3割が労災記録制度持たず 「活用方法分からない」という声 労働災害防止の重点対策等調査 厚労省
2012.11.15
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は10月25日、昨年11月に実施した「労働災害防止対策等重点調査」の結果をまとめた。労働災害防止計画の重点政策策定のための基礎資料として新たに開始した調査で、安全衛生活動、メンタルヘルス対策、長時間労働者への取組みなどについて規模10人以上の約1万3000事業所と労働者約1万8000人を対象に実態を調べている。
今回の調査で初めて聞いた質問では、「業務上災害が発生した時に記録として残すか」に対して、「記録する制度を設けていない」と答えた事業場は全体の31.6%あった。
記録しない理由の多くは「業務上災害が発生したことがない(58.4%)」というものだったが、一方では「記録する者(安全担当)がいない(15.6%)」「記録しても何に利用していいか分からない(10.5%)」「労災保険に加入していない(1.5%)」という実態も分かっている。事業場の規模が小さくなるほど、記録する制度がない事業場の割合は高い。
また、教育では、危険感受性向上教育は23.7%、能力向上教育は34.9%の事業所が実施していた。
一方、労働者調査では、過去1年間に自分の仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄を聞いている。「ストレスを感じる事柄がある」とした人は全体の32.4%で、そのうち78%が家族や同僚、外部の相談機関などに相談したいと回答している。
平成24年11月15日第2174号 掲載