツールを拡充するという。「WBGT値の実測とその結果を踏まえた対策の実施」と「熱中症が疑われる場合における適切かつ速やかな対応」について重点的に呼びかける方針。
「2020年職場における熱中症による死傷災害の発生状況(速報値)」によれば、死亡を含む休業4日以上の死傷者は919人、このうち死亡者は19人となっている。業種別にみると、死傷者数は、建設業201件、製造業190件となり、全体の4割強がこの2業種で占められている。死亡者数は、製造業、建設業、清掃・と畜業の順に多かった。「休ませて様子を見ていたところ容態が急変した」「倒れているところを発見された」など、管理が適切になされておらず被災者の救急搬送が遅れた事例が含まれていたという。
また、入職直後や夏季休暇明けで熱順化が十分でないとみられる事例、WBGT値を実測せず、WBGT基準値に応じた措置が講じられていなかった事例なども確認されている。
2021年4月1日第2375号 掲載