安全帯取付設備設置を促進 屋根上での墜落・転落防止へ 平成25年度概算予算まとまる 厚労省
厚生労働省は平成25年度の予算概算要求をまとめた。墜落・転落災害防止対策推進事業の要求額約5000万円のなかで、新規に屋根上など足場の設置が困難な場所への安全帯取付設備の普及事業費を計上している。
厚労省では、東日本大震災の復旧・復興工事や太陽光パネルの取付工事の需要増加に伴う墜落災害の増加を懸念。工期の短さや作業性の問題から足場の設置が困難な住宅屋根に対し、適切な安全帯取付設備の設置を促進していく。併せて、墜落時の衝撃が少ない「ハーネス型」安全帯の普及も図るとした。来年度、屋根上での作業に関するマニュアルの作成、墜落対策の実演研修会を開催する考えだ。
安全帯取付設備の設置については、今年3月に(独)労働安全衛生研究所と(社)日本保安用品協会が報告書をまとめており(6月1日号ズームアップ欄で紹介)、地上から安全に親綱を張る工法などを提案している。
一方、東日本大震災の復旧・復興工事安全衛生確保支援事業として計上している約2億5000万円では、岩手・宮城・福島の被災3県で復興作業に当たる建設業者への教育をより充実させる。平成25年度以降、大規模宅地の造成や住宅建設ラッシュなど本格的な復興工事が実施されることで、被災地での安全衛生管理担当者の不足が予想されるからだ。
今年度実施している新規参入者への安全衛生教育に加え、来年度は新たに現場の安全衛生のキーマンである関係請負人の職長、元請けとなる中小ゼネコンの管理監督者向けに教育・研修支援を行うとしている。