【特集】全員参加です! 1週間前に安全をシミュレート 作業者と監督者が双方向で議論/IHIプラント建設
危険体感教育を始めとする“模擬”は安全衛生分野で現在ステータスを極めつつあるが、ここに新たな安全管理手法を構築した会社がある。IHIプラント建設㈱の「作業安全シミュレーション」はすべての作業を安全に進めるために、1週間前に作業工程などに則りシミュレートしていく。監督者、業者監督、作業グループ長、作業者全員が双方向で話すことで、安全対策上の“抜け”がなくなったという。作業安全シミュレーションを実施しないところは、作業着手を認めない厳格なルールを適用している。
その名はスリーエス!
同社はIHIグループのなかで、産業機械・電力・ガス・石油化学プラントなどの設計、製作、現地据付工事を行う建設会社として中核を担っている。また、建設後のメンテナンスにも対応するなど施工から保守まで一貫したサービスを行う。
そんな同社にとって、平成18~21年度にかけて、予期せぬ災害が連続して発生した。災害発生の背後要因を突き止めるため、安全施工サイクルを検証したところ、IPC(同社)監督から作業者まで全員が双方向で落ち着いて意見交換する場がなかったという結論にたどりついた。管理者の意思が最先端の作業者まで伝わっていなかったり、工事監督が現場状況を十分に把握しきれていないなどが判明した。協力会社や作業者の力量まかせになっており、双方向のコミュニケーションが取れていなかったことが大きな反省点となった。
そこで平成21年8月に「作業安全シミュレーション」という新安全管理手法を編み出した。関係者の間では、SSS(作業・セーフティ・シミュレーション)の略称で親しまれている。
SSSは、…
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