【特集】やっぱり最後はKYTが物をいう 全員指差し唱和なら恥ずかしくない/藤倉化成佐野事業所
労働安全衛生マネジメントシステムを導入している企業は、大手を中心に定着化の傾向がみられるが、労働災害をゼロにするためにはプラスアルファが必要として取り組んでいる企業がある。藤倉化成㈱佐野事業所(栃木・佐野市)では、マネジメントシステムの効果を認識しつつも災害ゼロを達成するには何かが足りないと考えた。安全確認の不足が最大の要因だということを発見、KYTによる指差し呼称の徹底化をめざした。ところが、指差し呼称を行うのは恥ずかしく勇気がいるため、なかなか思うようにいかない。そこで、全員による指差し唱和を実施したところ、恥ずかしさを克服できたという。災害ゼロ達成にはシステムに加え、やっぱり最後は地道な活動が有効のようだ。
目の前の対策に追われ
メタクリル樹脂合成技術の応用展開による航空機用風防ガラスや航空機塗料などのメーカーとして1938年に産声をあげた同社は現在、プラスチック用塗料、建築用塗料、導電性ペーストなどの電子材料、トナー用や粘接着剤用などの合成樹脂が主体となっている。コーティング材のメーカーとしての同社では労働安全衛生を経営の最優先課題として位置づける。
そんな同社が安衛活動の歴史のなかで、マネジメントシステム導入は最大の変化点だったととらえる。品質マネジメントシステムのISO9001、環境マネジメントシステムISO14001の認証取得に続き、労働安全衛生マネジメントシステムのBS-OHSAS18001の認証を2004年に所得した。
マネジメントシステム導入以前にも、安全衛生委員会活動を通じて、職場パトロールによる危険箇所の抽出や5S活動、ヒヤリ・ハットの提案などが実施されてきたものの、目の前の危険に対する対策に追われたのが現実のようだ。
こうしたことから、危険源の抽出とリスク評価、リスクの大きさに応じた災害予防を主軸にしたマネジメントシステム導入に踏み切った。「起こしてからでは取り返しのつかない」労働災害は、それまで地区レベルだった安全衛生活動を全社レベルの活動に引き上げ、組織体制や権限の明確化、労災の明確な定義と正確な状況把握につながったという。
マネジメントシステムの実際の効果としては次の通り。…
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