【特集1】マンガで伝えるトンネル工事の安全 現場管理の〝極意〟伝承へ 問題解決に向けた奮闘描く/清水建設 地下空間統括部 「安全漫画プロジェクト」
清水建設は、「安全現場を創る」と題した漫画教材を制作した。社内に立ち上げたプロジェクトチームが現場の技術者からヒヤリハットやトラブルに対処した経験などを聞き取り、「人」「技術」「組織」「危険の芽」の側面から労働災害につながる背景要因を分類。トンネル工事における安全管理の極意などを盛り込みながら7話のストーリーに再構築している。問題解決に奮闘する技術者の経験を語り継ぐための教材として活用していく。
安全の考え方を伝える教材
「トンネル現場力強化推進運動」を展開し、これまで重機接触リスク低減、肌落ち災害防止、粉じん障害防止などを強化してきた同社地下空間統括部。最近では、機械安全分野のSafety2.0の理念を採り入れた人と機械の協調型安全の導入にも取り組んでいる。一方、ソフト面である教育の観点からは、「安全漫画プロジェクト」を2019年に立ち上げて活動を続けてきた。
「法律をベースにした事故災害防止対策やリスクアセスメントに取り組むなかで、建設現場で予防安全を実現するためには〝安全とは何か〟という考え方を伝えていく必要を感じていた」と土木技術本部地下空間統括部の三原泰司上席エンジニアはいう。トンネル工事に携わるすべての社員に向けて、現場担当者が経験した安全管理上の課題、語り継いでいくべき想いを漫画で表現することで、受け手側に関心を持ってもらう狙いがあった。制作にはプロの漫画家と脚本家に加わってもらい、現場職員から意見を吸い上げつつ、テーマ選びとシナリオ作りを進めていった。
現場で奮闘する技術者の姿描く
2019年に製作したFile1~3のテーマは「安全文化を創る」。トンネル工事現場の経験を重ねた人であれば思わず頷いてしまう悩みや状況をもとに、作業員の安全を守るために奮闘する技術者の姿を描いた。明治大学の向殿政男名誉教授が体系づけた安全学をベースに、現場に潜む課題や安全管理を「人」「技術」「組織」の要素に分析している。…
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