【特集1】危険予知訓練を映像で振り返る 安全作業手順も解説動画に 「暗黙知」から「形式知」へ/日鉄工材㈱
15年以上の休業無災害を継続している日鉄工材㈱(本社:新潟県上越市、社員数119人)。社内で行われた危険予知訓練の様子や社長による安全巡視の結果などを動画で共有することで、これまで暗黙知として説明が不十分だった手順を「形式知」として見えるようにし、振り返り教育に役立てられるようにした。また、個人別の作業が多い職場に合わせて、多種類作業時KYボードを作成し、各個人ごとの注意のポイントを可視化するなど、社員全員に安全の知識を浸透させる取組みに力を入れる。
顧客満足と社員の幸せを両立
上越市に本社工場を構える日鉄工材は、特殊合金の独自製品設計、高精度の加工を強みとする会社。電解銅箔の製造に使われるチタン製電着ドラムは世界的トップシェアを誇り、圧力容器などの産業機械のほか、建築用材料に使われる冷間圧延ステンレスフラットバーなどを製造している。
経営品質活動として社員と顧客に目を向けた経営に注力する同社は、「働きやすく生産性の高い職場づくり」を目指し、日本経営品質賞やグッドキャリアアワードといったさまざまな賞を受賞してきた。今年1月には新潟労働局による安全衛生優良企業認定を新潟県内で初めて取得した。積み重ねた安全活動は、もうすぐ16年に達する休業無災害の継続にもつながっている。
安全巡視時にKYTを実演
安全活動の特徴を表すキーワードのひとつが、「暗黙知の形式知化」だ。文章だけでは表現しきれない「暗黙知」の部分を、写真やイラストをまじえながら、分かりやすく伝えるよう工夫をしている。
各職場では4ラウンド法による危険予知訓練(安全訓練)を定期的に実施し、訓練の成果を毎月の社長安全巡視の場で実演する。この様子も動画で撮影し、「いつでも誰でも振り返って確認できるように」と教育ツールとして活用できるようにした。
撮影した映像は編集したうえで、社内イントラで共有し、職場で行う危険予知訓練などの教材に使用する(写真1~3)。…
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら