【特集1】部門トップが直筆で安全宣言 基準・原則・事例を重視 リスク抽出できる人材に/積水化学グループ
積水化学グループでは、社長をはじめ各部門のトップが自筆の「私の安全行動宣言」を毎年度発表し、イントラネットで公開している。安全への熱意を直接広く伝える取組みで、社員から好評を得ているという。教育面では、「自職場のリスクを自分たちで発掘し改善する」ことができる人材を育成するため、リスク抽出力アップ実践研修を開催。現場のリスクの早期発見・早期改善につなげている。設備の安全設計基準、安全作業の6原則、災害事例の3つを重要な知識と位置づけ、いかに現場に行き渡らせていくかが大切という。
「安全をすべてに優先」が基本
住宅カンパニー、環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニー、メディカル事業などを手掛ける積水化学工業㈱(従業員2万6577人、2021年3月期連結ベース)は、近年安全衛生対策を強化している。
積水化学グループの安全方針の理念は、「一人ひとりカケガエノナイひと」の人間尊重をベースにしたもの。開発から生産、施工、サービスまでのすべての事業活動において、「安全をすべてに優先させる」ことを基本とし、労働災害、設備災害、通勤災害、疾病長欠ゼロを目指したトータルセーフティー活動を推進している(上図)。
安全の基本は、「自分の安全は自分で守る」ことであるとし、従業員一人ひとりが危険を危険と判断できる感受性を持つことを大切としている。設備面の安全を万全にしても、人の作業や行動に危険が潜んでいることを認識する必要があるため、安全教育や危険への感受性を高めるための取組みとともに、定めたルールを守り、守らせる風土づくりに力を入れているという。
従業員が安全に安心して働くことができる職場づくりが、企業としての責任であり、経営における最重要課題の一つと考えている。同社グループのトータルセーフティー活動は、①「設備」の本質安全化、②OHSMSによる「安全管理」、③従業員の「安全教育」、④危険予知活動などの「リスク予防」、⑤安全衛生・防災に関する「安全監査」――の5つのテーマを柱としており、積極的に取り組む。…
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