インフラ工事へ除染則適用 運送業には月40時間の基準 2.5μSv/h以上で線量管理 厚労省
厚生労働省は、福島県を中心とした除染特別地域などで公的インフラの復旧や製造事業、保守修繕、運送業務などに従事する労働者の放射線障害防止対策について、専門家検討会の報告書をまとめた。
報告書では、平均空間線量率が2.5μSv/h(マイクロシーベルト毎時)を超える場所での作業を「特定線量業務」、土木工事などで1万bq(ベクレル)/kgを超える汚染された表土やアスファルトを剥ぎ取る業務を「特定汚染土壌等取扱業務」として、これらの業務で事業者に線量管理を求めるとしている。
例えば、インフラの復旧工事や保守修繕業務、復旧作業に付随する荷の運搬作業などを行う際、2.5μSv/hを超える場所では個人線量計を使った外部被ばく測定を行い、さらに特定汚染土壌取扱業務に当たる場合には内部被ばく測定も必要になる。
運送業については、インフラ復旧に付随しない作業で運転者が車両の運転のみを行う場合には、2.5μSv/hを超える場所に1カ月あたり40時間以上滞在することが見込まれる際に線量管理を行うとした。
また、製造業では、適切な除染が行われた場所であれば屋内線量率が基準を超えることは想定されないという見方を示している。事業者は労働者が受ける電離放射線をできるだけ少なくするよう、被ばく低減を優先し、あらかじめ作業場所で除染措置が実施されるように努めることとした。
厚労省では報告書をもとにガイドラインを策定し、現行の除染電離則を改正する。6月上旬にも改正案を交付し、今年7月1日の施行を目指す考えだ。