九州商船㈱が全航路全便の休航を発表 労使交渉まとまらずスト突入
2017.12.15
【Web限定ニュース】
九州商船㈱は12月25日の始発便から、全航路全便で休航となることを発表した。休航は全日本海員組合のストライキによるもので、同組合は完全解決までストライキを続けるとしている。
同社は就航以来長年にわたり海員組合の組合員が従事していたジェットフォイルの整備員職種を、経営の合理化などを理由に新たに陸上で雇用する「陸上化」を提案。これに対し同組合は、整備員の職種はユニオンショップ協定により、組合の職域だと主張した。「陸上化」をめぐる労使交渉は複数回行われたが合意に至らなかった。
同組合は2016年3月28日、長崎県労働委員会に救済申し立てを行った。同労働委員会は17年11月9日に同社を誠実交渉義務違反と認定。「陸上化」について同組合と誠実に団体交渉を行わなければならないとする命令を下した。
詳しくはこちらの記事を参照
しかし、同労働委員会の命令について、同社は「協議申入れに対し誠実に対応していることは明白」「司法の場に判断を委ねる」として、長崎地方裁判所に命令の取り消しを求める訴訟を起こした。
12月5日、同組合は長崎県知事と長崎県労働委員会に12月25日からストライキを実施する予告通知を行った。これを受け、同労働委員会は12月22日を回答期限とするあっせん案を出したが、同組合が受け入れを拒否したため、あっせんは不成立に終わり、ストに突入した。
なお、同社の休航に伴う代替便については、㈱五島産業汽船が行うとしている。