【特集】車両がキレイなら事故は起きません ドライバーの安全意識も維持/新幸運輸倉庫

2012.10.15 【安全スタッフ 特集】
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 車両をキレイにしていれば、事故はない――。「そんな簡単なことで、交通労働災害が防げるなら苦労はしない」との声が聞かれそうだが、実際にこれを実践して実績を上げている会社がある。㈱新幸運輸倉庫(茨城・猿島郡)では車両を毎日キレイにし、雨が降っていてもタイヤとタイヤホイールを洗ってから車庫にしまうことを徹底している。車両をキレイに保つため、例えば舗装されていない道路で水たまりがあれば、最徐行するため自ずと安全運転になる仕組みだ。また、荷役作業では荷主へ「労働災害安全作業提案書」を渡し、荷主との対等の関係を保っている。

納品先で言われるのが楽しみ

 同社は昭和51年に創業し、関東を中心に事業を開始、従業員22人、ドライバー12人、車両台数14台で事業を行っている。比較的小規模な会社だが、小回りが利くメリットを生かし、経営トップがすばやく全員に安全衛生方針に基づく目標を周知徹底することができるのが特徴だ。

 そんな同社の社訓が「雨の次の日でも、きれいな車で輸送」というもの。「車をキレイにしているだけで事故が起きないなんてウソだろう」と思いがちだが、同社の平成23年の事故・労災はゼロで、ここ10年間の保険料が75%引きというから驚きだ。

 では、どういうことなのか。例えば、舗装されていない道路で水たまりがあったりすると、普通のスピードで走り抜ければ、泥水が跳ね上がり、タイヤが汚れるほか周囲にも迷惑がかかる。「車両をキレイに」という考えが頭にあると、ゆっくりと水たまりを避けて通るかもしくは最徐行するようになる。結果としてスピードが抑えられ安全運転につながる。

 また、こんなケースもある。道路にまで伸びている枝があって、対向車とギリギリすれ違う場合、少々のこすれ傷を気にしないドライバーならボディを枝に接触させながら対向車とすれ違うだろう。ところが、同社のドライバーは、このような場面に遭遇したら必ず停車して、対向車に道を譲って対向車が去った後に枝を避けて通行する。これならば、対向車との接触事故の可能性はゼロとなる。

 このように、「車両をキレイに」との発想は全て“安全への道”へつながっていることになる。

 だから、同社では車両を毎日キレイにしている。雨が降っていても帰庫したら必ずタイヤとタイヤホイールを洗ってから車庫にしまうルールだ。「積込先や納品先で『いつもトラックがきれいだね』って言われるのが楽しみなんですよ」とのドライバーの感想があることから、洗車を楽しんでいる姿が目に浮かぶ。

雨でもタイヤとホイールは洗っています

 会社としても塗装が薄くなっていては洗車のやる気が失せると考え、…

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平成24年10月15日第2172号 掲載
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