【特集】危険への感覚 300人が共有 電源開発の災害模擬体験学習会
危険への感受性を高める体感教育を導入する企業が、最近では増えている。多くみられるパターンは、数人から数十人単位でグループに分けて項目別にローテーションで回っていく教育がほとんどだが、電源開発㈱が毎年2回実施している「災害模擬体験学習会」は規模が300人とそのスケールに圧倒される。構内で働く協力会社の作業者およそ300人が同日、同時刻にそして同時に危険への感覚を共有できる意味は大きい。職場でヒヤリ・ハットがあった場合など「あの学習会で体験したことが起こったかもしれない」といった共通認識ができているからだ。11月10日に学習会があると聞いたので広島に飛んだ。
学習会の会場となったのは、同社の竹原火力発電所(広島・竹原市)で、構内事務所横駐車場の広いスペースで行われた。
【実施項目】 ① 保護帽への飛来落下物衝撃度試験 |
実施する項目は上表のとおりで、12項目からなり午後1時にスタートし午後3時までの2時間の予定だ。1項目あたり5~8分程度で、長いものでは③が20分を実験時間に当てている。
受講者は協力業者約300人のほか、地元の労働基準監督署、警察、消防からも見学に訪れた。
講師は外部に委託、㈱エス・アール・エスのベテラン講師が「安全意識って何?」と問いかけ、いよいよ学習会がスタート。その内容をみてみよう。
【① 保護帽への飛来落下物衝撃度試験】5㎏の重りを無帽で70㎝と1mの高さから1回ずつ落とす。今度は着帽した状態で1mの高さから重りを落下。1mの場合、着帽していれば約3分の1まで衝撃が吸収されることを説明した。受講者は、保護帽をかぶる意味を再確認したようだ。…
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら