胆管がん問題で協議会発足 事業者向けにパンフ作成も 健康障害防止の啓発図る 日印産連
2012.08.15
【安全スタッフ ニュース】
印刷業関連の業界団体で構成する(社)日本印刷産業連合会(足立直樹会長)は、印刷事業場で胆管がん発症の報告が相次いでいることを受け、業界関係者などによる労働衛生協議会を立ち上げ、健康障害防止対策に乗り出した。
同連合会傘下の10団体、2688社から回収したアンケート調査では、安全衛生管理組織の設置が71%など、なんらかの対策を講じている事業者は多いが、作業環境測定(25%)、局所排気装置の設置(29%)など労働安全衛生法に基づく管理策の実施率は低い。
印刷業は小規模の事業場が多く従業員が3人程度の事業場が全体の半分近くを占めるという。業界を挙げて事業場を支援していくため、事業者向けのパンフレットを作成し配布するとともに、労働衛生セミナー、勉強会を全国で開催するなど、労働衛生法令順守と健康障害防止策の啓発に努めるとしている。
日印産連によると、印刷から製本までの各工程で、それぞれ有機溶剤を使う機会がある。工程によって作業が大きく異なるので、パンフレットには事業者に分かりやすい形で工程別の対策を示すとしている。
非会員企業(アウトサイダー)への周知も課題として、今後、具体的な施策を検討していく考えだ。
平成24年8月15日第2168号 掲載