被曝線量に応じて受診機会を設ける 原発作業の健康管理
2011.09.01
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は、福島第一原発で働く作業員の長期的な健康管理について、中間的なとりまとめとして、グランドデザイン(大枠)を公表した。福島第一原発で緊急作業に当たった労働者全員が、離職後も自分の健康状態を把握し、適切な健康管理を受けるためのデータベースを整備するというもの(8月1日号ニュース欄で既報)。
具体的な運用方法では、まず緊急作業従事者全員を国が運営するデータベースに登録。在職中の労働者には、原則的に所属事業場が健康管理を実施し、離職者などに対しては、国が健康相談窓口を設置して対応する形となる。
そのうえで、通常考えられる放射線業務の被曝量を超える場合については、線量に応じて定期的な健康診断を実施する。健康管理のあり方を議論している専門検討会案では、「実効線量が50mSvを超え100mSv以下」の作業者には、年1回の白内障に関する目の検査、「実効線量が100mSvを超えた」場合には目の検査に加え年1回の甲状腺検査、がん検診(胃、大腸、肺)を受診できる機会を設けるとしている。
厚労省では今月中に検討会の最終報告をとりまとめ、早ければ来年1月からデータベースの運用を開始する予定だ。
平成23年9月1日第2145号 掲載