【震災関連ニュース】土砂崩壊防止へ異常発見を 事前調査踏まえ計画作成 厚労省
復旧作業時の注意点で通達
厚生労働省は3月18日、東日本大震災により被害を受けた地域での復旧工事の労働災害防止対策徹底を、建設業労働災害防止協会など関係団体へ通達した。依然として余震の発生が懸念されることから、津波による災害など二次災害の防止に留意した安全な施工の徹底を図るとしたうえで、各種工事で災害防止措置を徹底するよう求めたもの。
今後、被災地で本格化していく復旧工事で注意すべきこととして、「余震の発生に留意した安全な施工」「土砂崩壊災害の防止」「港湾施設、防波堤、道路、鉄道等の復旧工事における災害の防止」「電気・通信工事における災害の防止」「ガス・水道復旧工事における災害の防止」「建築物等の解体、改修工事、がれきの処理における石綿等ばく露の防止」「土砂流災害の防止」の7点を示している。
土砂崩壊災害防止では、事前に作業箇所を十分に調査し、調査結果を踏まえて作業計画を策定したうえで作業を行うよう指示。作業の際には点検者を指名し、地山の異常をできるだけ早期に発見するよう努めることとし、土砂崩壊の恐れがある場合には、堅固な構造の土止め支保工を設けることとした。
また、土砂関連では、土石流災害の危険にも注意を促している。「作業場所の上流の河川の形状などを事前に十分に調査する」「土石流の早期把握などの措置を講じるための警戒降雨量基準、作業中止降雨量基準を必要に応じ見直すこと」とし、警報用設備や避難用設備の点検、避難方法の周知など土石流災害の防止対策を徹底することを求めている。
インフラ復旧工事に当たっては、電気・通信施設の復旧時に高所作業、高所作業車を用いる作業が行われることから、墜落防止措置、高所作業車の転倒防止などを挙げた。ガス・水道の復旧では、掘削作業に伴う土砂崩壊や建設機械などによる災害を防止するための措置も講じてもらいたいとしている。