可燃ガス発生の調査を 北陸整備局が緊急点検へ トンネル爆発事故で要請 新潟労働局
2012.06.15
【安全スタッフ ニュース】
新潟労働局(吉松美貞局長)は5月30日、新潟県南魚沼市の八箇峠トンネルで発生した爆発災害を受け、新潟県や国土交通省北陸地方整備局などの公共工事発注機関宛に、労働災害防止対策徹底を要請した。事故はトンネル内で発生した可燃性ガスが何らかの原因で爆発したものと見られ、作業員4人が死亡、3人が負傷している。
要請では、工事施工段階の措置として、「予想以上の可燃性ガスが発生した場合の適切かつ迅速な計画変更」「坑内の可燃性ガスが滞留しやすい場所でのガス濃度の定期的な測定」「可燃性ガスが存在する場合の坑内への火気、着火源の持ち込みの禁止および防爆構造の電気設備使用の徹底」などについて、施工業者に周知徹底をするよう指示した。
また、計画段階の安全確保措置では、「厚労省が示している『山岳トンネル工事に係るセーフティ・アセスメントに関する指針』による安全性の事前評価」や「可燃性ガス発生の危険性についての調査」「ガスの処理、換気の方法に関する適正な施工計画の作成」を求めている。工事休止中や一定期間工事を行っていなかった坑内に点検などで入る場合には、可燃性ガスの濃度測定による安全確保を行うこととした。
要請を受けた北陸地方整備局は、管内事務所に対して各施工業者への周知徹底を通知。今後、早急に発注者・受注者によるトンネル工事現場の安全管理体制の緊急点検を実施する予定だ。
平成24年6月15日第2164号 掲載