【トピックス】工種別施工計画書で工事把握 労働災害防止へ先手管理 社員の能力向上に「研さんツール」/鹿島建設
鹿島建設㈱は、労働災害防止の先手管理として「工種別施工計画書」を作成し、現場で活用している。同計画書は、着工から完成まで工種全体の概要を理解するのが目的。「施工数量・期間」「必要な資機材」「工程」などを示しており、工種全体のガイドラインとなる。工事を任された社員が同計画書の作成を行うが、提出を通して所長から指導を受けることとなっている。所長が「生きた教育」を実践することで、社員、自らの研さんのためにも役立ち、すでに現場では欠かせないツールという。
施工への関与不足が…
「人と技術を育てること 所長は、次世代を担う部下と共につくる喜びを持って、創意工夫に努め、新しい生産工法の創造を目指さなくてはならない。日々の研鑽が利益を創出し、実践的な教育となり、技術の伝承となる」――2011年7月に鹿島建設の金子宏副社長が社員に向けて発信した「現場所長(建築)の心得」の一条文だ。これを受けて「将来にわたって人と技術を育てる。また、所長は1日でなるものではなく、新入社員のころから日々、切磋琢磨して始めて所長になる」という目的を掲げた同社は、社員が日々研さんするためのツールとして「工種別施工計画書」を作成し、現場で活用していくこととした。
同社が過去に発生した事故を分析すると、準備不足で工事が始まりその結果、労働災害につながっていたことが少なくなかった。近年、建設業界は低コスト、短工期と施工環境が厳しさを増しており、社員はさまざまな業務の負担が増えている。その結果、施工に関して社員の関与が不足し、協力会社に頼る傾向が増した。危険を伴う作業に対し、特定元方事業者としての責任の欠如が懸念されるようになったというわけだ。現場施工にいかにかかわり、安全・品質をどう担保するか――。そのためにも、社員の能力向上が急務になった。
先輩のアドバイスを受けながら
こうした状況を打開し、先手管理で完成まで大局を持って工事に当たろうと考えられたのが…
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