被災建物解体で崩壊増加を懸念
2012.05.01
【安全スタッフ ニュース】
安衛研では、地震や津波で被害を受けた建物の解体工事で、今後「崩壊・倒壊」災害が増えるのではないかとも予想している。
過去に発生した解体工事のデータをみると、「崩壊・倒壊」が災害全体の約26%を占めていたが、震災復旧関連の解体工事ではこの割合が6.7%と低い値に止まっている。
被災地では、コンクリート造の建物の解体が木造ほど進んでいない実態があるが、今後、工事量の増加が見込まれることから、災害が増加する可能性もある。
安衛研の担当者によると、「崩壊・倒壊災害はコンクリート製の壁やブロック塀を引き倒す時に発生しやすいため、今後、コンクリート造の建物の解体が本格的になると、崩壊・倒壊災害の件数が増えていく恐れもある」という。
また、作業が復旧から復興の段階に入り、新築建物の工事事故が増えることも予想される。被災地での安全対策では、作業の進み具合に合わせ、先手をとった対策を講じていくことが重要になるとした。
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平成24年5月1日第2161号 掲載