膀胱がんの項目追加 MOCA特殊健診で 厚労省
2017.03.16
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は、「3・3’―ジクロロ―4・4’―ジアミノジフェニルメタン」(略称「MOCA」)に係る特殊健康診断の項目に、 膀胱がんなどの尿路系腫瘍を予防・早期発見するための検査を追加する。今年4月1日から一部改正した特定化学物質障害予防規則が施行される。「MOCA」は特定化学物質(第2類物質)であり、「ヒトに対して発がん性がある」としている。
改正法では、「MOCA」または「MOCA」をその重量の1%を超えて含有する製剤その他の物を製造し、または取り扱う業務に労働者を常時従事させている事業場が対象となる。
事業者は、該当する労働者に対し、業務の経歴の調査、作業条件の簡易な調査、「MOCA」による血尿、頻尿、排尿痛などの自他覚症状とその既往歴の有無の検査、尿中の潜血検査などについて、雇入れの際やその後半年ごとに1回、定期に医師による健康診断を行う必要がある。
「MOCA」は、防水剤、床材などに利用されるウレタン樹脂の硬化剤として使用されている。IARC(国際がん研究機関)の発がん性分類では、「ヒトに対して発がん性がある」としている。現在、「MOCA」に係る特殊健康診断は、178事業場、受診労働者数2024人という実施状況にある。
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[平成29年3月15日付2278号] 掲載