【特集】誰でも分かる作業標準書を 完全無災害維持しています/古河スカイ日光工場
熟練作業者の減少による安全技術の伝承はどこの会社も頭を抱える問題だろうが、これにチャレンジしているところがある。古河スカイ㈱日光工場では、限られた人員で互換訓練を行い多能工化を推進するため安全作業標準書の見直しを図り、リスクアセスメントと連動させ作業内容に抜けがなく誰が見ても簡単に分かる安全作業標準書作成に成功した。加えて、机回りの絵姿化や機械の誤操作防止対策の「命札」の活用といった安全活動のおかげで、第一仕上職場は不休業災害さえない完全無災害を1000日以上継続中だ。
作業内容を省いてしまうベテラン!?
古河スカイ製板事業部日光工場はアルミニウムの圧延工場で、カークーラーやラジエータなどの自動車用熱交換器材、パソコンのハードディスク材、飲料缶用のキャップ材などを生産している。工場の利点を生かし少量・多品種の特殊製品製造が特徴だ。
今回、取材で訪れた製板課第一仕上職場は総勢23人、平均年齢48歳と高く50歳代以上が11人の構成となっている。5年後には8人の熟練作業者が職場を去ることになるため、安全技術・レベルの維持向上が急務となっている。
そこで、限られた人員を必要な時に必要な設備に速やかに配置することができるようにするため、互換訓練を行い多能工化を推進する方向が打ち出された。互換訓練は、例えば主に製品の切断作業をする作業者と材料の洗浄・表面処理をする作業者がお互いに訓練を通じて会得していくもの。
多能工化をスムーズに進めるヒントとなったのが、作業標準書だ。作業内容に抜けがなく、誰でも簡単に理解できる安全作業標準書を作成することとなった。
これまでの作業標準書がどうだったかというと、10年前までは図1のように手書きで行っていたようだ。書くのも大変そうで、書き手によっては文字にクセがある場合などは、読みにくいケースもあるだろう。
次にワープロで作成(図2)したものに変わり読みやすくはなったものの、活字ばかりで誰が見ても分かるという段階ではなかった。そこで、図3のようにパソコンで作成、…
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