「治療」と「就労」両立で調査開始 厚労省

2012.08.01 【安全スタッフ ニュース】
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 厚生労働省は、がんや糖尿病、メンタルヘルスなどの病気を抱える労働者が、治療を続けながら職業生活を送ることができる社会づくりに向けて、企業の取組み状況や労働者のニーズなどの調査を行う。治療と職業生活の両立を支援するための方策を議論していた検討会の報告案のなかで、今後の行政の課題として提案されたもの。

 現在、メンタルヘルス不調者については大企業を中心に職場復帰体制が構築されつつあるが、その他疾病全般については、企業の取組み状況はどの程度進んでいるか明らかになっていない。一方で、治療技術の進歩によってがんの生存率が50%を超える最近の状況や、糖尿病など生活習慣病を抱えながら働く人の数も一定数いることなどから、「治療を受けながらの就労を希望する労働者のニーズは一定以上ある」と、厚労省では見込んでいる。

 調査では、どのくらいの数の労働者が両立支援を必要としているのか、企業や医療機関内での相談対応の整備状況について、実態を把握する考えだ。

 企業がすでに実施している支援としては、㈱西日本シティ銀行(福岡県)が、両立支援のための専属保健師を配置し、病気の相談、休職の判断、継続治療の状況などをフォローする例などがある。

 報告書では、今後、女性や疾病のリスクが高くなる高年齢労働者の就労促進に伴い、さらに両立支援のニーズは増えていくと予想していて、「ワーク・ライフ・バランス」の観点からも企業の自主的な取組みが重要になるとしている。

平成24年8月1日第2167号 掲載
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