パワハラ 特に対応せず47% 知った後の勤務先対応 厚労省・ハラスメント報告書

2021.05.29 【安全スタッフ ニュース】
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 厚生労働省は、「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を取りまとめた。パワーハラスメントを経験している人が3割に上ることが明らかになった。ハラスメントを受けた後の行動では、パワハラ、セクハラともに「何もしなかった」が最多で、一方、ハラスメントを知った後の勤務先の対応としては、パワハラでは「特に何もしなかった」が47%と半数近くを占めている。

 今回の実態調査は、全国の企業と労働者などを対象に、昨年10月に実施したもの。前回調査から4年が経過し、対策に取り組む企業割合や労働者の状況が変化してきていることを考慮した。

 パワハラ、セクハラ、顧客などからの著しい迷惑行為について、過去3年間にわたる勤務先での経験の有無・頻度を聞いたところ、一度以上経験したことのある者の割合は、パワハラで31.4%、顧客などからの著しい迷惑行為で15.0%、セクハラで10.2%となった。

 内容としては、パワハラでは「精神的な攻撃」(49.4%)、セクハラでは「性的な冗談やからかい」(49.8%)、顧客などからの著しい迷惑行為では、「長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム(過度なもの)」(52.0%)の割合が最も高かった。

 ハラスメントを受けた後の行動に関しては、パワハラ、セクハラでは「何もしなかった」の割合がそれぞれ35.9%、39.8%と最多。一方、顧客などからの著しい迷惑行為では「社内の上司に相談した」(48.4%)がトップだった。

 ハラスメントを知った後の勤務先の対応を尋ねると、パワハラでは「特に何もしなかった」(47.1%)、セクハラでは「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(34.6%)、顧客などからの著しい迷惑行為では、「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(48.6%)の割合がそれぞれ最も高かった。

 また、勤務先によるパワハラ、セクハラ行為の認定については、「ハラスメントがあったともなかったとも判断せずあいまいなままだった」がパワハラで59.3%、セクハラで40.2%と最多になっている。

2021年6月1日第2379号 掲載
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