【特集2】安全表示で「見える化」を 高年齢者、外国人の災害防止に効果 <対談>厚労省安全課×中災防教育ゼロ災推進部
近年、増加傾向にある休業災害。その背景には、転倒など行動に起因する労働災害や、高年齢者、外国人労働者、未経験労働者の労働災害が減少していない状況がある。課題解決に向けた取組みとして、厚生労働省では「見える安全活動コンクール」を開催するなど、危険の見える化や安全表示による注意喚起事例の水平展開を図っている。職場の安全表示は単なる危険の伝達を超え、安全な人づくりにも役立つという。厚労省安全課と中災防教育ゼロ災推進部は、見える安全活動の推進へ向けた対談を行った。
死傷者数は19年ぶり13万人台に
笹尾:なかなかコロナが終息しませんが、厚生労働省では、労働災害がコロナによってどんな影響を受けているのか解析などはなさっていますか?
繁野:4月30日に令和2年労働災害発生状況ということで公表させていただいています。労働災害の死傷者数は、全体では19年ぶりに13万人を超えたという状況です。この中には、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害も含まれています。コロナ対策で通常と異なる事業運営などの影響によって、増加しているということが考えられるのではないでしょうか。
笹尾:安全活動や教育などもリアルでは行えないためかなり低調になってきて、中災防でも実施数が激減しています。安全教育の低下を心配する事業所もありますが、そういった影響もあるのかもしれません。
繁野:そうです。厚生労働省としても、安全教育は重要だと考えていますので、さまざまな教材を作成して、HPなどで公表しているところです。…
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