【震災関連ニュース】作業員3人の被曝で管理体制確立を指導 福島労働局
2011.04.15
【安全スタッフ ニュース】
福島労働局は3月24日、福島第一原発で東京電力の関連会社作業員3人が高い濃度の放射線にさらされた事故を受け、福島第一原発に対し、安全衛生管理体制を確立してから作業を再開するよう口頭で指導した。
東京電力の発表によると、作業員は3号機タービン建屋1階と地下1階でケーブル敷設作業を実施中に被災。2人の作業員については、放射性物質を含んだ水が両足の皮膚に付着したことから、ベータ線熱傷の可能性があるとして病院へ搬送された。
現場では放射線量を計測する線量計の警報が鳴っていたが、前日に行った線量調査の結果から線量率が低いままだと思い込んで作業を継続したものとみている。その後の調査で、水表面の線量率は約400mSv(ミリシーベルト)毎時であったことが判明し、同社では、「個人線量計の警報を十分に認識し、警報を発した際に必ず退域することを再度徹底する」とした。
なお、事故の制御と即時かつ緊急の救済作業など、特にやむを得ない場合の労働者の被ばく放射線量については、厚労省が3月14日に首相官邸からの要請に応じて電離放射線障害予防規則の特例を施行している。「放射線被ばく量の限度を引き上げることもやむを得ない」と判断し、福島第一原発から30km圏内に限り、作業者が緊急作業をしている間に受ける線量の「通算」の上限を、従来の「100mSv」から「250mSv」へと引き上げている。
平成23年4月15日第2136号 掲載