【特集2】災害実例と対策 画像で共有へ 巻き込まれの怖さを学ぶ 日塗工がウェブに公開
一般社団法人日本塗料工業会は、効果的な安全教育を促進するため、画像などを豊富に用いて「はさまれ、巻き込まれ」「切れ、こすれ」「有害物との接触」など類型別に整理した災害事例と安全対策をウェブ上で公開している。関係者を含む多くの人々に情報共有を促すと同時に、現場においてタブレットなどで容易に活用できるようにする狙いがある。ビニール袋に入れた顔料を撹拌投入中に、ビニール袋がディスパーシャフトに巻き込まれて左腕が負傷したケースなどが典型だという。タンク上部に柵を設けたり、仕込み口に網状のカバーを行うなどの対策例も示しており、労災の怖さだけでなく改善に向けた取組みに役立ててもらう。
実際の怖さ分からない
日本塗料工業会には、塗料メーカー23社から構成される安全環境委員会がある。年に5回の頻度で開催しており、塗料業界で働く人々の安全に関するさまざまな情報を収集し、課題解決に取り組んでいる。
その下部組織である安全基準検討ワーキンググループ(WG)では、これまで労働災害対策に関する冊子を作成するなど安全意識の底上げを図ってきた。爆発事故につながる恐れがある静電気対策に特化したものなどテーマは多岐にわたる。
今回の災害事例と安全対策のウェブ公開へと至る流れは、2018年からWGで具体的な議論が始まったという。
同工業会の安達順之製品安全部長(取材当時は安全環境部長)によると、これまでの事故事例報告では、事例の紹介が主で具体的対策まで踏み込んでいなかったこと、また安全教育は座学が中心で実際の怖さが分からないといった問題点があったという。加えて、実際にどのような対策が取られたかという部分までをフォローすることが重要だった。
「まず一つ目は、…
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