心身機能の低下に配慮を バランスがとれず災害に 高年齢者向けガイド作成 住団連・安衛研
2011.08.01
【安全スタッフ ニュース】
低層住宅の建設団体によって構成する(社)住宅生産団体連合会と(独)労働安全衛生総合研究所は共同で、低層住宅建設工事「高年齢労働者のための安全ガイド」を作成した。大工職などの急激な高齢化が進むなか、加齢による心身機能の低下が労働災害を招く危険があるとして、安全で快適に働くことのできる職場の整備のために作ったもの。
ガイドでは、「バランス感覚低下による墜落転落災害」をポイントのひとつに挙げている。バランス感覚は20歳代をピークに急激に低下、高年齢労働者からは「脚立や足場板での作業でふらつく」といった声が少なくない。低層住宅工事の災害を分析したところ、脚立足場上作業での墜落のすべてが50歳以上の労働者という結果も出ている。
これらを踏まえ、ガイドでは、脚立ではなく可搬式の作業台の使用を勧奨。たとえ低所であっても軽く考えず、墜落防止対策を講じる必要があるとした。また、はしごにも手すりを設置するなどの滑落防止対策を挙げている。
その他の心身機能の低下では、とっさの動きができず、つまずいた時に手が出なかったり、筋力、視力、聴力の衰えなどもあるという。つまずくものがない作業通路の設置や、滑らず転倒しにくい安全靴の着用などを示している。
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平成23年8月1日第2143号 掲載