【新春特集】現場を見なきゃ安全は語れないね 柳亭金車師匠の「安全落語」論
安全落語の第一人者として、安全大会の講師を務める柳亭金車師匠。必ず作業現場に足を運び、いいところを探してそれをネタにして話す。これまで、見て回った現場は1000カ所を超えるというから驚きだ。しかも自費で回っている。そんな金車師匠に独自の「安全落語」論を語ってもらった。
見学はいいところを探すため
――安全というと、生まじめで冗談のきかない分野というイメージがあります。その対極にあるというわけではないですが、落語の世界は人情の機微とか、こっけいな部分とかを笑いのうちに語り聞かせるところに妙味があります。そのおもしろさと安全をどう結びつけるか、師匠の「安全落語論」をお話いただければと思います。
金車師匠:それで言うとね、私の場合は落語じゃないんですよ。着物は着てるけど、講演のスタイルなんですよ。黒板使ってね、使わなくてもいいんだけど、使ったほうがカッコいいから使うんですけどもね。着物を着てると隠れみのになってね、かなり本音をしゃべっても、落語だと思われるときがあって、得なんですよ。かなり、ズバッと言うときもあります。ただ、噺家は悪口は言わない。
現場見学をだいたい1000カ所以上回っているんですよ。全部自費で行っているんですよ。北海道から鹿児島まで全部自分の金でね。これが他の講師にはできないんですよ。私は見学に行けば、いいものを探さなければ損をすると思うし、しゃくにさわるから、いいところを探してくるんです。
ですから、ここに空き缶が落ちている、タバコの吸殻があるなんて、そんなものは関係ないんですよ、私には。この所長さんは、これだけいい安全に取り組んでいるから、…
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