建設・陸運で休業災害増加 鉄筋コンクリ造から墜落目立つ 平成23年の業種別労災発生状況 厚労省
2012.02.01
【安全スタッフ ニュース】
建設業、陸上貨物運送事業、小売業、高齢者介護サービス業の4業種で休業4日以上の労働災害が大きく増加している。厚労省のまとめているデータ(労災確定前の死傷病報告提出件数)によると、昨年10月末現在の労働災害は昨年同時期に比べ1279人増加。建設業の441人が最も顕著で、道路貨物運送業160人、小売業315人、社会福祉施設で209人増える状況となっている。
災害の傾向では、木造建築や設備工事での災害が減少している一方で、鉄骨・鉄筋家屋の災害が昨年同期の1601人から1901人へと大幅に増えた。なかでも特に墜落・転落の発生が目立っているとして、鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋の建築、瓦屋根のふき替えなどの際に注意するよう求めている。また、要請先の建災防へ、会員事業場の取組み状況報告を指示した。
また、陸上貨物運送事業では、「墜落・転落」をはじめとして「交通事故」「腰痛」「転倒」などが増加傾向にあるという。荷役作業では荷主へ協力を求めて積極的に関与してもらうとともに、交通労働災害防止の推進、重量物を取り扱う際には自動装置や台車を使って省力化を図るなどの対策を指示した。
小売業、社会福祉施設では、転倒、60歳以上の高年齢者の災害、腰痛などの増加が著しいとして、業界団体を通じて職場の安全衛生自主点検を促している。
平成24年2月1日第2155号 掲載